名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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松江市教委が「はだしのゲン」を学校図書室から閉架措置

2013-08-21 10:31:46 | Weblog
2013.8.21(水)
 先週各紙が、故中沢啓治さんが自らの被爆体験をもとに描いた漫画「はだしのゲン」について「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたと報じた。
 報道によると、松江市では2012年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出された。同12月、市議会は不採択としたが、市教委が内容をあらためて確認し「旧日本軍がアジアの人々の首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、校長会でゲンを閉架措置とし、できるだけ貸し出さないよう口頭で求めた、という。
 古川康徳・副教育長は「平和教育として非常に重要な教材。教員の指導で読んだり授業で使うのは問題ないが、過激なシーンを判断の付かない小中学生が自由に持ち出して見るのは不適切と判断した」と話している。
 現在市内の小中学校49校の内39校がゲン全10巻を保有しているが全て閉架措置が取られている。これについて文部科学省は「こうした例は聞いたことがない」と言っている。
 それにしても昨年12月に松江市教委が行なった措置から半年以上もたっての各社の報道である。昨年12月には松江市議会で審議までなされて不採択となったものを、市教委がそれに反して閉架措置を取ったものを国民に知らせなかったメディアの態度も不可解である。
 副教育長が「重要な教材」と言いながら「小中学生が自由に見るのは不適切」と言っているのも変だ。市民の一部からの「間違った歴史認識を植え付ける」という圧力に屈したものであることは明らかである。そもそも「はだしのゲン」は本屋へ行けばいつでも買えるのだ。今や「はだしのゲン」は世界の20か国以上の国で翻訳されているベストセラーなのである。

さて、松江市の教育委員会が学校の図書館ではだしのゲンを見れなくしたことに対して、ネットを使って次のような署名活動が行われている。チェンジ・オルグというサイトで、賛同署名を開始して以来、早くも8000人を超えているという。1万人になったら松江市に提出するそうである。

キャンペーン名称:
「生きろゲン!」松江市教育委員会は「はだしのゲン」を松江市内の小中学校図書館で子どもたちが自由に読めるように戻してほしい。
発信者:
「はだしのゲン」は世界に誇る名作マンガだと思う人の集まり
http://www.change.org/ja/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3