名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

日本相撲協会の性差別

2018-04-10 15:33:05 | Weblog
2018.4.10(火)
 4月4日、大相撲春巡業の行われていた京都府舞鶴市の体育館での出来事。土俵上で挨拶をしていた多々見良三舞鶴市長(67)が突然倒れ、市内の病院に搬送された。
多々見市長が倒れた直後に警察官やスタッフらが土俵に上がり、心臓マッサージなどの救命処置を施していた。その中に観客で、かつ医療関係者とみられる複数の女性がいたが、協会は場内放送で「女性の方は土俵から下りてください。」と数回促した。
 大相撲の土俵は古くから「女人禁制」とされており、この慣例に従ったものとはいえ、命に係わる事態に性差別はないだろう、と場違いなアナウンスに批判が起こった。
 協会の八角理事長は「人命にかかわる状況には不適切な対応だった。深くお詫びする」と謝罪したという。なお、多々見市長は病院で治療を受けたが、幸い回復し命に別状はなかった。
 ことはこれで終わらないところに日本人の女性差別の根深さがある。
 今度は4月9日にあった静岡県掛川市での大相撲春巡業で、挨拶に立った松井三郎市長が「(土俵に)立たせていただいて大変感激している。こけないように、倒れないように。万が一の時も男性のお医者さんが近くにいます」などと発言したというのだ。松井市長は弁明に努めたそうだが、根っこに女性差別の意識があるからこその発言である。
 そもそも土俵上に女性は上がってはいけないという「伝統」などは、明治、大正、昭和(初期)の遺物である。今や大相撲はテレビでも放映され、多くの女性ファンにも支えられている。今回の出来事から協会の対応を批判しつつも大相撲の伝統は大事だという識者がいたが、もはやこんな伝統は何の意義もないというべきである。
 舞鶴市と掛川市との間の時期、4月6日に行なわれた兵庫県宝塚市での巡業では、中川智子市長(70)が挨拶に立ったが、「女性市長も人間だ。市長でありながら、女性という理由で、土俵の上でできないのは悔しく、つらい」と述べたという。中川市長は主催者に自身も上がりたいと要望したが、協会側が断った。中川市長は「時代はどんどん変わり、女性市長も増えている。女性首相も現れるかもしれない。伝統を守りながら、変えるべきは変えていく。相撲協会に考えてもらいたい」と呼びかけたという。
 こういういきさつを経ても、何の対応もできないようでは相撲協会の名が廃る。