田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

メタモルフォーゼ 2/奥様はバンパイア 麻屋与志夫

2009-07-03 05:14:50 | Weblog
奥様はバンパイア 17

○「Gたいへんだよ。美菜が学校にきている。どうしょう……」

「いま、Mとかわるから」

三人でブラックバンパイアと遭遇し、二度にわたって戦った後なので、きゅうに敬

称ぬきになった。そのぶん孫のような親愛感がうまれた。しかし、ほんとうにわた

しはそんな年なのだろうか。千年を閲するという、mimaを妻として生きているので

時系列があやふやとなっている。奈良時代の阿倍清明のころからの変異がいまここ

に現れたりする。彼女にとってはすべてが現在なのだろうか……?

吸血鬼の存在をすなおに認めているわたしには、すべての事象が時間と空間を超越

した「多次元同時存在」であるとがわかってきた。この世にあるものは、瞬時にき

えていく。現在などという時間をあまり信じないほうがいいのだ。あるのは脳内に

蓄積された記憶だけだ。わたしたちの周りにあるものは、あまりに移ろいやすい。

「仮に死んでいたのね。仮死の状態で埋葬された死人? のはなしから吸血鬼伝説

にはあるでしょう。あれよ。復活したのよ。玲加。油断しないで」

油断しないでと忠告しただけではこころもとない。わたしたちは、学校にいそぐこ

とにした。こうなると銀の弾丸で倒したBVはともかく、またあの老婆は現れるかも

しれない。そして玲加の身が心配になった。


     紫雲
       



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