田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

義妹危篤の連絡をうける。 麻屋与志夫

2015-09-03 20:50:28 | ブログ
9月3日 木曜日

●十時ごろ、義妹が危篤との連絡があった。
先日なくなったカミサンの末弟のツレアイである。
ながいこと、糖尿を患っている。
夫の49日もすんでガックリきたのだろう。

●お姉さんが部屋に入った時には倒れていた。
顔に蠅がびっしりとたかっていた。
「もう死んでいる」と思ったそうだ。
何時間くらいひとりで倒れていたのだろうか。

●なんとか、息はしていた。
咳もする。
でも声をかけても、瞼がぴくっとうごくていどだ。

●快癒を望むが、油断はできないだろう。

●これからひとり暮らしの老人がふえていく。
万が一の時のことをかんがえると不安になる。

●わたしたち夫婦も、健康で長生きするように、万全の注意が必要だ。



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猫の行き倒れ。オリンピックのエンブレム問題。

2015-09-03 07:56:14 | ブログ
9月3日 木曜日

●門の戸を引く音がした。
玄関先で声がする。
カミサンが隣の部屋から玄関に向かう気配がした。
「猫が倒れている」
というような話声がする。
わたしも小説を書く手を休めて立ち上がる。

●「ウチノ猫じゃないわね」
どうやら、猫が道端に倒れていて、動けない。
近所の猫を飼っている家をまわっている。
訪問してくれた人が話している。

●猫の行き倒れときいては、ホオッテおけない。
三毛のかなりおおきな雌猫がなるほど息もたえだえに横たわっていた。
口元からヨダレがたれている。

●「除草剤をまかれた草でもたべたのかな」
このところわが家のブラッキ―とリリは散歩からかえってくるとかならず吐く。
この季節、雑草にクスリをかけたりする。
農薬も除草剤もむかしとちがい、人畜無害。
そういわれても、心配していたので、思わず、つい、そう口にしてしまった。

●近所の猫を飼っている主婦もかけつけてきた。
G病院のひとたちが餌をやっている猫だという。
なるほど気づかなかったが赤い首輪をしている。

●「ウチで帰ってきたら車で動物病院につれていきます」
ヒョイと汚れて、毛もぱさぱさにみだれている猫をだきあげた。
うれしかった。
猫好きの人が隣近所にふえている。

●そのご、アノ猫ちゃん、どうなつたろうか。
行き倒れの猫を心配そうに介抱していた人たちの顔。
うれしかった。

●かれこれ70年ほどむかしのことだ。
今宮神社の境内で男が倒れていた。
「行き倒れだんべか」
大人たちが話していた。
「旅の俳句ヨミだってよ」
放浪の俳諧師だった。
餓死だった。
このとき、
幼いわたしは野垂れ死に、
とか行き倒れ、という言葉を学んだ。

●後年、文学を志した折、
これらの言葉が脳裏によみがえった。
芭蕉の「野ざらし紀行」――「野ざらしを心に風のしむ身かな」
とか、曽良「行き行きて倒れ伏すとも萩の原」

●俳諧の道を究めるために行脚漂泊、
野に倒れてドクロとなる覚悟の先達を見習って、
わたしも文学の道に踏みいった。

●ところが生きていくために学習塾をはじめたとき
「小説書いて、いくら儲かるんで」
と塾生たちにきかれて、驚いた。
両親が病で倒れたために学業半ばでもどってきた故郷だ。

●だが、理想主義のわたしの考えより、
この生徒のほうがはるかに先を見通していた。

●いまでは、
スポーツ選手も、小説家も、イラストレーターでも、
すべての業界でいくら稼ぐか問題となっている。
金儲け最優先主義が跋扈している。

●オリンピックのエンブレム撤回。国立競技場の問題。
すべて目に見えないところで、
だれかが、
金儲けのためだけに動いている。
恥ずかしい。



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