Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

寝正月で会得したことなど

2011-01-02 | 料理
まことの寝正月である。一年の最初の三十時間で二十四時間ほどは寝ていたであろう。貝合わせなどと正月らしいことをしていたのだが、その蠣の毒が頭に廻ったのか、はたまたチャンポンの飲酒量が多かったのか、ノイヤースコンツェルトのラデツキィー行進曲の手拍子すら覚えていない。

意識が戻ったのは日が暮れてからである。食欲も無く辛うじてリンゴを食して再び眠りに就く。チャンポンで飲んだもので危なそうなものの筆頭は、バッサーマン・ヨルダン醸造所のプレゼントで貰ったプロセコぐらいであろう。流石に2010年の新酒であるピノブランが悪い酒だったとは思われないが、前回空けたときに比べて今回は嫌に美味すぎた心象はある。昨晩の大晦日に開けていたものである。

恒例となったソヴィニヨン・ブランはこれまた素晴らしく。トロピカルフルーツ飲料のような赤いグレープフルーツ味の線は食事よりもそれだけを愉しむような屠蘇のようなありがたいワインであった。昨日の残りであるペッヒシュタインの2004年ものはその蠣に大成功であった。2001年に続いて、2002年産は燻製物にと評判の高いこのリースリングであるが、2004年産はその新鮮さからしてまた酸の肌理の細やかさからして勝っているかもしれない。糖を敢えて残し気味にしてあるようだが残糖感としての分離感が全く感じられない熟成をしており、更に良くなってきているようである。追加予約を決定 ―、 大晦日に食したパタゴニアのイタヤ貝の方が良かった。

二時間半で即席で作った弁当箱では想定外に、煮物が美味かった。醤油を一切使わずに、天然昆布と天然鰹だしで僅かな塩と味醂だけを落として、大根とジャガイモと人参をジックリ煮たものである。シュヴァルテンマーゲンのスライスの下にフェルトサラダの白ゴマソース和えが敷いてあり、これも必ずしも白ワインに悪くは無かった。燻製サーモンのライム搾りも良かったが、炭水化物無しでは鴨の胸肉は塩気が効き過ぎていて、ニシンの芥子付けも味が強過ぎた。メインの蠣は東海の潮がなかなか良かった。初めて食べた夏のエディンバラでの北海のそれを思い出す。ちなみに料理時間の十五分ほどは貝を開けるのに道具を探したが、ヴィクトリノックスの三種類のナイフや穴刺しで上手に開くことを会得した。

体を動かして鍛えるようになってから、大分寝る体力がついてきた。但し腰だけが長く仰向けになっていると駄目である。

ワインは、名門バッサーマン・ヨルダンが品質の悪い裾物商品で商売するようになっているのがまことに心外である。もう二度とビュルクリン・ヴォルフの品質に追いつくことはありえないだろうが、少なくとも名前を貶すような商品だけは控えて頂きたい。規模が大きすぎるのだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« よーみよドイツワインガイド2010 | トップ | 新雪雪崩を起こすのは貝毒だ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿