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Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

直ぐに氷柱を登りたい気分

2012-11-28 | テクニック
シュタイクアイゼンが届いた。先ずは靴に合うのかどうかが気がかりだったので、装着を試してみる。使えそうだと分った。それだけも、長年の疑念が晴れたようでとても気持ちよかった。その閉め具のドイツ語で言うへーベルビンディングシステムは昔からあったのだが、私が知っているのはその初期で「欧州では使っているらしい」との情報が流れていた時代で、「靴との相性で外れる危険があって、外れたら流れ紐がついていない分落ちてしまって、大きな岩壁では使えない」ぐらいにしか評価されていなかった。

そのため従来の占め具を改造したリベットを自分で打ち込んでの自家製占め具を作って「岩登り」をしていたのだが、流石にそうしたシステムは上から靴を締め付けるために凍傷になりやすいということで危険なシステムとなってきていた。そして昨今のゴアテックス製の靴などには全く使い物にならない。

それでも新しいシステムは、古い靴との相性などが難しそうで、使ったことの無い者にとっては面倒なことであったのだ。そして実際に装着してみるとそれほど複雑ではなく、購入したそのアイゼンは工具も無しにアジャスト出来るようになっていて、更に驚かされた。

調整可能箇所は靴先の閉め具の針金をつける場所の箇所を替える一件と、同様に後ろのかかとの金具の二箇所の架け替えの一件、そして全体の二部分に分かれている土踏まずの場所の長さを替える一件の合わせて三箇所である。

靴の大きさは、34から44に対応しているがそれ以上に大きい靴には別売りの連結金具があるようだ。その大きさは問題なかったが、使いたいガリビエールのルネ・デメゾン「スーパーガイド」は細身でそもそもアイス用にはあまり考えられていないと思ったから、心配だったのである。昨シーズンに初めてアイスで使ってみて中々使えることが分ったものだから、約三十五年ぶりで復活登場となったのだ、そして今回ドライツーリングにもそして氷柱にもってこいの一本爪のアイゼンに使うとなると、遠に亡くなったアドヴァイザーのデメゾン氏も思いもよらなかったリヴァイヴァルではないだろうか。

なるほど重量の片足1250Gは現在の900G台の靴からすれば重いのだが、底に鉄板が入っている分必要な硬性は十分あるように思われる。少なくとも760Gのゴアテックスや1350Gもあるライケルの登山靴では全くこうした本格的なアイスクライミング用のシュタイクアインゼンは使えない。足の寒さに関しても咋シーズンの摂氏零下十五度の雪道でも問題なかったので靴下などの改良が大きい。

そしてなによりもそのシュタイクアインゼンの素晴らしさはこうして室内で装着してみて眺めているだけでも最高のパフォーマンスを約束してくれている。実は一本爪を購入するということを若い仲間に話すと、彼は同じメーカーのLINXという商品を勧めたのであった。一本爪と二本爪を入れ替えることが出来て、万能に使える商品で価格も少々高いだけなのである。なるほど二足買うよりは安い。

そこでその商品を詳しくネットの写真等で調べると、なるほど重量差は200Gであったが、その十四本爪はとても使い難そうだと思った。なによりも谷の柱状の水氷と四千メートル級の壁を一緒に登ることなどないと悟ると、その重さだけでなく要らぬもののを足に付けていって一体何の得があるのかと思った。ミックスのゲレンデを考えると益々そのアイゼンでは登り難いことも想像でき、なるほど今の若い人は本格的に「シュタイクアイゼンで岩登り」をしていないことを伺わせた。先ずは、氷柱を二本爪で登ってみて苦労してみるのが良いだろう。

この場を借りて、シャルレ・ダートを推奨頂いた、プロガイドの舟橋氏に心より謝意を表したい。実際に使ってみなければ成果とはならないが、少なくともその推薦の正当性には、当時ザイル無しで氷の垂壁を颯爽と登っていた氏の姿が目に焼きついている者には、疑いなど毛頭無い。


追記:写真を写してから更にもう一つ短くして、踵部の留め金がゴムに食い込むようにファインチューニングした。なぜか左右の嵌り方が若干異なっていて、左足では同じ金具位置「外短八」で踵のゴムが噛んでしまうのである ― 靴の踵が細いことで極力アイゼン側を短くするため。硬いねじ回しのようなものを携帯するか、ゴムをバインダーにかけるか工夫しないと冷寒地では硬過ぎるかも知れない。しかし完璧な装着である。



参照:
高めるべきは経験値 2012-02-14 | アウトドーア・環境
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
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スポーティーなヤッケの生地

2012-11-23 | テクニック
注文したヤッケが届いた。予期していたように、最初期のゴアテックスの様に再び薄っぺらいハードシェルになっている。何よりも知りたかったのは重量である。なぜかと言えば新しいゴアテックス・アクティヴの商品は400G以上であったらいけないからだ。実はよりハードさを求められるプロと呼ばれる同じシリーズの商品の方が軽いのである。

そこで早速袋から取り出して量ってみた。なるほど412Gで公称415Gが正しいのである。先ずはタグを外してみた。すると402Gである。しかしこの商品には袋がついているのである。その袋が16G、つまり前提条件である400Gを下回って本体は386Gとなる。合格である。

それでも同じシリーズの上級商品つまり高価な商品よりも20Gほど重いのはなぜなのか?そもそもアクティヴという商品は、同じ三重構造を使ったとしてもサンドイッチの中の生地を貼り付けて実質的に二重構造にするラミネート加工をしているのである。そうすることによって、膜と膜の間の自由空間の気体の性質に関わらずに、通気性を上げれるのは少し想像してみれば誰でも合点が行く筈だ。二十年ほど前にそうした工場を見学して話を伺ったことがあるのだが、正しくラミネートの技術がそこでは重要になる。

そこから推測できるのはラミネート加工に使う溶剤などを含めた接着剤が重いのだろうということで、更に生地を薄くして肩などには更に厚い生地を使えばどうしても一枚の素材よりも縫い目が多くなって重さに繋がる縫製加工をしなければいけなくなったのだろう。しかし見た目には中国の細かな仕事振りがあるようで比較的綺麗に仕上がっている。

あまり長持ちは期待していないのだが、洗濯機で容易に洗えることや表面に防水スプレーをかけることで再び防水性能も上がるようなのでどんどん使いたくなる商品でもある。薄っぺらいので試しに摂氏八度のバルコンに腰掛けてみた。足先などは悴んで来るが、ヤッケを着ている部分は暑苦しくも寒くも無く快適である。これならば薄っぺらいフリースの上でも十分に雨風を防げるだろうが、アイスクライミングなどを考えるとそこからまだマイナス20度ほど低い環境の中では寒いだろう。先ずは、分厚目のフリースを購入してみて試してみるしかないであろう。分厚いといっても最近の衣料はボディーコンシャス化が進んでいるので、肩周りがごろごろするようなものではない。兎に角なんら抵抗無しに運動出来る性能が最新のアウトドーア商品には備わっている。

外界の厳しい環境から身体を守りつつ、同時にトレールランニングなどの更にハードな運動をこなせる素材としてアクティヴが使われるときには更に300G以下の商品とするということになっている。先ずは雪交じりの天候のような場合はこれで十分であり、Tシャツとこれがあれば夏はどうにかなってしまう。そこに薄めのフリースがあれば完璧である。〆て800Gの上着類で大分サヴァイヴァルできるのである。現在使っているゴアテックスのヤッケが780G程であるから、如何に軽くなって機能的になっていくことか。三十年ほど前の化繊の機能性下着やその他の時代とは何もかも変わって来てしまっていて、それだけスポーツ的な活動が高山でも可能になってきているのである。

因みにボディーコンシャスなカッティングのために下に分厚いセーターを着ると胸元がはちきれてしまうが、Lサイズでは大きくなり過ぎるだろう。英国のサイズは身体に合うので助かるが、若し日本製ならばLかLLでなければ窮屈で着れなくなる。それも英国の商品を選ぶ理由である。



参照:
求められる第二の肌感覚 2012-11-15 | テクニック
Not body conscious. Not baggy 2011-07-11 | アウトドーア・環境
Dry Toolingの練習に使えるかも? (NEXT DREAM 記憶と記録)
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終に逝かれたもう一つの蝶番

2012-11-20 | テクニック
なんだかんだと忙しい週の始まりだった。なによりもラップトップが壊れてしまったので急いで注文しなければいけなかった。十年以上の古い製品であり、一昨年ぐらいからディスプレーのヒンジが一つ壊れて、閉じる事の出来ないノートブックとして、旅行に持ち出すにも骨が折れていた。

そうして騙し騙し使っているうちに、もう一方のヒンジも同じように剥がれてしまったから、騙しようが無くなった。それでも瞬間接着剤を惜しみなく使って応急処置をするが、一人立ちすることが難しいディスプレーの重みで完全にディスプレーが本体から剥がれてしまうのも時間の問題だろう。

だから急いで注文したのだが、PCのそれもラップトップの世界で十年以上となると殆ど世紀が異なるようなものである。途中に自分自身が使うものではないものを選択したりして、幾らかは現在の仕様は分るのだが、それから二年も経っているとまたまた時代遅れになっている。いづれミニノートブックやタブレット購入の必要性を感じているものだから、今回選択するラップトップにはそうした軽便性は求めなかった。

だからそれほどの支出を覚悟しないでも、そこそこ特に冬のお篭りの間に寝室で使えるものとして、旅行などを考えずに据え置きノートブックとしての使用を前提とした。そのような使用目的から、なによりもWLANの感度が良いことも求められて、現在の富士通ジーメンスがヒンジだけでなく中々繋がりにくくなっている面もどうしても解消したいのである。

その他USBを中心に最新のPCを購入する限りは、他のデジタル機器と連結する性能も重視した。同時にあまりにもディスプレーに恵まれていない環境から大きなディスプレーを導入する必要もあった。大きさは15インチを選択するが、十分な解像力は予算からすると難しいことも分っている。その一方で、拾ってきたVIDEOやインターネットのマルティメディアを十分に鑑賞できるだけの性能は欲しい。

そうした思考過程で選択肢にのぼってきたのは中共製のリノヴォである。韓国勢を除くと比較的話題になるのはIBMのシィンクパッドの流れがあるようで、その後継のシリーズは人気がある。それでももう一つマルティメディアよりの商品が欲しいのでエッジと呼ばれるシリーズから様々なテスト報告や仕様を研究した。価格も698ユーロ見当でインテルのCi5がついているものをを購入できることも分り、注文する予定でいたが、最後に他のメーカーと比較して心変わりした。

やはり中共製はそれほどずば抜けて安いわけではないが仕上がりがあまりよくなくて、使い難く、持つ楽しみが一切無いことが分ってしまった。なるほどこの価格帯で高級感を求めるのはお門違いであるが、なにも無理してマッキントッシュを購入する必要も割高の商品を購入する必要も無いのだが、中共商品にはそのコンセプトなど全く不可解な点が多すぎる。そもそもPCなどは上手く部品を組み合わせて品質管理をすることがブランドの仕事なので、その点からすればやはり中共製品は未熟過ぎる。

ヒューレットペッカーも事務用品もいくつか使ったが、これもプラスティックの形成など怪我を恐れずに使うべきものが殆どであまりにも仕上げが悪すぎる。ロシア製よりは少しは良いのかもしれないが、米国製品の中でも大きな差があるのは経験上分っている。

さて、最後の比較として急に登場してきたのが、期もせずに富士通の商品であった。てっきり高価な商品しか見つからないだろうと思っていたのだが、確りとリノヴォに対抗する商品を出している。そこから同じようにライフブックと呼ばれるシリーズに白羽の矢を立てた。そうして探しているうちに旬のクリスマス商戦向きの商品に出くわした。

デザインの基本は、壊れた十年前の商品とあまり変わらないが、最新の商品はその特徴であったアルミの枠を外して、最近流行のピアノ板タッチの指紋で汚れやすいプラスティック性になっている。価格は可也押さえられているがそれなりに家内道具としてさまになるように作られていて、汚れていないうちは写真を見る限りはキーボードなども美しく並んでいる。

性能もリノヴォの最新のものには適わないようだが、64BITシステムで価格も安くなによりもそのコンセプトや仕上げが明確で気持ちが良い。それになんと、「メードインジャーマニー」が謳い文句となっている。

実際は組み立てだけにしても、「メードインジャーマニー」などは求める術も無いとご時世で、逆に白物家電などでは自国製製品と銘打って高価に販売されている。基本的には全てはシナからやってくるのだが、勿論富士通も失脚した薄熙来が招致したように重慶などの工場で作られているわけで、まさかドイツ製とは思ってもみなかった。



参照:
下卑た振る舞いの日本人 2011-05-05 | 雑感
棒にあたり牡丹餅が落ちてくる 2010-08-28 | テクニック
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求められる第二の肌感覚

2012-11-15 | テクニック
ゴアテックスの商品を調べている。加工工程のラミネート技術なども嘗て身近に見聞きいていたのだが、その後の状況もあまり代わり映えはしないようだ。ハードシェルのヤッケを探しているとどうしてもそのテキスタイルの技術的な問題に目が行く。

現在購入予定のヤッケ候補は、何通りかのゴアテックスの生地を使っているのだが、一番剛健なのはプロと呼ばれる三重構造の生地で、今注目しているのはアクティヴと呼ばれる更に発汗性を考慮した生地である。その大きな相違は、中に挟まれる詰物がラミネート接着されていて二重構造に近似していることのようである。

そうすることで風や雨を防ぎながらも薄く、生地間の摩擦を無くして発汗の放出の効率を上げている。勿論これはヤッケを着込んでいながら強い運動をするときには大変助かる機能である。

二十年近く使ってきたヤッケはメッシュまでを入れると四重構造となっていることからすれば分るように、明らかに薄く軽くなってはいるのだが、なるほど上記のプロ使用の生地が強調するように薄くなればなるほどシュタイクアイゼンなどで引っ掛けると穴が開き易いのも事実だろう。その昔ナイロンの単純な生地がヤッケとして使われていた頃には、ある程度の太さの糸でのナイロン生地はアイゼンを自分で引っ掛けても破れなかったので、逆にそれで足を取られて転落事故に繋がるというような話があった。それどころか、ナイロンはそのように強すぎて危険なので、初心者にはテトロンかなにかの破れ易い生地を着せて雪上訓練をしろなどという笑い話のようなことがことが技術文に書かれていたのを思い出す。

ゴアテックス自体も最初に購入したのがごわごわの生地の分厚いもので、その昔のナイロンよりも剛健であった。そして、その後の衣料用の生地としての発展があるようだ。更に興味深いのはゴアテックスプロは日本製となっていることで、なるほどあの当時のラミネート技術が独自な発展を見せたのだろうと想像する。しかしながら、最終製品と為るともはや中国製が当然の事ながら中心となってきていて、加工も中国で行われて最終的な縫製まで持ち込まれているのだろう。

さて、購入の方向性は決まった。ソフトシェルの購入なども考慮した結果、やはりハードシェルで夏冬共に使えるものを購入したいとなった。つまり、夏は天候変化に対応してリュックにいつも入れて置けるような軽量でコムパクトなヤッケ、冬は今年はスキーには使わないのでアイスクライミング時に飛沫がかかっても水が垂れていても濡れないようなヤッケ。どうもフードの形状など完璧なものが見つからないので適当な価格でゴアテックスアクティヴ生地を使ってみたいとなった。

セーターなども同じであるが最近のモードのトレンドはこうした素材を上手に使うということでボディーコンシャスで運動の邪魔にならない第二の肌感覚が求められているようだ。その先端にこうしたスポーツ衣料があり、洗濯なども含めて白物電化の市場にも大きな影響を与えている。嘗てのテキスタイル産業が医療やエコ産業などで意外なノウハウを提供している背景にはこうした産業の仕掛けがあることは明白である。



参照:
桃栗三年柿八年、山八十年 2012-11-14 | アウトドーア・環境
Not body conscious. Not baggy 2011-07-11 | アウトドーア・環境
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屋根裏のジェットストリーム

2012-02-26 | テクニック
初めて湯沸かし器を購入した。欧州ではそれが上手く機能することは知っていたのだが、ガスでやかんをかけて沸かす習慣が今まで抜けずに、電気コンロで沸かしていたのである。それどころか新しいケトルを購入したのは昨年のことだった。

電気消費を抑える出来る限りの方法として、また冬の篭り部屋での生活を考えて湯沸かし器を試してみたいと思っていたのだ。篭りの季節の終わりが見えてきた今になって漸く購入に相成った。

様々な商品をネットで調べて同じ商品をスーパーで見つけたりしながら、小型の瀟洒なものが欲しかったのである。そしてテーファル社の商品に決定した。同社の製品としてはアイロンに続いて二つ目である。

世界的に家庭電化をリードするブルゴーニュのSEBグループの一つのブランドで、その規模ではサンヨーを吸収したチンタオのハイヤー社などには到底及ばないが気の利いた商品を出している同グループのなかでも特色のある中核ブランドである。

量は、お茶を飲むだけなので一リッターも必要ないのと思ったのだが、現物をスーパーで見て外形の大きさなどで問題なく、少なめに沸かせば全く問題なく消費削減が出来ると考えた。

二三日使用した印象では、沸く速度も十分に速く、丁度適量が湧かせることも確認できて満足している。2400Wの消費も時間を掛け合わせればコンロと比べて可也低くなるだろう。欠点としてアマゾンなどに挙げられていた、沸かすときのアダプター上での重心の高さと不安程度は、子供のいる家庭では返品ものであるが、通常に使っていてひっくり返るようなものではない。寧ろ、沸いたら直ちにアダプターから外して机の上などに置き換えることで安定しているので、周りもそれほど熱くならずに使いやすく安全である。煩わしさが皆無である。

ただし沸かすときの激しいジェットストリーム音で強烈で、まるでB737キャビンでのエンジンへと送られる燃料菅系の激しい轟音を想起させるのである。まさに離陸直前になると自動的にスイッチが切れてお湯が沸きあがる。

しかし、注ぎ口から蒸気が吹き上がる様子が確認できないので、正しく上の音の発生するメカニズムが発熱体とそのお湯の対流の加減から得られたものであることが推測されるのである。当然のことながら暴れ狂う水が口から飛び出してくるようなけれんも無い。

同様に注ぎ口から尻漏れする気配も全く無くて、流体を把握したエンジニアリングと見た。ドイツのエンジニアーならば、重心の安定と蒸気の処理などを考えて、中庸な商品となるところだろうが、やはり目的を貫くフランス人の思考回路は異なるのである。

そのように如何にもフランスらしい商品で、そこに魅力がある。なるほど同じような商品は半分ほどの価格の20ユーロほどでも購入できるが、機能的にも抜かりなく、湯沸しにも文化性を感じさせてくれるこうした商品はやはり購入した満足度が高いのである。SEBグループの世界的な高評価を裏切らない製品である。



参照:
ブルゴーニュ風味付けのアイロン 2010-04-02 | 雑感
排出零の節約ライフスタイル 2012-02-04 | アウトドーア・環境
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無駄が聞こえない環境作り

2011-09-07 | テクニック
ベルリンでIFAが盛大に開かれている。インターナショナル・フンク・アウスステールングの略であり、世界で最も古い電気博覧会で、今でも最も重要な家電博覧会である。嘗ては生活の豊かさを示したような家電がもはや先進工業国では重要な消費対象でなくなったが、それでも白物家電は必需品には変わりなく、特にスマートグリットなどの消費節約と、より再生可能なエネルギー消費が目指されているので、技術的には大きな進展が期待されている ― この九月から60W以上の電球が不売になったので駆け込み需要があったらしい。

新聞でのその報告の横に、音のしないPCの紹介があって、興味深く読んだ。それによると90年代から騒音を減らすように空冷無しの電源部を開発して、十年ほど前から「サイレントマックス」というシステムに様々な工夫を盛り込んできたようである。これまでの商品が雑音を感じないパーツに、耳を近づければハードディスクの回転だけだったのが、今回はSSDハードディスクを利用して、殆ど聞こえないシステムに近づいたということである。立ち上がりが早いとか、サブのハードディスクにデーターを引き継ぐとか、落ちてしまう可能性が高まるとかの様々な議論はあっても、こうした全体の傾向は変わらない。

静かなものに限ったことはない。ノートブックなどはもはや殆ど聞き取ることが出来なくなっており、大きなデスクトップで如何に作動を安定して雑音を減らせるかにあるのだろう。自身ワークステーションに、故障からファンの付いていないグラフィックカードを設置するようになって、若干の作動上のラグタイムは生じるようになったが、音が静かになっただけでも満足している。

特にPCで音楽を聴くというようなマルチメディアの使い方が盛んになってきていることを考えれば、こうした技術的進化はHIFIやTV受信機に変わる将来性のある市場に違いない。

十年前ではマッキントッシュのスタジオシステムにおいても、本機を室外に置くことで何とか音響のポストプロダクションシステムとして使用できていたが、現在のiMacでも上記サイレントマックスよりは喧しいという事で、こうしたシステムの発展には期待が高まる。

その場合もカタログに記載されているようなデシベル表示では実際の喧しさとはかけ離れていてソーン表示に留意している。1Kz に置けるサイン波の40dbを基準として、二倍にやかましければ2Soneとなる。通常のPCの場合は、0.5から1.0ソーンで、上の新製品の場合は0.1ソーンとなるようだ。

家庭で、PCで音楽を聴きたいとかの目的ならば、今後はこうした商品を選ぶことになるのだろう。兎に角、事務所においても雑音は無い方が歓迎されるのは当然で、更に熱工学的に考えれば出来るだけ無駄な発熱をしないようなシステムが今後のハイテク電化製品の主役となるのだろう。その意味からはIFAでの最新の商品の動向もあまり変わらないに違いない。



参照:
Die erholsame Ruhe des leisen PC, Michael Spehr, FAZ vom 6.9.2011
ハードの問題、ソフトの問題 2011-05-09 | 雑感
越えてはいけない収束への道 2011-05-03 | 雑感
テクニックそれでも収束に向かわなかった 2011-04-30 | テクニック
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国際的社会への基礎技術

2011-08-21 | テクニック
反核運動が盛んであるが、やはり長期的には核融合の実用化に期待がかかる。マックスプランク研究所のヴァンデルシュタインプロジェクトも7Xと呼ばれる恒常型の試験炉が三年後には完成する。今までのプロジェクトの成果を踏まえて、さらに合衆国からの技術参画によって勢いがついてきている。核融合に必要な計測器以外にも、磁気場のための磁石もヘルムホルツ研究所などで準備されている。

7Xは、アクティヴ冷却装置が出来上がる2017年になって初めて三十分毎の恒常運転を始めるようだが、タービンなどの発電施設を持たない試験機である。南フランスにあるITERのトカマク型核融合機が500MWの発電のために僅か50MWのエネルギーでプラズマを加速して最低の経済性は確保することになる。

しかし、EU以外に六カ国も参加するそのITERのプロジェクトは政治的な問題を抱えていて2019年まで待たなければいけない状況以外に、ヴァンデルシュタインのステラレーター型とは異なり、間欠型の運用しか出来ないため恒常運転とはならない。

燃料は、リチウムと重水素で、一億度に加熱されて、核融合されたヘリウムに生じたエネルギーの二割方が重水素とトリチウムに受け渡される。原子力発電との差異は、ヘリウムは死の灰とならないことであり、いくらかプラズマによって放射能汚染された装置も80年から100年で再び「正常化」されるということである。要するに原子力発電のような「トイレの無いマンション」とはならないというのである。

さらに危険性も、八割方のエネルギーを得る中性子がブランケットに流れ出て、その運動エネルギーがヘリウムガスなどの冷却材を熱して、さらに中性子と共にリチウムを沸かすので、連続した中性子線の存在である。つまり、そのリチウム原子に中性子が数段に亘って捕らえられる工程が原子炉の設計の味噌となる。しかしその臨界を迎えても所謂連鎖反応を起こすことが無く、上の装置においてもいかに回すことが難しいかであって、そのために炉の形状の精巧さが要求されて、ごみや汚れを避けるヴァキューム掃除機型の灰取器でプラズマからヘリウムなどが分離される。ヴェンデシュタインの特徴はそのように計算機で厳密に計算された複雑な未来形状を精緻に製作するクラフトマンシップにもよるところが多いようでドイツ製の良さが出ることだろう。

今回、テネシーのオークリッジ研究所提出の水冷の掃除機は初期軌道の安定化を齎し、ニュージャージーのプリンストンプラズマ物理研究所から提供された磁場調整装置は、五つの新たなプラズマ軌道を提供することで、安定するまでの修正の必要が小さくなる。そしてそれを赤外線で計測する機器がニューメキシコのロスアラモス国立研究所から提供された。

研究段階を含めて実現化までは強大なプロジェクトであることは変わりなく、原発のような歴史を抱えていないとしても上ITERの例で見られるように国際競争の中でプロジェクトのマネージメントが難しいことには変わりない。しかし、所詮競争は必要であり、市場競争力が出てくるときは実用化は間近である。

1000メガワットの発電の2050年までの実用化へと、マックスプラントの予算枠150億円を含めて400億円の経費が計上されているが、ITERが一兆五千億円以上の予算であるので大分安上がりである。しかし再生可能エネルギーへの投資に比べるとやはりこの予算額は目立つ。

もちろんその可能性と共に核融合への反対の意見もあって、その最も代表例は、核融合技術が実用化される頃にはそのようなエネルギー消費はプロジェクトを執り行っている先進工業国社会にはもはや必要ないであろうとするものである。そしてその技術は所謂発展途上国で産業発展のために生かされるだろうというものである。もしそれが事実だとすれば、それはそれで国際的社会形成の経済的基盤となる訳で必ずしも否定されるものではないであろう。当然ながらCO2排出問題もこれで解決できるのである ― どこか原発の発展利用を謳った共産主義のユートピア思想を思い起こすかもしれないが。



参照:
Die Sonne vom Himmel holen, Ulrich Hnida, vom 16.8.2011,
Amerika heizt mit im Sonnenofen, Günter Paul, FAZ vom 3.8.2011
核融合へと舵を切るエネルギー政策 2010-02-02 | 女
再生不可能な科学的教養 2011-08-09 | 文化一般
潮流を正しい力に換えるには 2011-07-30 | テクニック
獅子のように強い心で 2011-07-08 | アウトドーア・環境
重要な歴史的証言となる事件 2011-05-01 | 雑感
勝手に風呂敷を広げる面白さ 2011-03-09 | BLOG研究
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潮流を正しい力に換えるには

2011-07-30 | テクニック
都市熱の利用法などがラジオで話されていた。学会を募って利用するということは都市熱の削減に繋がるということであろう。脱原子力依存とか言っても、今まで原子力を推進していた以上に再生可能エネルギー開発を後押ししていかないことには実用化へのリスクを背負って開発を進める企業はない。そもそもこうしたヴェンチャー企業を支援するだけの社会構造がないと経済は老化する。

スペインで世界初の波動エネルギー利用の商業発電所が操業したらしい。波動といっても波の力をそのまま利用するというのではなく、波の打ち寄せをパイプへと導いてその空気の呼吸圧でタービンを回すようなシステムである。要するに海水と接触しない。

そのタービンは、スコットランド人アラン・ウェルスが二十年以上前に開発したシステム(oscilating water column)で、呼吸の両方向へのヴェクトルの相違にかかわらず飛行機の羽の渦のように同じ方向へとタービンのフィンを回すことが味噌となっているようだ。

それによって今回操業の250KWの能力のそれはハイデンハイムのフォイト社のものとなる。250軒分の電力を賄う程度なので、海中に大きな土手を作り、3メートルほどの釜を海中にかぶせるような構造なので、まだまだ商業的にはこれからだろうが、世界最初の実用化には他ならないらしい。さらにタービンの騒音を打ち消す消音層が静寂を守るように工夫されている。

しかしこのシステムは波の高さによってその発電量が変わるのは当然で、所謂潮流の動きを電気に変えるシステムではない。同じ会社がやはり試みているのは、海中に風車を設置するような海流の流れをそのまま電気に変えるシステムである。つまり一日に一度その向きを変えて発電することになる。これによって現在出来ているテスト発電は300KWほどであるが、風に影響されない反面海中に使っているゆえの耐久性やメンテナンスの費用は大きいようだ。

そうした中で潮位の差の大きさの位置エネルギーを利用する方法としてフランスのサン・モロのシステムが有名で、これも240KWの発電を可能としている。この場合に重要なのは発電機の特徴で永久磁石によって常時発電できるようなタイプを使うことが効率に結びつくというのだ。

その韓国での実験の延長として、ソウルの南西40KMのシーワで完成したダムが水の腐りから使えないことが分り、12KMに延々とするダムが潮位差ダムに流用して使われるというのである。これによって生じる電力が234MWと予想されていることから、四から五機で原発一機分の発電量に相当する。



参照:
Strom aus der Kraft der Wellen, Georg Küffner, FAZ vom 26.7.2011
節約の結果としての公共料金 2011-02-13 | 生活
風車と冷却塔のある風景 2006-04-14 | アウトドーア・環境
水車小屋のある風景 2005-01-05 | テクニック
獅子のように強い心で 2011-07-08 | アウトドーア・環境
観光資本化されている近代工業 2010-05-21 | テクニック
車が、金が、酒が廻る 2005-08-09 | 歴史・時事
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まやかしの安全対策基準

2011-07-21 | テクニック
新たに安全対策基準が制定されたようだ。所謂ストレステストの基準のようだ。今後の日本の原子力発電所の安全を担うものである。

しかし、どうも現状認識が全く活かされていないようで、それが公に出来ていない状態で新たな基準作りなどは笑止千万である。

最も端的なのは、原発大国であるフランスのサルコジ大統領は命じたように、メルトスルー後を現実的に具体的に考えて、炉の下の強化や壊れた炉心の取り出しに優位な方法などは全く考慮されていないようだ ― そもそも現在進行形の前代未聞の経過が分らずに何の対策が出来るというのだろう。

現状を正しく認識せずに何を遣っても無駄であり、非科学的でしかない。何一つ福島から習っていない。どうしてこうした非科学的な脳みそが、こんな危険な科学を扱っているのか?やはり日本人の脳には高度な科学技術は扱えないのだろう。

イヴェントツリーなどとどこで習ってきたのか知らないが、どうもあの人達には高度な学問などは理解不能なのだろう。



参照:
アルザスの原子力発電所 2011-07-06 | アウトドーア・環境
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事
溶融落下の政治手腕の必要 2011-07-09 | マスメディア批評
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タービンが力強く回るところ

2011-07-04 | テクニック
ルフトハンザのA340-600を撮影した。もっとも馴染みのある機種であり、その飛行挙動や室内音には満足している。映っているのはマインツと名づけられた機体で、二度も乗ったニュルンベルクやシュトッツガルトではない。関空へは、ケープタウンからフランクフルト経由で運行していたようだが、今はどうなのだろう。

さて写真はベランダで撮ったものだが、二百分の一の模型とは言いながら、材質も細部もルフトハンザの資料を使って作成しているので、あまりにも正確で、上から見て主翼の横に非常口出口の通行線が入っているのは知らなかった。客席からは見えないに違いない。空いている飛行のときに一通り見学したのだが、流石にこれには気がつかなかった。

スカイライナーなどが漸く就航の準備にかかっているようだが、新聞に面白い技術解説が載っていた。先ずは、いまやお馴染みとなった主翼の先の曲がりであるが、ウイングレッツ呼ばれるそれは既に先の大戦のドイツ軍の飛行体にも使用されているとある。

空力特性から利があって、737などに施されるようになってからジャンボやその他の大型飛行機にもこれが使われて、燃費の節減などに寄与したといわれているが、今回のル・ブールゲの展示会からの報告では、もはや大型機には採用されないと書いてある。

もちろん、主翼の先で巻き起こる上と下との気流の差の渦を解決することは変わらないのだが違う方法が採用されるのである。先のウイングレッツにしてもカーボン素材の発達で、羽の先の形状の工作が始めて可能となったというように、理論的には分かっていても、本格的な実現化へは紆余曲折の長い道程を歩まなければいけないのはいつもの事である。

スカイライナーは、羽の形状自体が波打つ形状になっていて、さらにフラップも変わってくるようである。それを採用したジャムボでの飛行特性は変わらないようだが、燃費特性が向上しているらしい。またエンジンもGEやプラット・ホイットニー社などが、渦を減らし、騒音の低下やCO2輩出の十五パーセント削減にしのぎを削っている。ギザギザ状の排出側の細工やタービンよりもゆっくり回るフィンなどで成果を挙げていて、近々量産化への結論が出るのだろう。

タービンといえば、ガスタービンの発電が重要性を増しているが、こうした高速のタービンとガス発電の効率も共通する技術はあるのだろうか。少なくとも閉じた空間でのタービンと直接大空から大気を取り入れるそれとの違いは大きいのだろう。
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解体する原子炉が旨いのか

2011-06-23 | テクニック
技術欄で原発解体工程を比較的詳細に紹介している。その工程は政府統合本部やテプコが出しているようないい加減なものではない。しかし工程通り進めないといつまでたっても終わらないのは同じである。テプコの嘘吐きは、排水処理システムの進展状況の遅れ方を説明しているのだけを聞いても誰でも呆れるのである。一刻も早く解体すべきである。

さて永遠に続かに見える現状回復に二十八年掛かるその解体作業の全費用は新設費用よりも多く計上される。たとえば一千億円以上と新設の場合の三倍半以上の経費が計上されている。それでも大事故による修復作業とは全く異なり手軽な作業なのは明白である。そしてその解体工費自体が最初のことであり予想以上の解体費用が出てくると予想されている。

総重量二十五万トンの八割方コンクリートの素材の670メガワットの沸騰水型の二十四年後の1997年に停止された古い原子炉である。そのうち 僅 か 五千トンだけが保存の必要な高放射能廃棄物となる。

それでは安全な解体廃棄物とは何か?掃除してきれいにぬぐって表面上が綺麗になってもまだ駄目なのである。酸やイオン化処置をしてからコバルト60で、キログラムあたり100ベクレルになったものが始めて通常の廃棄物として扱われる。日本の食糧のそれの三分の一ほどの汚染の鉄材などである。日本人はこれなら鉄分補強のためにでも解体した原発をゴリゴリ齧った方が安全なのかもしれない。

建築は僅か二年間、解体は二十八年間なのである。健全なウランやMOX燃料を完璧に取り出して、事故なしに解体してもこれだけの金と手間がかかるのである。一企業が福島のような事故を起こしても、特別な政治的な裏がない限り、解体されない訳が無いのである。



参照:Abshalten und wegschließen, Georg Küffner, FAZ vom 14.6.2011
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細野補佐官のついた嘘

2011-06-08 | テクニック
吾が耳を疑った。統合記者会見風景は、福島のウラン流し打たせ風呂よろしく、BGMのように流れていただけだけども。

NHKの山崎氏の質問に答えて、細野補佐官は「水素爆発だけは想定外で対処の方法も無かった」というように聞いた。これに関して、どのように説明されているのかどうかは分からないが、東電は既に十年も前からその防止装置についてのオファーを受けておりそれの導入を拒絶し続けていたことはFAZが当初から伝えていた*1。

さらに調べると、ハリスバークのスリーマイル島事件でジルコニウムに起因する水素爆発が起きており、その時は事件発生百三十分後であった。しかし、バブコック社のPWR型の格納容器が頑丈に出来ていて最大破局は避けられたのであった。

2007年のシュピーゲル誌が伝えるように、それに比べてBWR型ジーメンス社製の格納容器は薄いので破裂して大気中に破局的な汚染を齎すことが懸念された。実際に、1987年から1999年にかけてドイツの原発で三回も同様の水素爆発事故が起きていた。

第一次冷却水の配管にそれほど遠くないところで爆発していて、場所が僅か三メートルもずれていたならば大事故が起きていたというのである。この程度の事故は、世界中で毎日のように起こっていて、なるほど大型旅客機が落ちるよりもその数ははるかに少ないのだが、確率論的に言及すれば「その確からしさは大事故がおきることが前提」となっている。実際に、スリーマイル、チェルノブイリ、福島とその災害規模は膨らんで来ており、次にはこれ以上の大破局が起こるかもしれないと見るのが数学的な見識である。

フォーカス誌によると、日本からの研究者も留学するカールスルーへ核研究所の科学主任クネーベル氏は、「日本でのそれは既に地震で格納容器が壊れていたので、水素が外へと逃げることなく一部は建屋に溜まったからだ」と、「燃料溶解とは異なり、水素爆発が一義的に津波に関係ない」ことを説明する。またドイツのPWR型には、水素爆発を避けるために水素をパラジウムなどの触媒を介して酸素とともに水化する装置が完備しているというがBWR型はどうなのだろう。

そのような事故の頻発と確率論的に確からしさが高まることで、水素爆発防止装置が開発されて、この十年間でその対応がなされるようになっていったようである。

そうした状況を踏まえると、上の細野発言の意味合いが分からなかった。水素爆発の危険性を知らない専門家など世界に一人もいない筈である*2。

そうなると、細野は嘘をついているのか、それとも阿婆擦れ女のテプコや、性悪女のホアンインに騙されているのか?

あなたのついた嘘、ああ騙された私が悪いのよ。


*1:Patent Forschungszentrum Jülich GmbH, 52428 Jülich, DE, Buch Entwicklung und Untersuchung von Katalysatorelementen für innovative Wasserstoff-Rekombinatoren,
*2:Weitere noch bestehende Risiken, vor allem Wasserstoffexplosion



参照:
Ustream channel [1] (岩上安身オフィシャルサイト)
本日の統合会見 (山崎淑行記者まとめ)
ゼオライトか?、減酸か? 2011-06-08 | テクニック
風評より遥かに恐ろしい風雲 2011-03-23 | マスメディア批評
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ゼオライトか?、減酸か?

2011-06-08 | テクニック
福島でゼオライトが使用されるといわれている。最近は、洗濯や食器洗いなどの家庭電化にも好んで使われるような物質である。特に水を使わない洗濯などには今後さらに一般的に使われそうである。それでも家庭電化部門では本格的な導入は出来ていないようでその効果はまだ十分には認知されていない。

アレヴァのシステムのフィルターや濃し水槽などと考えると、水中にあるうちは熱を抑えることが出来ても、粒子状になった熱を放つ放射線物質をどのように扱うのだろうかと感じた。これに対しては小出助教などの見解を聞くと、猛烈な放射能と被曝の困難が言及されていた。汚水処理施設といっても通常の炉内よりも激しい放射能を大量に処理することへの懐疑である。

ゼオライトを石灰の吸着として使うこともあるようだが、ワイン醸造では石灰を減酸として利用する。これは丁度石灰土壌のリースリングが丸みが出るのと裏腹に所謂角が落ちて輪郭がぼけたリースリングになることにも相当している。たとえ如何に酸が強く分解に苦労したといっても容易に石灰に浸してしまうと折角の土壌が暈けて本当の高級リースリングとはならない。

要するに石灰土壌のフランスのピノワールなどとは異なり、飲みやすいリースリングほど安物で、飲む時期を選ぶリースリングほど上質なワインとなる。商売上は安物を沢山売るほうが良いのだが、安物は世界中に満ち溢れているのでドイツのリースリングは丁度自動車のように最高級でなければ意味が無いのである。

ドイツ最高のワイン産地フォルストにあるゲオルク・モズバッハー醸造所の試みはその意味からやはり見上げたものであろう。現時点ではいまだ嘗て無いほど鋭いリースリングとなっていて、おいそれとはまだ楽しめるワインとはなっていない。すでに購入したグーツリースリングあたりが飲めるぐらいで、それ以上のものはとても辛いのである。逆に、「石灰土壌」と呼ばれるドッペルクロイツの立っているヘアゴットザッカー土壌の丸みがついたリースリングなどが今飲める商品となっている。その反対にあるのが「雑食砂岩」であり、従来から出ていた「バサルト」とともに、完全にレープホルツを追いかけるような按配である。赤ワインに関してはご多分に漏れず2003年以降すばらしいシュペートブルグンダーとメルローを排出し続けている。

その最大の秘密はぶどうの栽培に違いないが、醸造においても発酵をステンレスで行うものと木樽で行うものを双方があり、細やかな「味付け」がなされているのだ。赤ワインなどは33%の新樽バリックであり、リースリングでは反対にフランスにも引っ張りだことなっているドイツの樽が使われている。
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それでも収束に向かわなかった

2011-04-30 | テクニック
結局ワークステーションのグラフィックカードはソフトへの手入れでは収束に向かわなかった。新しいものを注文した。十年も前のものなので、タイプがAGPと呼ばれるもので制限があったが、何とか新しいものを購入出来る。

それにしても壊れたのには前兆があったのだ。焦げ臭い匂いがしていたのを思い出した。カードの扇風機が壊れていて、直したが、音も大きく、焼けた回路は戻りそうにない。なぜ壊れたかと言うと、塵取りに強力な掃除機で吸い上げていたから羽がぐらぐらになっていたからのようだ。最後に吸い上げたのは冬前になるかもしれないが、冬季はそれ程温度が上がらなかったので焼けるまでには至らなかったのだろう。更に生中継を点けっぱなしにしていたので、気温の上昇とともに四月の第三週ぐらいに焼けてしまったのだった。

なかなか結論が出なかったのには、オーディオの問題などが絡んでいて、なぜかバイオスが書き換えられていたからだが、理由は分からない。いづれにしても、焼けたカードクバドロ4は最高級のものでCADに使えるものだったのだが、結局十分にそれを使い切ることはなかった。可也高価なものだった筈だ。

今回購入したのは対抗会社のもので、同じように電源を取る必要がないことから使い易そうで、一度試してみたいと思った。価格も十分の一以下でも性能も同じような感じだろうか。兎に角、ワークステーションの方はあと十年ほどは使わないことには元が取れないので、性能そこそこに騙し騙し使っていく心算である。

この文字を打っているノートブックも壊れ掛けていて、最新のものを近々購入する必要がある。旅行用のものと、日常用のものとの二種類をそろえる必要があるので、これも物入りである。

ここまで行き着くの一月ほど経過したが、ウインドーズもXPで終わりにしても良いなという感が強くなった。やはり故障とか何とかの場合はDOSが容易に使えた95などのシステムの方が直し易い。月曜日に届くLINUXを上手く使いこなせれば、ウインドーズと徐々に距離をおくことが出来そうで、新しいものを購入する場合ウインドーズ7がついていないでも良いかと思う。
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原発廃止後のエネルギー貯蓄

2011-04-10 | テクニック
昨日紹介した新聞記事は、三月二十二日のテクニック欄で掲載されたものだった。そこでは、第三世代のウェスティングハウス社の沸騰水型SWR1000や停止後の冷却の必要の無い圧力型AP1000における商品検査は唯の「良し」もしくは「優良」扱いにしかなっていないと言うのである。圧力抜きなどを備えた仏アレヴァとジーメンスによって共同開発された新システムは、大事故を防げないとした前提で「漏れない」に重点を置いて、セラミックのプールの上に格納炉を設置して何メートルもあるコンクリートで包むことで放射能も吸収して外部へと出さないように設計されている。また四重の緊急冷却システムを内外からの影響を受けないように別棟に設置してあり、洗浄システム自体が内圧を押さえる機能を果していて、EPRと呼ばれるこのシステムは2009年からフィンランドでまた北フランスで動いており、更に二つが中国で操業となる予定となっていた。

上の記事から二週間ほど経って、2020年までには原発を全廃する方向へとドイツ連邦共和国も動いている。さて、再生可能エネルギーで電力需要を十分に賄えるかの疑問点とその問題点を今度は科学欄で扱っている。その時の風力エネルギーの割合は、連邦環境省によると共和国内消費全体の15%、2030年までに26%になると言うことである。2050年において全再生可能エネルギーの比率を供給量の80%へと拡大することを予定している。

さて連邦共和国の現状は、再生可能エネルギーの割合は僅か17%であり、その中で最も有力な風力は6%あまりである。しかし、それに比べて今後ともあまり期待出来ないのが太陽熱エネルギーで1%を賄えるかどうかというのである。その他は地熱エネルギーやバイオエネルギーとなる。

日本やスペイン南部、アフリカの沙漠と違って、ドイツでの太陽エネルギーの獲得は年間を通して困難ということで、ここで北海の風力発電計画などと共通した脱原発への技術的な問題点と可能性が考察される。世界の自動車産業や電気メーカーの開発部門が躍起となって取り組んでいるのが季節によって発電され過ぎて、天候によっても左右される電気の蓄電の問題であるのは周知の事象である。当然のことながら、北アフリカからのロスの少ない直流による高圧電力の輸送のネット化の問題もある。それでも連邦共和国内の需要の10%以下しかサハラ砂漠から供給出来ないであろうと試算されている。要するに発電から家庭電化までを網羅する有効な電気利用としてのスマートグリット構想の完成が必要で、これは数年内に完成すると見做されている。しかし、重要となる蓄電については、自動車産業だけを観ていても解かるのだが本格的な実用はまだ始った所である。

その中でも最も重要視されているのが水素の利用であり水の電気分解、もしくは二酸化炭素からメタノールなどもしくは炭化水素類を、また窒素からアンモニを生成することにある。水素は環境に影響を与えず、炭化水素として輸送に優れているだけでなく、燃料としてまた発電への二次的な原料としてもしくは化学産業での原料として使えるので多様性とその価値は極めて高いと考えられる。

しかし長期に渡る研究にも拘らず未だに目標とする60%の水の電気分解率と至っていないことで、実際には20から25%に留まっていると言う。電気分解のために水の過酸化には触媒が必要とされて、不必要な精製品を生じないその理想とされる触媒は特に大量生産を考えると高価で貴重な鉱物などは使えないと、マックスプランクの化学的変換の為の研究所に移行するミュールハイムのシュレーゲル所長は語る。

そのような状況を総括すると数え切れないほどの風車と広大な地域での太陽熱発電やポンピングによる水力発電施設(揚水発電)やネットワークだけでなく、数多くの蓄電施設は近代的な化学工場のような大きさが必要となるということである。電気を何時までも環境に与えないように使うにはそれしかないと言うのである。



参照:
Zwischenlager für Wind- und Sonnenstrom, Manfred Lindinger, FAZ vom 6.4.2011,
Automatisch sicher, Georg Küffner, FAZ vom 22.3.2011
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