田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

今日は快晴、街に出よう。 麻屋与志夫

2015-12-24 08:47:16 | ブログ
12月24日 木曜日

●少し寝過ごした。
二階の書斎の北側の窓をあける。
快晴。
朝焼けが美しい。
古賀志山がくっきりと見える。
気分爽快。
きょうも何かいいことがありそうだ。

●だが、ふと気づくと、なにかものたりない。
そうだ。
音がない。
音がしない。
この季節のこの時間には、
製材所や建具工場の機械鋸の音がキュュンーと朝の冬空にひびいていた。
それが、もうしない。
丸ノコの音は途絶えてしまった。
不況のためというより、
産業の構造そのものが変革したからだ。
いまは、アルミサッシだ。
木製の建具は普通の民家からも、ほとんど消えてしまった。

●小鳥の声があまりしない。
これはわが家で庭木を切ってしまったからだ。
裏庭の杏を二本。
表庭の東から、
金木犀、
紅葉、
箱根ウズキ、
もちのき、
花梨、
椿。

●木の中に埋もれていたような家だったのだが、
今は、日当たりのいい庭になっている。
そのかわり、といってはおかしいが、
小鳥がこなくなってしまった。
セミの声もきくことができなくなった。

●なにがよくって、なにがわるい。
などとは最近ではかんがえなくなった。
隠者のような生活だ。
ひとがみたら、
老人のヒキコモリと思われても仕方ないだろう。

●ヒキコモリのひとが360万人もいるという。

●今日は快晴。
街に出よう。
たまには街の人の顔をみるのもいいものだ。

●時々刻々と変転する街や人の様子を観察するのも、
作家としての仕事だ。

●作家の仕事は書斎だけでするものではない。
街のなかにこそ、書くべき素材、ネタが転がっている。



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夏の日の水神の森
著者麻屋与志夫
150円(+税)  (税込 162円) 

超伝記の世界に生きる男の、朱色への恐怖がかもしだす心理サスペンス。あなたは、その裏に隠れていた恐怖に耐えられますか!

人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。

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テレビドラマ。わが家のベストスリー。3「デート~恋とはどんなものかしら~」 麻屋与志夫

2015-12-23 08:29:50 | ブログ
12月23日 水曜日

●年末。
わたしとカミさんの慣例行事は今年の「わが家のベストテン」を話しあうことだ。

●下記はわたしの選んだ「テレビドラマ」部門です。

●1「探偵の探偵」
2「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」
3「デート~恋とはどんなものかしら~」

●カミさんは3の「デート」しか観なかった。
自覚していないが、
正真正銘、
まったく完璧な理系女の彼女は、
サスペンスドラマはお好みではないらしい。

●わたしも「デート」は観た。
高等遊民などいう死語が蘇ったのは、
シナリオライター古沢良太の功績だ。
セリフも聴いていておもしろく、
笑いながら楽しませてもらった。
完璧主義のカミさんとつきあって、
こちら側に、
文系にひきこもうとした、
わたしの努力は半世紀にいたってゆっくりと効果をはっきしている。
……つもりなのだが――。
家の中の日常使用する器具・家具類。
什物 (じゅうぶつ)が整然と在るべき場所にないとイライラするとか、
そのた諸々の潔癖症にはトホホノホだ。

●高等遊民のわたしと、
性格的に超理系女の結婚は、
しかしこのうえないハーモニーをたもちつつ、
おかげさまで金婚式もすませました。
もちろん、
ゴミ屋敷老人筆頭候補のわたしへの不満はかずかずあるでしょうが、
理系の我慢強さで耐えてくれています。
性格が真逆。
それでいて、
平穏無事な毎日を過ごせるのは、彼女の忍耐があってのことです。

● 1「探偵の探偵」北川景子の「妹と琴葉が世話になったな!」のセリフ。
そしてそのセリフの前後の演技が秀逸。
小説もよかった。
小説では、玲奈と琴葉の想いが、
「愛」の雰囲気を醸し出しほのぼのとした。
あいかわらず、松岡圭祐という作家の手腕に敬服した。

●2「サイレーン」橘カラを演じた菜々緒。
鬼気迫る演技だった。
もっとも、これは演出とカメラマンの力があってのことだろう。
カメラアングルもよく、
カツトのつなぎも随所に上手いなあとおもわせる場面があった。
松坂桃李もよかったですよ。

●テレビドラマのわが家のベストスリーを挙げみました。



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超伝記の世界に生きる男の、朱色への恐怖がかもしだす心理サスペンス。あなたは、その裏に隠れていた恐怖に耐えられますか!

人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。

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すべてこともなし、小説を書く。 麻屋与志夫

2015-12-22 09:04:02 | ブログ
12月22日 火曜日

●今日もカミさんは松戸。
三人で留守番。
陽が照っているので二階の書斎に陣取る。
ブラッキ―はわたしのベッドで早くもおねんね。
リリは隣りの部屋、塾の教室で駆けまわっている。
些細な動作にもブラッキ―とリリの歳の差がでる。
リリはまだ二年たっていない。
ブラッキ―は十七年かな? 
人間の年にしたらわたしのお姉さんだろう。

●「方舟の街」73枚。
これからが面白くなるところ。
クライマックスに盛り上げる作家の手腕が問われるところだ。

 

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今年は知りあいとの悲しいわかれがあった。 麻屋与志夫

2015-12-21 14:26:27 | ブログ
12月21日 月曜日

●昼ごろになっても曇り空からは陽が射す気配はない。
カミさんは松戸。
夕刻まで帰らない。
ブラッキ―とリリと三人で留守番をしている。

●GGだから、何もすることがない。
ぼんやりと時を過ごしているかというと、そんなことはない。
小説を書いている。
この一年は一作ずつ完成させる、方針をとった。
予想に反して――はかいかなかった。
行き詰っても、他の作品に目をうつさない。
そうすれば、なんでもかんでも、
いま書いている作品を書き上げるだろう。
――とは、いかなかった。
一年が終わろうとしている。
年間百ページも書いていないのではないか。
なさけなくなる。
いくら、生来の遅筆だからといって、これではひどすぎる。

●何本も同時に書き進めることにした。
うまくいくといいなぁ。

●好きな本もあまり読まなかった。
クーンツのオッド・トーマスものと、フランケンシュタインは全作読破した。
それに誉田哲也八冊。
松岡圭祐の「探偵の探偵」。

●今年は知り合いがおおぜいなくなった。
とくに、義弟二人、
俳句作家のR君、
近所のFさん。
ご冥福をあらためて祈る。
この歳になると葬儀に出席するのはつらい。
もうこれからは、失礼して、家にいて冥福を祈ることにしたいものだ。

●こんなことを考えながら、
年の瀬を過ごすのも、
歳のせいだと思う。

注。年間百ページというのは原稿用紙換算ではありません。
A4に40×40で書いていますから、原稿用紙換算で四百枚というところです。
来年こそ、笑わないでください。一日原稿用紙で五枚――は書くぞ。


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シーラカンスの記憶   麻屋与志夫

2015-12-20 09:22:53 | 超短編小説
12月20日 日曜日
五十 シーラカンスの記憶

 高田馬場の駅を降りて目白の方角に彼は歩きだしていた。西早稲田の娘の下宿とは反対の方角だ。その夜は、娘のところに泊めてもらうつもりだった。新宿の「アドホック」でKの出版記念会があった。
 それから、同人誌仲間と二次会をやった。Kを囲んで「焼酎屋」で飲んでの帰りだった。
 かなり酔っていた。jazzが歩道にながれていた。パブの扉が幽かに開いていた。誘われるように彼は扉を開いた。先客がいた。撮影の器具を足元に置いて飲んでいた。
「………が死ぬとはおもわなかったな」
「そうよね。すこし早すぎたわ」
 夭折したアメリカのjazzマンのことが話題にあがっていた。
 誰だったのか? あのときは、わかっていたはずなのに――。
 その店の名前も思いだせない。歩道から二段ほど下りた。自転車が三台ほど置いてあったのは覚えている。記憶があいまいになっている。
 作品を書く上で必要とすることが、記憶からぬけおちている。分厚い扉だった。なにかの拍子で、半開きになっていた。そんなことは鮮明に脳裏に浮かび上がってくる。彼は誘われたように、扉を大きく開いた。そこには、先客がいた。マスコミで働いている。言葉の節々にそれを誇示しているのが感じられた。その男の話に反発を感じたためか――。言葉が口をついてでていた。呂律がまわらない。酔いがまわってきた。彼はそれでも、話しつづけた。
「ジャズの帝王。ナベサダが宇都宮工業の学生で、よく鬼怒川の観光ホテルで演奏していました」
 彼はふたりの話題に割りこんだ。
「いつのことです」
 テレビ局の人間なのだろう。不愉快な顔。冷やかすような調子で彼に訊く。
「終戦直後のことです」
「古い話ですね。化石みたいなひとだ」
 オチョクラレテいる。そう。シーラカンスの記憶だ。
「水道橋のたもとに、『スウィング』て、ジャズ喫茶がありましたよね」
 彼が、バンダナをまいたママに聞いた。
「娘さんがすぐ近所でカレーライスの店をやってるわよ」
 そんな応えがもどってきたのはよく覚えている。
「デキシ―専門の」
「そうそう」
 先客はママが目当てで来ていたのだろうか。すごく不機嫌な顔になっていた。
「もうやっていないのだろうな」
「そうそう」
 そんな些細な会話が、よみがえってくる――。
 あのとき、遠いアメリカで死んだjazzマンはだれだったのだろう


注。ジャズを聴いているうちに、拙作「アサヤ塾」の窓から、という超短編集から転載したくなった。この作品の背景となっている時からでも、20以上経っている。時の流れは速いものですね。



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小説を書く前にジャズを聴く。むかしのルーティンがもどってきたようでうれしい。 麻屋与志夫

2015-12-20 06:25:39 | ブログ
12月20日 日曜日

●カミさんの弟、
節ちゃんが「これが最後の仕事に成る」といいながら縁側を直してくれた。
ご苦労様でした。
引き戸はサッシ。
音が外部にあまりもれなくなった。
ためしにjazzをかけた。
庭に出て音をたしかめていたカミさんが、
「ほとんどきこえない」と喜んで部屋にもどってきた。
高音で聴きたくても近所への配慮から、
低い音で聴いて来た。
雨が降っている時などは、
その気配りの必要がないので、
「雨天大歓迎」といった時期が長く続いた。

●DEAR OID STOCKHOLMを聴く。
ウオドロンの抒情的なピアノにしばらくぶりで酔いしれた。
これはもう、
小説を書く前にル―ティンとして、
コーヒーをのみjazzを聴かなければ。
むかしの習慣がもどってきたようでうれしかった。

●高田馬場の「イントロ」なんていまでもやっているのだろうか。
「マイルストン」はどうだろう。

●リリもブラッキ―もだいぶ元気になった。
さてこれからjazzを聴こう。
猫ちゃんたちはどんな反応を示すかな。



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お留守番は猫ふたり。  麻屋与志夫

2015-12-19 07:12:00 | ブログ
12月19日 土曜日

●お留守番は猫二匹。
ブラッキとリリ。
めったにカミさんとわたしで長時間家を留守にすることはない。
たまたまふたりで遠出しても、
お留守番をしている二人のことが気になって、
早々に要件をきりあげて帰宅する。
とくに、昨日のように寒波に見舞われた日は、
「リリどこにいるかな。二階の陽の照っているところに、移動してるかしら」
「ブラッキはなれているから、そのてんは心配ないと思うんだ」
ふたりで、同じような会話をなんどもくりかえす。

●ふたりのいたいけない娘のように猫を思っている。
過日、カミさんは娘と話していて。
「わたしと、猫とどっちが心配なのよ」
とつっこまれていた。
それは……「猫よ」。
とっさに猫よ、と応えた以上自己の発言には責任がある。
なにかくどくどと言い訳をしていた。
猫愛に徹している人間のほうが、異常なのだ。
別に釈明することはない。

●もちろん、娘のことを心配しない親はいない。
だが、こと猫のことになると感性としての愛情のようなきがする。
猫のことを思っただけで、
あのもこもこの毛の感触が、
あたたかさが、手のひらによみがえる。
からだをスリスリするあまえたしぐさ。
紙袋にもぐりこむユ―モァ。
尻尾だけだしたカーテンニャン遁の術。

●猫に癒されて、
ストレスがかからず、
家の中から笑いが絶えず、
この歳までわたしたちも長命を保っている。

●空前の猫ブームだという。
わが町のペットショップでは猫は人気がないらしい。
売っているのは犬ばかりだ。
なぜなのだろう。
まったくわからない。
だが作家としてのGGは、
この謎を解き明かす事が出来れば、
この町の特性を解釈できると思う。
いろいろ推理するのだが、
いまのところ解明できないでいる。

●猫、猫で今年も過ぎて行く。
今朝は二時から起きて、
ブラッキとふたりで執筆。
コタツが大好きな老猫ブラッキは片時もわたしから離れない。
疲れてネこまないよう、
老猫と老病相哀れむなどとならないように、
不養生に注意して精進しなければ。
遠く家の隅のほうでリリの鳴き声がする。
カミさんとリリがお目覚めの様です。



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冬の寒さにも負けず、書きまくるぞ。 麻屋与志夫

2015-12-18 05:02:18 | ブログ
12月18日 金曜日

●いよいよ寒くなった。
二階の書斎兼寝室。
朝四時。
五度しかなかった。
いままでの暖冬がウソのようだ。
寝室を下の部屋にしようかな。
などとGGらしいことを考えた。

●ブラッキとPCをかかえて仏間のホリゴタツに――。
Kさんから、メールがはいっていた。
二三日メールを見ていなかったので、あわてて返信。

●縁側の改装。
節ちゃんのおかげで立派にできあがった。
うれしくて、カミさんと丸テーブルや椅子を持ってきてお茶した。

●男体山から吹き下ろす空っ風。
そのため東北地方より寒いといわれる鹿沼の冬。
いよいよ始まり始まり。

●この冬の間に完成させたい長編が、
「方舟の街」「人狼武と玲加の初恋」「吸血鬼の哀愁」
――とりあえず、三本もある。
ブラッキとリリとカミさんの励ましでぜひとも、
完成させたい。
ブジ脱稿といきたいものだ。



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ブラッキとリリで編集者招いてよ。  麻屋与志夫

2015-12-16 11:46:51 | ブログ
12月16日 水曜日

●ブラッキがわたしの前を素通りしてベッドにポンととびのった。
わたしは椅子を回転させて愛猫と向かいあった。
顔を逸らされる。
猫は正面から顔をあわせると、プイと視線をあらぬ方にむけてしまう。
そのそっけない態度がまたかわいいのだ。

●この二階の書斎の書棚の一番下には、雑誌が積んである。
爪とぎをその雑誌の背表紙でする。
ズタズタになってしまった。
でも――そんな爪とぎの仕草がかわいい。

●部屋にオマルがおいてある。
もちろん臭気がする。
でも気にならない。

●半世紀も猫とつきあっていると、
街に出て人の顔をみると、
奇妙な感じがする。
どうして人の顔は毛におおわれていないのだ。
などとバカゲタことを思ってしまう。
猫バカだな。
もうどうしょうもない、猫好きだ。

●リリは食欲がでた。
カミさんが食事を温めてやっている。
猫は猫舌というが、あまり冷たいものはいけないと知った。
わたしもお酒はいつも熱カン。
だんだん猫がわたしに似て来たのか、
書斎から三人ともでない。狭い空間でこのところ生活している。
いちばん家で暖かい場所を猫はよく知っているのだ。
「おいこら猫ちゃん。ふたりで、小説かくの手伝ってくれ」
それができないのなら、福を招いてくれよ。
福とはとどこおりなく原稿が売れることだと、
GG的にはそう認識している。

●「編集者を招き寄せてくださいな」
カミさんも、
同じようなことをかんがえていた。


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汗牛充棟、本棚の床が陥没直前。 麻屋与志夫

2015-12-15 11:31:11 | ブログ
12月15日 火曜日

●きのうは、黄昏の薄明かりのなかベニマル、
とヤオハンにお惣菜を買いにでかけた。
ヤオハンの駐車場で停車していた車の前を通った。
ふいにエンジン音が起こり、驚いた。
カミさんは小さな悲鳴をあげた。
別にスタートするわけでもないのに、
ひとが前を通っている時に――と思うのだが、
なぜそういうことをするのか、わからない。
たまには、警笛を鳴らされることさえある。
なぜなのだろう。

●帰ってから一階の書棚へ。
いつも迷子になる。
広さ、空間のことではなく、こころの問題だ。
書棚から必要な本をとりだそうとして、
おもわず他の本に手が伸びてしまう。
一冊、いっさつ、それぞれの思い出があり、
70年も前に読んだ本などとりあげると、
おもわず感傷に耽り、ついつい立読みしてしまう。
GGのなかにいる少年が感激する。
他の古い本にも手が伸びる。
もう、こころはどこをさまよっているのか、
わからなくなる。
GGは書棚の前で迷子になっている。

●いったい何冊位蔵書があるのだろうか。
数えたことがないからわからないが、
汗牛充棟の体たらくだ。
書棚の上に、
もう一段オプションでついている棚を一段かさねてある。
重量だって、
特に西端の部屋の書棚は床が華奢なので、
既に部分的にではあるが落ちている。
そのうち陥没するだろう。

●本を読むのが好きで、小説をかきだしたのか。
小説がかきたくて、本をよみつづけてきたのか。
わからない。
いくつになっても、じぶんのことは不可解だ。

●もういちど、
これらの本を読み返すことは不可能だが、
ピエール・ガスカールだけは再読したい。
何冊あるのだろうか? 

●特に、「けものたち・死者の時」には思い出がある。
長いこと絶版になっていた。
神田の古本屋で探してもみつからなかった。
名古屋の図書館に勤めていたともだちに、
頼んで借り出してもらった。
ノートに全文筆写した。
60年近くまえのことだ。
いまなら、家にコピー機がある。

●岩波文庫でつい最近上記の本は購入した。
いま再読したら、どんな感想をもつのだろうか。


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