名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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国会原発事故調、報告書を発表

2012-07-07 06:27:52 | Weblog
2012.7.7(土)
 原発事故の原因や背景を調べている国会の事故調査委員会は5日、調査報告書を発表した。
 「事故調」とは、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会のことである。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法に基づいて国会に設置された機関である。
 事故調の役割は、「2011年東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島原子力発電所事故に係る経緯・原因の究明を行う」「今後の原子力発電所の事故の防止及び事故に伴い発生する被害の軽減のために施策または措置について提言を行う」とされている。

 構成員は次のとおり。
委員長 黒川  清(医学博士、東大名誉教授、元日本学術会議会長)
委員
    石橋 克彦(地震学者、神戸大学名誉教授)
    大島 賢三(国際協力機構顧問、元国連大使)
    崎山比早子(医学博士、元放射線医学総合研究所主任研究官)
    櫻井 正史(弁護士、元名古屋高検検事長、元防衛省防衛監察監)
    田中 耕一(化学者、島津製作所フェロー)
    田中 三彦(科学ジャーナリスト)
    野村 修也(中央大学大学院法務研究科教授、弁護士)
    蜂須賀禮子(福島県大熊町商工会会長)
    横山 禎徳(社会システム・デザイナー、東大エグゼクティブマネジメント・プログラム企画・推進責任者)

 そしてこの事故調が発表した報告書の骨子は次のとおり。
★東京電力福島第一原発事故は自然災害ではなく明らかに人災
★第一原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱な状態だったと推定される
★地震と津波のリスクは想定外ではない
★1号機の安全上重要な機器が地震で損傷した可能性は否定できない
★運転員の判断や捜査の非は単純に問えない
★東電や規制当局はシビアアクシデント対策、住民の安全保護など当然の備えをしていなかった
★緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を初動の避難指示に活用することは困難だった

 これは明らかに東電や政府と違う見解である。特に菅直人首相(当時)による事故翌日の現場視察など「官邸の直接介入が指揮命令系統の混乱、現場の混乱を生じさせた」としながらも、東電に対しても「現場の技術者よりも官邸の意向を優先した」とし、「官邸の過剰介入を責められる立場にはなく、むしろそうした混乱を招いた張本人」と断じた。
 問題はこの報告書が今後どのように生かされるかである。