名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

毒カレー事件の最高裁判決は死刑!! 

2009-04-22 07:14:24 | Weblog
2009.4.22
 今から11年前の1998年7月、和歌山市園部の自治会が主催する夏祭り会場で4人が死亡し63人がヒ素中毒となった毒物カレー事件で、殺人罪に問われ、一、二審で死刑判決を受けていた林真須美被告(47)の上告審判決が21日、最高裁第三小法廷であった。那須弘平裁判長は上告を棄却したため、林被告の死刑が確定した。
 経緯は、カレー事件後に林真須美被告と夫による保険金詐欺疑惑が発覚し夫婦を逮捕、これを契機に林被告をカレー事件の殺人、同未遂容疑で再逮捕した。林被告は一貫して容疑を否認してきたが、一審、二審とも『林被告以外にヒ素を混入できる人物はいなかった』として、死刑判決を言い渡したというものである。
 この事件は、凶悪な無差別殺人として世間の耳目を集めてきたが、10年を超える審理の中でも動機は解明されず、①同じヒ素が被告の自宅から見つかった ②被告の毛髪からヒ素が検出され、ヒ素を取り扱っていたと推認される ③カレー鍋に混入する機会があったのは被告だけで、鍋のふたを開けた姿が目撃されている、などの状況証拠からの死刑判決となった。
 判決は五人の裁判官一致の意見だったそうである。
 4人もの尊い命が奪われ、63人がヒ素中毒になるという社会を不安におとしいれた極めて残虐で、しかも地域の夏祭り会場での出来事という特異な事件であり、国民に鮮明な記憶を残した。
 被害者の数、無差別性、社会へ与えた不安などを考慮すれば、今回の判決は多くの国民も納得するものと思われる。
 しかし、何かすっきりしない、本当にこれでいいのか、という疑念が残る気持ちも隠せない。
 林被告が犯人だと断定できる直接証拠がなく、状況証拠のまま死刑という最高刑をもって最後としていいのかという躊躇がどうしても残る。
 判決では『動機が解明されていないことが、事件の犯人との認定を左右するものではない』としているが、この点も疑問が残る。
 裁判員制度の実施を直前にして、この制度の実施に新たな不安を呼ぶ判決ではある。