ねこ庭の独り言

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万引き家族

2018-07-20 12:31:07 | 徒然の記

  7月13日の千葉日報に、専修大学教授の岡田憲治氏による、「万引き家族とW杯」という記事が掲載されました。

  私は去る6月19日に、「大丈夫なのか、千葉日報」というタイトルで、千葉日報の記事を批判いたしました。岡田氏の意見は、私のような人間に対する辛辣な、反論でした。大学教授には、碌でもない人間がいますが、どうやらこの人もその例に漏れず、軽薄な主張を並べておりました。

 無視しても良いのですが、国を大切にする者全体への侮蔑が、記事全般に漂っておりますので、一言苦言を呈したくなりました。

 「6月の封切り後、今も多くの人が、カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得した、」「是枝監督の "万引き家族" を観に、」「映画館に足を運んでいる。」「数々の毀誉褒貶は、作品のインパクトの証明である。」

 岡田氏がこのように言うのなら、それはそれで、良しとします。確かに、芸術作品というものには、毀誉褒貶がつきものですし、優れた芸術が、世間の無理解で酷評された例が幾らもあります。

 「子供に万引きをさせながら、人と人のつながりを問う、」「渾身の作品だ。」

 しかしこのような、少しおかしな褒め方には、首をかしげます。子供に万引きをさせながら、人と人のつながりを問う、渾身の作品・・。ここからして、焦点がずれていると感じます。あのとき私は、作品に疑問を呈した人の意見を、引用しましたが、いくら芸術作品でも、非常識で良いとは言えないはずです。

 「疑似家族の男は工事現場で、女はクリーニング工場で、娘役は風俗で働いているので、」「一家を支えるには、何も万引きなどしなくても、暮らしは成り立つし、」「祖母役の年金にたからなくても、普通に暮らせるはずの家族です。」「その設定じたいの不自然さが、最後まで気になりました。」

 しなくてもいい万引きをさせるというのですから、世間の常識人が眉をひそめて、何が不都合なのでしょう。これに対する氏の反論は、真面目な議論でなく、挑発するような喧嘩腰です。国会で、野党が政府を糾弾するときの、売り言葉に似ています。

 「みじめな現実を描いて、世界に恥を晒す、」「反日映画である、といった、」「反論する気さえ失せるような、」「地底レベルの批判だ。」

 「愛国者を自称するなら、反日などという、幼稚な言葉を捨てて、」「そこを丁寧に考えねばなるまい。」

 氏がどのような意見を聞いて、いきり立つように反論しているのか、具体的には知りませんが、「愛国者を自称するなら、反日などという、幼稚な言葉を捨てて、」という、それこそ幼稚な意見は、見過ごすことができません。第一、反日という言葉が、幼稚というレッテルで片づけられて良いものかどうか、氏もまた、そこを丁寧に考える必要がありませんか。

 岡田氏が左系の教授なら、話はすべてすれ違いになるのでしょうが、現在の日本で、「反日」や「左翼」の思考が、どれだけ国民の心をかき乱しているか。社会の混乱を助長しているのか。知らない人は、ないはずです。

  「気になったのは、文化庁の助成金をもらった以上、」「国を悪く描くべきではないという、」「多くの人が、漠然と抱きがちな誤解だ。」「助成金を受けることは、国にお世話になるという、意味ではない。」「ここでいう国は、われわれ社会を生きる者が、共同生活を守り、」「維持するために、積み立てた貯金(すなわち税)を、」「必要に応じて配分する、事務担当に過ぎない。」
 
 国は事務担当であるに過ぎないと、氏は断定しますが、果たしてそんな捉え方で良いのか、異論がありますが、これは本論でないので、スルーします。先ず私が氏に言いたいのは、国の金をもらった以上、国を悪く描くべきでないとは、言っていない、といういことです。是枝氏が、林文科大臣の祝意を辞退したときの言葉が、矛盾していると指摘しただけです。大臣の意向を知ると、是枝氏は「自分は、公権力とは潔く、距離を保つ」と言って、これを断りました。
 
  もともとカンヌ映画祭は、フランス政府が始めたもので、映画祭の予算の半分を、フランスの文化省などの、公金でまかなっています。是枝氏が、公権力とは潔く距離を保つ、と言うなら映画賞も辞退するのが筋だと、私は指摘しました。氏は、文部科学省の中にある文化庁から、助成金を2000万円もらっているのですから、これもおかしいでしょうと、言いました。
 
 日本政府から助成金を貰い、管轄の大臣の祝意は拒絶するが、フランス政府からの映画賞は、嬉々として受け取る。公権力と、潔く距離を保つ人間なら、こんなことはしません。事情を知る者に、恥知らずと言われても、仕方があるまいと思います。

  千葉日報という、千葉県の公器に意見を発表するのなら、きちんと調べた上で寄稿してほしいものです。これも共同通信の配信記事でしょうが、千葉日報の読者を減らすような手伝いはしてもらいたくありません。次の意見となりますと、まさに、岡田氏の個人的見解というか、偏見と言うべきか、そのまま転記しましょう。

  「サッカーのW杯で、試合終了直前に、」「カウンター攻撃を食らって散った、日本代表は、」「間違いなく、われわれの何かを代表する者たちだった。」「では、何を代表しているのか。」

 「是枝批判をする者は、いつもの惰性で言うだろう。」「サムライブルーは、国家とその威信を背負っている。」「日の丸を背負っているし、」「という大雑把で、ずさんな言葉だ。」

 「しかし選手は、そんな、大きく抽象的な物語を、」「体現してはいない。」「彼らが代表するのは、これまでかかわってきた、」「地域の人々の、愛情と信頼と希望だ。」「日本代表は、そんな地域の人々の、」「何かを、代表しているのだ。」

 いったい、この大学教授は、何が言いたいのでしょう。保守の中には、ずさんで、大雑把な人間もいるでしょう。それはまさに、氏のように、左翼の中でもこんなずさんで、大雑把な意見を並べる人間がいるのと、同じ話です。

 私の知る多くの保守の人間は、まずは、家族への愛と信頼、そして住んでいる地域の人々との、愛と信頼を大切にします。その上で、地域の集合体である、国を大切にします。国や国家が最初に出てくるのでなく、集合体としての国が、最後に出ててくるのです。選手が、地域の人々を代表すると、さも得意そうに言いますが、そんなことは誰でも分かっています。

 「地域の人だけでなく、自分を支えている家族を、忘れてはいけません。」

 昨日「おおきなわ」の動画で、我那覇真子さんが語っていましたが、こういう地道な考えをしているのが、本当の保守です。氏の頭にあるのは、頑迷固陋の保守ばかりらしいのですが、これこそお粗末な偏見でしょう。だから、一人で悦に入り、自分の言葉に酔い、軽薄な意見が言えるのだと思います。

 「国家や国威という曖昧なものを、」「安易に引っ張り出す人たちよ。」「人間は、心の拠りどころが不確かだったり、」「人とのつながりに、自信が持てなかったり、」「己に向き合う勇気がないときに、」「それを忘れさせる、大きな物語に、飛びついてしまいがちだ。」

 この自己陶酔の叙述が、この文章の三倍ほど続きますが、冗長なので省略いたします。共同通信社が、どういう基準で氏を選び記事を依頼したのか、私には分かりませんが、専修大学の学生たちが、果たして、本気で氏の講義を聞いているのか、心配になりました。

 最後に、是枝氏の受賞を報道した、朝鮮中央日報の記事を、紹介いたします。6月19日のブログでも引用しましたが、不勉強な氏のため、再度転記することとしました。

 「是枝監督は、安倍政権が進めた、安保関連法反対集会に参加し、」「放送に対する政府と、与党の圧力を懸念する発言をするなど、」「公然と、安倍政権に対する反対の意思を、明らかにしてきた。」「このため安倍政権の、受賞に関する「沈黙」に対して、野党・立憲民主党の、」「神本美恵子参院議員は、安倍首相が好む人だけを祝っている、と批判した。」

 神本氏が国会で、林文科大臣にこの件で質問し、大臣が是枝氏に祝意を伝えると答弁したのですが、間髪を入れず、新聞記事になるなど、おかしな話ではありませんか。是枝氏や神本氏は、韓国最大の新聞と、こんなに親密な関係にあります。日本を攻撃してやまない、反日の新聞と深い関係にある彼らを私が不快に思い、反日と呼んで、どこがおかしいのでしょう。これは、偏見でなく、単なる事実であるに過ぎません。

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4 コメント

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是枝監督は「アンチ安倍」 (成田あいる)
2018-07-21 21:44:10
岡田教授の記事、「反論する気さえ失せるよう」なのですが、突っ込みどころ満載で批判し甲斐があります。
『万引き家族』について書いていたと思ったらいきなり「W杯」に話が飛んで、しかもそれが何を言いたいのか全く分かりません。

この『万引き家族』は私は見ていませんが、「万引き」を「エンターテイメント」にしていること間違いないと思います。
それはさて置き、この岡田教授のコラムについて、「全文を紹介したくなる誘惑にかられる」「グッときた」と言う声まであります。

https://twitter.com/iwashi_dokuhaku/status/1017604309289132032

低劣かつ低俗極まりなく、悪意丸出しの某サイトですが、この映画を、是枝監督の「“貧困叩き”への違和感から生まれた」とまで持ち上げています。
まるで岡田コラムにも似たような内容です。

http://lite-ra.com/2018/05/post-4022.html

世間一般でおしなべて言えることは、『万引き家族』の評判は総じて悪くないこと、「問題作」「大作」として評価されていることだと思います。
その上で是枝監督が、「反政権」「反権力」のように持て囃されていることだと思います。
が、この監督が「政権批判」「総理批判」をしているだけでなく、「国粋主義」と「歴史修正主義」にも批判しており、相当な「アンチ安倍」「アンチ政権」「アンチ日本」だと思います。

要は、是枝氏は「マスコミ受け」「『リベラル』受け」しやすい「文化人」だと思います。

更に私が引っかかったのは、次のくだりです。

>「国家や国威という曖昧なものを、」「安易に引っ張り出す人たちよ。」「人間は、心の拠りどころが不確かだったり、」「人とのつながりに、自信が持てなかったり、」「己に向き合う勇気がないときに、」「それを忘れさせる、大きな物語に、飛びついてしまいがちだ。」

この言い分は、ネットの各所で、「『弱者』は弱い自分を慰めるために、『国家』にしがみ付いている」「弱い自分を隠すために、『日本』に自分を同一化しようとしている」と言われていることと同じです。
が、ネットで「国家」「日本」を論じている人達は、本当に日本のことを考えているからこそ、そして国を愛しているからこそそのような主張をしているのだと思います。
そしてそれが真の「保守」だと感じます。
返信する
万引き家族って一体なに? (あやか)
2018-07-21 23:15:26
『万引き家族』とかいう映画が評判になってるらしいですね。
でも、私は見ていません。あえて、見に行く予定もありません。(そんな暇じゃあないですから。。。。)

でも、見た人からは、いろんな感想をお聞きしております。

 『それなりに面白かったが、かなり違和感も感じた』
 『それにしても、登場人物の(食事などの)お行儀の悪さには閉口した』
 『あんな‘’家族‘’が、ほんとうにいるのか?』
 『日本の永住権を不正取得している外国人グループを髣髴とさせる』。。。。。

、。。。。。まあ、だいたい、こんな感想でしょう。

カンヌ国際映画祭を受賞した作品だと言うことですが、『カンヌ国際映画祭』とかいうものが、どれほどの権威があるのか、私は知りません。また選考委員の人の傾向もわかりません。
 でも、あの映画で、【‘’先進国‘’日本の恥部?】を見て、ほくそ笑んでる人もきっといるんでしょうね。
当然、この映画に対する批判的評論も出るでしょう。
岡田憲治氏が、この映画への批判者に対して再反論してるそうですが、何が言いたいのかよくわかりませんね。
大学教授が、この程度の論説文しか書けないなんて悲しくなります。

 万引き家族の制作者・是枝監督は、『もろに左翼!』みたいですね。
別に‘’左翼映画‘’が絶対ダメだと言ってるんじゃないですよ。

本論とは直接関係はありませんが、、、
昔、【二十四の瞳】という小説・映画がありました。(私は学校時代に「再上映」のものを見て感動のあまり泣きました)
小豆島の小さな学校での女性教師と学童の師弟愛の物語です。
作者は「壺井栄(つぼいさかえ)」というかたですが、実はこの人はプロレタリア文学者であり、まさに「左翼」です。
しかし、この『二十四の瞳』の物語は、内容・表現とも高いレベルに昇華されており、普遍的な価値があります。
壺井栄先生自身は、「左翼」であったとは言え、「大日本帝国時代の教育」の良い部分は素直に認めておられ、それゆえに
保守的なかたからも高い評価を受け、文部省推薦映画にもなっています。

 それに引き替え、【万引き家族】にこのような高いレベルと品格があるでしょうか?
まさに、『お笑い草以下』というしかないですね。
 まあ、私は、【万引き家族】など見に行くつもりはないですね。(苦笑)
返信する
共同通信 (onecat01)
2018-07-22 00:14:54
成田あいるさん。

 熊本日日新聞の記事は、千葉日報の記事と同じ、共同通信の配信記事ですね。貴方とのコメントで、確認できました。

 是枝監督は、反日・左翼の尖兵です。監督としては、ヒット作品を作る才能は、ある人物です。私たちのような、国を大切にする人間が指摘しなければ、多くの人は、「面白い映画」「凄い映画」と、感心するはずです。

 吉永小百合氏が、演技が上手いので、ファンになるものが多いのと、同じ理屈です。左翼と知らないければ、女優としては上手い部類に入りますから、騙されます。

 無視すればよかったのですが、粗雑な意見に、黙っておれなくなりました。しかし、やはり、無視すれば良かったと、思います。
返信する
同じ左翼でも、戦後に増えた、異次元の左翼 (onecat01)
2018-07-22 00:30:23
あやかさん。

 万引き家族は、
①保険証を持たない
②住民票登録してない
③子供を学校に行かせず犯罪を手伝わせる
④血縁ではない他人同士の家族
⑤定職に就いていない
⑥本名ではない名前を使っている
⑦立ち膝で食べる

 こんな家族です。同じ左翼でも、壺井栄さんの「二十四の瞳}とは、異次元の作品です。非常識な家族を、ありふれた家族として発信しているところに、日本批判があり、朝鮮日報などに熱い評価を得ている秘密です。
 
 映画としては退屈しないのですが、背景にある反日が、私には苦々しいのです。これに賛同する、お花畑の日本人は、もっと苦々しいですね。

 しかし異論があっても、どこかの国のように、弾圧しない日本は、やはり素晴らしい国です。こんな時、私は自分の国を、誇りに思います。
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