田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

リリのお帰り。  麻屋与志夫

2015-04-21 18:20:04 | ブログ
4月21日 火曜日
リリのお帰り

●さくじつの夜半。

帰ってこないリリを心配していたが――。

どうも、おちつかない。

リリの不在を案じるあまり……ということで。

酒にした。

酒にしたと言っても。

菊水の200㏄一缶だ。

金色缶。

赤缶よりも50円安い。

それにヤキトリの缶。

締めて400円以下の贅沢。

テレビは「デート」が終わってからは見ていない。

ほんとうは、ドラマを見ながら、チョビリチョビリのみたいのだが。

●書きかけの小説のことを考えていた。

どうしても、吸血鬼が登場してしまう。

リアリズムで書きたいのだが。

悪人を生の人間として書くだけの、手法がいまのわたしにはない。

悪いことをするのは、吸血鬼とすれば、わたし的には納得できる。

でも現実は人間が吸血鬼に勝るとも劣らない行為をしている。

とは……おもいませんか。

●猫にはそれはない。

猫の生態は平和そのもの。

威嚇する。

噛みつく。

くらいのことはあっても。

同族で殺し合うなんてことはしない。

●「パパ。リリチャン帰って来たわよ」

カミサンの声で起こされた。

●リリはしたり顔でカミサンの腕の中。

「ドウ、パパ、あたしの逃げ足速いでしょう」

と誇らしげにこちらを見ている。

「オソトのクウキオイシカッタワヨ。マタオンモニダシテネ」

●「出したのではなく、脱出したんだろうが」

と酔っただみ声でいったが、リリはにゃんとも応えない。

お澄まし顔。




 

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リリの大脱走  麻屋与志夫

2015-04-21 08:02:30 | ブログ
4月21日 火曜日
リリの大脱走。

●塾生が帰り静かになった教室。

引き戸を開ける。

「ブラッキィ。帰っておいで」

闇に向かって呼びかける。

足元を白いイナズマが走る。

どこに隠れて、うかがっていたのか、リリだった。

空き黒板を教室の隅に立てかけてある。

その裏にでもかくれていたのだ。

スキをうかがっていたのだ。

●リリの狙いはドンぴしゃり。

夜の徘徊に出かけたブラッキィを呼び戻すために。

引き戸を開ける。

その習慣を読まれていた。

わたしの背後からスタートして庭にとびだしたのだった。

●外は春雨。

帰ってこないブラッキィ。

後を追うように飛び出していったリリ。

初めての夜の散歩を楽しんでいるのだろう。

●リリが戻ってこない。

心配で外灯を明々とつける。

それでも心配だ。

隣の空き地まで探しに出た。

●春の雨にうたれてしばらく空き地にたたずんでいた。








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