ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『日本を呪縛した8人の政治家 』- 3 ( 510年をかけ、独立を手にしたノルウェー )

2017-12-26 19:40:13 | 徒然の記

  「政権中枢にいる北朝鮮エージェント」という表題で、95ページに一章が設けられています。

 メモ魔とあだ名される氏による、詳しい説明ですが、詳細すぎて逆に不明瞭になっています。結論だけ言いますと、エージェントと言われているのは、武村正義氏のことです。思っていない話で驚きましたが、長すぎるので、さわりの部分だけを紹介します。

  ・平成6年2月3日深夜、細川首相の記者会見が開かれ、国民福祉税構想の中身が発表された。

  ・ところがその翌日、首相の女房役の官房長官の武村さんが、自分はまったく知らされていなかった、と会見したから大変なことになった。

  ・あとで聞いた話だが、武村さんは事前に知っていたどころか、税構想を自民党の大物政治家である竹下登さんに伝え、政界再編の具にしようとしていたのだ。

  ・この直後に細川さんは訪米し、細川・クリントン会談をします。会談が終わってから、細川さんと武村さんの仲は決定的に悪くなった。

  ・原因は、クリントン大統領から、日本の政権中枢に北朝鮮のエージェントがいると、指摘されたからだ。

  ・おりしも北朝鮮の核疑惑で、東アジア全体が緊迫していた時期だった。ここにいたって細川さんの、武村さんへの猜疑心は、抜き差しならないものになった。

 しかし細川氏は、武村氏を更迭する前に、自分のスキャンダル問題で、平成6年の4月に突然内閣を放り出してしまいます。平野氏はこの部分で、クリントン大統領が武村氏の排除を要求したと書いていますが、肝心の内容については語っていません。

 214ページには、北朝鮮と深い関係にある政治家につき、別の長い説明があります。「なぜ拉致被害者が、救出されないのか。」という疑問を頭に置きながら、紹介します。

  ・平成9年6月17日朝、朝鮮の非武装地帯で、北朝鮮側が突然韓国側に発砲し、銃撃戦になった。

  ・ところが、北朝鮮と密接な関係を持つ、社民党 ( 旧社会党 ) をかかえる自社さ連立政権は、朝鮮半島の有事について議論する土壌がなかった。

  ・官房長官だった梶山さんが、竹下さんを通じて、朝鮮半島有事の際に政治はどう取り組めばいいか、シミュレーションを作って欲しいと要請してきた。

  ・梶山さんは政権内はもちろん、自民党にも相談する相手がいなかったということになる。北朝鮮とつながりのある政治家は自民党にも沢山いるのだ。

 氏は小沢氏の了承を取った上で、9項目にわたる文書を作成し、梶山氏に渡します。なかでも重要なのが、第3項の「事態発生直後」の対応です。ここは氏自身の言葉で、語ってもらいます。

  ・3人の総理、中曽根、竹下、宮沢元首相を官邸に招請し、国家の緊急非常事態への基本方針を協議する。

    ( 自民党執行部や、村山元首相との協議は避けること。)

     ( 北朝鮮とのかかわりがあったり、判断力に問題があり、適切な結論が期待できない。)

  ・ここでいう自民党執行部とは、加藤紘一幹事長、山崎拓政調会長、森喜朗総務会長、野中広務幹事長代理を指している。

  ・村山さんをはじめ、加藤さんや野中さんは、北朝鮮とのつながりが深い。有事の際には、外さざるを得ない人たちだった。

 文書が作られていたのも驚きですが、思い当たることがあります。小泉首相の訪朝時に、拉致被害者の5人が日本へ一時帰国しました。北朝鮮へ戻すという約束でしたが、安部幹事長の強い主張で、5人を北へ戻さないという決定がされました。

 当時の動画で、加藤氏が安部氏を強く批判していたのを思い出します。

 「5人は、あの時北へ返すべきでした。それが国と国との約束でしたのに、安部さんは約束を破ったのです。」

 「あれが、その後の交渉を全てダメにしてしまいました。」

 小沢氏への人物評を別にすると、平野氏の加藤氏評は私の記憶と重なります。氏は北朝鮮に好意的なだけでなく、中国にも心酔し、日本のことは二の次という政治家でした。「ねこ庭」では加藤氏を嫌悪していますし、今でもそうです。

 北朝鮮とつながりの深い自民党の政治家についての話を、一旦終わります。

 拉致問題の解決がどうしてできないのか、なんの動きも無いのはなぜか。何となくが分かりました。「拉致問題は、内閣の最優先の課題です。」と、安部総理がいくら力説しても、現状のまま推移するはずです。

 マスコミが反日勢力で固まっていますから、まともな報道が期待できません。これまでそうでしたし、これからもそうだと思います。政界や経済界だけでなく、マスコミや学界の内情を知りますと、「安部独裁」「安部一強」という言葉が、いかに無内容なものかが分かります。

 最近の「ねこ庭」は、安部総理に期待するのは無理と、冷めた気持になっています。かといって、安部氏以外に保守らしい政治家が見当たらず、「消極的支持」を続けていくしかありません。

 こういう今、私はノルウエーで発見したことを思い出します。

 一面の銀世界だった厳しい寒さの国で、私はノルウェーの歴史書を読み、同時に日本を思いました。2000年に及ぶ日本の歴史で、戦後はたかだか72年です。しかもGHQによる占領は、たったの7年です。

 国の独立を得るため、ノルウェーの政治家たちは、国の内外で敵と戦いました。第二次世界大戦が終わり、晴れて独立国家として世界に認められた時、この国の保守議員諸氏は、盟友とも言える共産党議員と決別しました。保守と共産主義が相容れないものであるため、互いに納得の上で決断をしました。

 だから「ねこ庭」では、反日の野党や亡国のマスコミより責任が重いのは、自民党の議員でないのかと思っています。ノルウエーの政治家を知った今は、日本の保守政治家の不甲斐なさを、責めずにおれない自分がいます。

 日本では依然として愛国という言葉が忌避され、国旗も満足に掲揚されず、国歌さ嫌悪される状態が続いています。

 ノルウエーの国歌には、「われらこの国を愛す」という名前がついています。

 510年をかけて独立を勝ち取った国らしい名前です。ノルウエーの国歌の名前を知った時涙がこぼれましたが、失意や落胆の涙ではありません。淀みに浮かぶ泡沫のように、無数の政党が生まれては消え、無数の政治家たちが現れては消え、日本の独立はまだ遠いのですが、ノルウエーの歳月を知れば勇気が出て来ます。

 「日本も、独立できないはずがない。」

 「選挙の一票で、反日の害虫どもを追放できる日がくれば。」

 という希望の涙でした。生きているうちに憲法が改正され、自分の国を自分で守る普通の国となると、そんな安易な考えをしない覚悟もしました。

 次回は、加藤紘一氏がどのように日本の政治を歪め、自分の利益を優先したかについて、平野氏の話を紹介します。

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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-12-26 21:08:18
今晩は。ここまでの 一連の貴記事から、北鮮の日本人
拉致事件と、パチンコ業界の不明朗さが、ざっと浚(さら)えた様な気がします。

勿論、これらの問題は もっと掘り下げた見方も必要で、
今は 立ち入った言及は控えますが、両件の背後に横たわる問題は、
野党だけでなく、与党の側にも大きくある事が、少しずつ分り始めた所です。

これで、貴記事にて 折々「獅子身中の虫」がいかに
芳しくないものかという事も、少し見えて来た様な気もします。

発足当時は、拉致事件の解決にも注力し、近頃は「やはり非力か?」と
揶揄される 安倍自公政権ですが、背後がこれでは、
如何に安倍総理一人が頑張った所で、解決へ向けた
力強い動きには、繋がらない訳ですね。

パチンコ業界利権の問題と共に、本当に 根と闇の深い事に、改めて深刻な驚きを新たにさせられるものがありまして。

勿論、祖国の独立 ・主権や尊厳を大きく損なわれた事と共に、あくまでも解決を目指さなければならない事共ではあるんですが・・
前回は、済みませんでした。まだ「良いお年を」を記すべきではないかも知れませんね。謝
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保守の矜持 (onecat01)
2017-12-26 22:16:51
HAKASEさん。

 コメントをありがとうございます。
国民の負託の意味を理解せず、数におごるだけでは、自民党の議員とは言えません。

 大阪市議会の「売春婦像設置」への対応では、市長との対決などあってはならない自民党でした。野党がヘタレであることをこれ幸いと、無作為の作為を続けていれば、国民の審判が下りましょう。

 自民党の議員諸氏に欠けているのは、「保守の矜持」です。命がけで国を守ったご先祖様に、恥ずかしいと思う心がなくて、何が保守党の議員でしょうか。
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虐げられ続ける日本 (憂国の士)
2017-12-26 23:52:22
onecat01さん、ご苦労様です。

北鮮による日本人拉致事件は、パチンコ業界は勿論、朝鮮総連抜きには語れない悪魔の仕業である、
そこに組したのが売国奴自公及び野党の「獅子身中の虫」議員達ではないか、日本は朝鮮人に侵食されている。

被害者面して日本から自由と金をせびり取る、彼等の悪行は戦後の混乱期の残忍な行動で示されている、
彼ら根絶は困難では有るが、今回の北朝鮮ミサイル・核問題におけるアメリカの攻撃如何で糸口が見つかる。

日本も凄惨な被害を蒙るかもしれないが、反日国家のくびきから開放される端緒に為るのなら耐える事も出来る。
同時に害虫退治が日本の将来を決める、腰を据えて対処することである、アメとムチでだいぶ毒されてはいるが。
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凄惨な被害を被る前に (onecat01)
2017-12-27 00:15:35
憂国の士殿。

 日本人として、覚悟はいります。しかし凄惨な被害を被る前に、国内でやるべきことがあります。それは、私が主張しています二つの決断です。

 1. 議員の、二重国籍禁止法を制定すること。
2. NHK役員の、二重国籍禁止法を制定すること。

 これがとっかかりなのです。似非日本人の議員を追放すれば、国会が変わり、政界が変わります。
NHKの反日役員が追放されれば、民放の役員にも、新聞各社にも、激震が走ります。

 安部氏が決断すれば、やれるはずですが、そのためには、国民が支持する必要があります。

 安部氏と国民に、その胆力が求められています。
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肉を切らせて骨を断つ (憂国の士)
2017-12-27 01:09:59
安倍氏と国民の胆力
その高まりは、北朝鮮の先制攻撃か報復攻撃かによって日本への被害が違ってきます、
甚大な被害を受けた日本国と国民はonecat01さんの提言する二つの制定に即着手するでしょう。

有ってはならないことですが、そのぐらいの事態にならないと安倍氏は動けない又覚悟もないでしょう。
北からの攻撃が二重国籍禁止法制定へのチャンスだと捉えています。

肉を切らせて骨を切る、避けたいが国民の復讐心はそれを容易にするでしょう。
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それは、あってはならないこと (onecat01)
2017-12-27 10:06:13
憂国の士殿

 北からの攻撃後でなくては、二重国籍禁止法が制定できないと、あなたは言われます。

 もしかしますと、現実はそうなのかもしれませんが、それは、あってはならないことと私は思います。復讐心が法の制定を可能にするというのでなく、理性が法の制定を可能にしてもらいたいと、書生論ではありますが、私は保守政治家と日本人を信頼したい気持ちが勝るのです。

 いずれにしましても、日本は危機にあります。モリカケの野党を、追放しなくてどうするのでしょう。

 コメントを有難うございました。
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