12月24日 木曜日
●少し寝過ごした。
二階の書斎の北側の窓をあける。
快晴。
朝焼けが美しい。
古賀志山がくっきりと見える。
気分爽快。
きょうも何かいいことがありそうだ。
●だが、ふと気づくと、なにかものたりない。
そうだ。
音がない。
音がしない。
この季節のこの時間には、
製材所や建具工場の機械鋸の音がキュュンーと朝の冬空にひびいていた。
それが、もうしない。
丸ノコの音は途絶えてしまった。
不況のためというより、
産業の構造そのものが変革したからだ。
いまは、アルミサッシだ。
木製の建具は普通の民家からも、ほとんど消えてしまった。
●小鳥の声があまりしない。
これはわが家で庭木を切ってしまったからだ。
裏庭の杏を二本。
表庭の東から、
金木犀、
紅葉、
箱根ウズキ、
もちのき、
花梨、
椿。
●木の中に埋もれていたような家だったのだが、
今は、日当たりのいい庭になっている。
そのかわり、といってはおかしいが、
小鳥がこなくなってしまった。
セミの声もきくことができなくなった。
●なにがよくって、なにがわるい。
などとは最近ではかんがえなくなった。
隠者のような生活だ。
ひとがみたら、
老人のヒキコモリと思われても仕方ないだろう。
●ヒキコモリのひとが360万人もいるという。
●今日は快晴。
街に出よう。
たまには街の人の顔をみるのもいいものだ。
●時々刻々と変転する街や人の様子を観察するのも、
作家としての仕事だ。
●作家の仕事は書斎だけでするものではない。
街のなかにこそ、書くべき素材、ネタが転がっている。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
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夏の日の水神の森
著者麻屋与志夫
150円(+税) (税込 162円)
超伝記の世界に生きる男の、朱色への恐怖がかもしだす心理サスペンス。あなたは、その裏に隠れていた恐怖に耐えられますか!
人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。
カドカワ BOOK WALKER でぜひご購読ください。
●少し寝過ごした。
二階の書斎の北側の窓をあける。
快晴。
朝焼けが美しい。
古賀志山がくっきりと見える。
気分爽快。
きょうも何かいいことがありそうだ。
●だが、ふと気づくと、なにかものたりない。
そうだ。
音がない。
音がしない。
この季節のこの時間には、
製材所や建具工場の機械鋸の音がキュュンーと朝の冬空にひびいていた。
それが、もうしない。
丸ノコの音は途絶えてしまった。
不況のためというより、
産業の構造そのものが変革したからだ。
いまは、アルミサッシだ。
木製の建具は普通の民家からも、ほとんど消えてしまった。
●小鳥の声があまりしない。
これはわが家で庭木を切ってしまったからだ。
裏庭の杏を二本。
表庭の東から、
金木犀、
紅葉、
箱根ウズキ、
もちのき、
花梨、
椿。
●木の中に埋もれていたような家だったのだが、
今は、日当たりのいい庭になっている。
そのかわり、といってはおかしいが、
小鳥がこなくなってしまった。
セミの声もきくことができなくなった。
●なにがよくって、なにがわるい。
などとは最近ではかんがえなくなった。
隠者のような生活だ。
ひとがみたら、
老人のヒキコモリと思われても仕方ないだろう。
●ヒキコモリのひとが360万人もいるという。
●今日は快晴。
街に出よう。
たまには街の人の顔をみるのもいいものだ。
●時々刻々と変転する街や人の様子を観察するのも、
作家としての仕事だ。
●作家の仕事は書斎だけでするものではない。
街のなかにこそ、書くべき素材、ネタが転がっている。
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人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。
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