ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫の真剣な雑談 - 16 ( 雑談以下の寝言 )

2023-07-26 22:45:50 | 徒然の記

         3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・リベラル派のパラダイム

 前置きなしに、氏の雑談を紹介します。

  ・最初に紹介するのが相互依存派、2番目が制度学派、これは組織・制度・国際法を重視する学派、3番目が冷戦後のクリントン政権、ブッシュ、オバマ政権で主流となった民主的平和の理論である。

  ・来週説明するのが、リアリスト・バランスオブパワーの2つの学派、1つ目が攻撃的パラダイム、2つ目が防衛的パラダイム、3つ目が覇権による安定論というものである。

 「リアリスト・バランスオブパワーの2つの学派」・・何度聞き直しても、この言葉の意味が不明です。こだわる必要がないのかもしれませんが、氏があげた保守派の3つ、攻撃的なパラダイム、防御的なパラダイム、覇権安定論と数が合いません。突然持ち出したリアリストという言葉を、覇権安定論の意味で使っているのなら数が合います。

 そのかわり「リアリスト」が「覇権安定論」では、視聴者には意味不明となります。大道の薬売りならいい加減な言葉使いも見過ごせますが、学問の話をしているのですから、話の筋道を混乱させてどうするつもりなのでしょう。

 しかも氏は「国際政治学の6つのパラダイム」と言いながら、具体論になると〇〇派と呼べるのは4つだけで、あとの2つは〇〇論で学派ではありません。だから前回紹介した「コメント3.」を入れた普通の人が、疑問を呈します。

〈 コメント3. 〉
 「パラダイムレベルって本当ですか?パラダイムって、学問全体の傾向自体が変化して、術語の解釈自体が変更されて研究者自身が自分の意思に関わらず思考する環境そのものが変わるようなものだと思うのですが…。同時代に複数存在するパラダイムとか…。それって単に学派とか、スクールっていえばいいんじゃないですか?」
 
 この人の疑問は、大上段に「パラダイム ( 概念 ) 」という言葉を使って分類しているが、単に学派、流派、派閥という言葉で良いのではないのかというものです。この人の疑問を受け入れたら、氏が組み立てている「3段階の思考理論」が崩れます。

  1. 哲学的思考段階   ・・一番抽象度が高い思考

  2. パラダイム思考レベル ・・国際政治学の6つのパターンでの思考

  3. ポリシー思考レベル ・・国や個人の主義主張によるもので、一番身近な思考

 「パラダイム」という6つの中に、単に学派、流派、派閥というものを入れたら、それは氏の軽蔑する日本人保守の思考である「ポリシー思考レベル」になってしまいます。従って氏は、コメント3.が認められないので無視すると思います。これ以上ここで足踏みしていても時間の無駄ですから、先へ進みます。

 ・僕のお勧めは、防御的な、リアリストセオリーだ。ディフェンシングな態度で、自分の国がバランスオブパワーを維持できるように行動していくこと。

 ・日本はスーパーパワーでなく、中型レベルの国だが、きちんとした自主防衛能力、自主的な核抑止力を含む自主防衛力を持って、日本なりにバランスする国として行動していく。

 自分がどのパラダイムを使っているのかをハッキリしないと、正しい議論ができないと説明していたので、氏はここで自分が採用しているパラダイムの説明をしています。つまり氏が採用し、視聴者に勧めているのは、「保守派グループの中の防御的なパラダイム」ということになります。

 ここで氏は「リアリスト」という言葉を「現実的」という意味で使っています。書き出しの部分で意味不明だった「リアリスト・バランスオブパワーの2つの学派」という言葉が、再び意味不明となりました。

 祭りの日の大道の薬売りにはまだ愛嬌がありますが、ここまで来ますと、詐欺師が善人を誤魔化している姿を見るような不快感を覚えます。

 ・僕のお勧めは、防御的な、リアリストセオリーだ。ディフェンシングな態度で、自分の国がバランスオブパワーを維持できるように行動していくこと。

 ・日本はスーパーパワーでなく、中型レベルの国だが、きちんとした自主防衛能力、自主的な核抑止力を含む自主防衛力を持って、日本なりにバランスする国として行動していく。

 氏の推奨するものが「防御的なパラダイム」と分かりましたが、この意見のどこがレベルの高い議論なのでしょう。「行動していく」「行動していく」とお喋りしていますが、それをさせないのがアメリカではありませんか。氏のいう行動を実現する上で、日本には二つの大きな厚い壁があります。

  1.  日本を永久に独立させず、属国のままにしておきたいアメリカ

     2.  核武装議論どころか、占領軍憲法さえ改正させない国内の反日左翼勢力 ( アメリカが残したトロイの木馬たち )

 氏の意見の中には、1.と2.への議論が何もありません。「日本の保守は能無し」と貶すのなら、まずは日本の保守を動けなくしている原因の方を無くさなくてどうするのでしょう。

 散々日本の保守を酷評したのですから、先日覚えたばかりの言葉を氏に贈ります。

 「寝言は寝てから自分の布団の中で言え!」

         3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・リベラル派のパラダイム 

 リベラル派のパラダイムを紹介するの動画なのに、全く進んでいませんから本論は次回といたします。

コメント (2)
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伊藤貫の真剣な雑談 - 15 ( 祭りの薬売り )

2023-07-26 10:02:10 | 徒然の記

   3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・アメリカの保守がする日本の保守の悪口

 今回はタイトルを変えず、内容の説明部分を変えました。

 ・これでは安定した自分たちの外交政策、国防政策はできないのだが、日本はずっと76年間それでやって来た。

 ・では本当にアメリカが日本を守ってくれるのかというと、前にも述べた通り、中国人、朝鮮人、ロシア人が核武装しても、日本人にだけは持たせないというのだから、本当の親日ではない。

 ・日本をずっとそんな危険な状態に置いておきたいというのが、アメリカの態度だから、本音では親日ではない。

 ・こんなアメリカに見捨てられたら大変だと、そんな議論ばかり続けていたら、10年20年後に日本は滅びると思う。

 嬉しそうな笑顔で喋っていますが、何度も聞かされた話なので言いたくなります。

 「その話はもう分かったから、先を進めなさい。それにしても貴方は、自分の国が痛めつけられている話が、どうしてそんなに嬉しいのですか。」

 ・だから僕は、日本人もパラダイム ( 概念 ) レベルで考えた方が良いと思う。

 ・だから今日は、リベラル派の3つのパラダイムについて説明し、来週は保守派の3つのパラダイムについて説明します。

 私が子供の頃村の祭りでは、通りの至る所に大道芸人や物売りがいて大声で人集めをしていました。

 「さあ皆さん、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。これから私が売ろうとするものは、そんじょそこらにあるものではありませんよ。」

 「はるかな唐 ( から ) ・天竺の山奥で、100年の年月をかけ、多くの人間が命懸けで取って来た世にも珍しい薬だよ。」

 話が面白いので、大人も子供も彼らの周りに集まりますが、肝心の薬はなかなか見せません。欲張りな彼らは、見物人が5人でも10人でも多く集めたいとそっちの方が大事なのです。伊藤氏のお喋りを聞いていますと、そんな田舎の祭りの薬売りの姿を思い出しました。東大やら、アメリカの大学やら、国際政治学の6つのパラダイムやら、視聴者の前で喋ってみせましたが、何と結論は、

  「だから日本人も、パラダイムレベルで考えた方が良いと思う。」

 おかしな話ではありませんか。永久にアメリカの属国となった日本がパラダイム思考をすれば、アメリカが国策を変更するのでしょうか。

  ・日米安保条約を破棄し、米軍を日本から撤退させ、日本の独立を認める。

  ・占領軍憲法の押しつけを反省し、「憲法改正」と「軍の再建」を認める。

  ・日本の核武装を認める。

 「パラダイム思考」にそんな不思議な力があるというのなら、聞かずにおれなくなります。自信に満ちて語る氏の顔を見るほどに、祭りの薬売りの顔が重なりますから、眉に唾して聞くことにします。

 ここでやっと氏が、「国際政治学の6つのパラダイム」の中身を説明してくれました。シリーズのタイトルなのに、やっと今回パラダイムの名前だけが出て来ました。

 「国際政治学の6つのパラダイム」は、大きく「リベラル派」と「保守派」の2グループに分かれ、それぞれ3つに細分化されるので、合計6つという計算です。

 「リベラル派」

   1.  相互依存派

   2. 制度学派

   3.  民主的平和の理論

 「保守派」

          1.  攻撃的なパラダイム

    2.  防御的なパラダイム

    3.  覇権安定論

 ということで次回はタイトルが同じでも、下記の通り内容が変わります。

         3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・リベラル派のパラダイム

 今回は、視聴者のコメントを3件紹介します。一人だけ疑問を呈している、普通の人がいます。

〈 コメント1. 〉

  伊藤さん、素晴らしい動画をありがとうございました。 日本に巣食う親米保守の連中に聞かせてやりたいですね。(もう手遅れ感が否めませんが。。)
 
〈 コメント2. 〉
 
       伊藤先生のお話しは日本人である事を再確認させてくれます。これからも配信を宜しくお願い致します。
 
〈 コメント3. 〉
 
  パラダイムレベルって本当ですか?パラダイムって、学問全体の傾向自体が変化して、術語の解釈自体が変更されて研究者自身が自分の意思に関わらず思考する環境そのものが変わるようなものだと思うのですが…。同時代に複数存在するパラダイムとか…。それって単に学派とか、スクールっていえばいいんじゃないですか?
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伊藤貫の真剣な雑談 - 14 ( 米国保守のお喋り )

2023-07-26 09:57:53 | 徒然の記

   3. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第2回前半 )」 ・・国家の存立を左右する国際政治学の6つのパラダイム ( 概念 ) 

 前回紹介した5人視聴者は文句なしの賞賛ですが、私は氏の説明に引っ掛かっています。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、次の氏の意見が記憶にあると思います。

 ・占領軍憲法で軍隊を無くされ、日米安保条約で米軍が永久に占領するとなった時から、日本は永久に独立国になれなくなった。

 ・アメリカは中・露・北朝鮮の3ヶ国が、いかに日本をターゲットにして核ミサイルを増やしても、日本人にだけは核抑止力を持たせないと言う方針を持っている。

 つまり氏の説明によると現在の日本は、永久に独立できないアメリカの属国で、アメリカの意向に逆らっては、何もできない植民地です。そうなると、次の説明が矛盾します。

 ・日本人は日本が、国際政治学の6つのパターンの中のどれを選択しているのかを、ハッキリ知るべきである。それを認識しないと、日本の国家戦略を明確に設定できない。

 国際政治学の6つのパターンを知ろうと知るまいと、米国の属国に、独自の国家戦略の設定できるはずがない。日本人にだけは核を持たせないのがアメリカの国策と説明しながら、日本に核武装せよと言う意見はどこから出てくるのか。氏の議論の飛躍は、どこから生じているのでしょう。

 ・残念ながら日本語という言語では、こういう3段階のレベルに分けて議論するという考え方に馴染まない。

 ・だからパラダイムレベルの議論はマスコミに出てこないし、政治家も勿論しない。恐ろしいことに外務省や防衛省の人たちも、あまりしない。

 ・それなら大学でそういう議論がされているかというと、そうではない。私は東大の学生だった時代に4人の先生から国際政治学を習ったが、そのうちの一人は護憲左翼、後の三人は親米保守だった。

 ・三人のうちの二人は、一人が佐藤栄作首相のブレーン、後の一人が中曽根氏のブレーンだった。この二人は有名人で世間の評判が高かったから、国際政治学を分かっている優秀な人物と思っていた。

 ・その後東大を卒業してアメリカに来て、二つの大学で国際政治学の講義を聞いて、それからワシントンで外交政策と経済政策の分析レポートを書く仕事を始めた。

 ・この時、どうも日本の大学で教えている国際政治学とアメリカの国際政治学の質が違うのではないかと思った。

 ・東大の先生たち、保守派の先生たちの意見を当てはめていくと、彼らは、国際政治学ではうまく説明できないレベルの政策設定や議論をやっているに過ぎないと思うようになった。

 今日まで私は、日本をダメにしている元凶を反日左翼学者にだけ置いて来ましたので、保守派の学者に焦点を当てる氏の意見が新鮮に聞こえます。戦後の大学では反日左翼教授が幅を利かせているとばかり思っていましたが、別の事実を氏が教えてくれます。知らないことを教えてくれる人物は、「ねこ庭」では先生ですから、話を聞かなくてなりません。

 ・日本の保守派の政治学者、それも総理大臣のブレーンと言われる人たちがやっている議論は、結局戦後日本の対米従属、対米依存体制を正当化するためのもので、本当の国際政治学のパラダイムレベルの議論ではなかった。

 ・吉田茂とか佐藤栄作、中曽根とか、ああ言う人たちがやっていた対米従属政策を正当化するための議論を、東大の先生たちは供給しているだけで本当の国際政治学者でなかった。

 ・それが分かったので、僕は自分なりに国際政治学を勉強した。まず僕自身が、どのパラダイムを採用して国際政治の分析をするのか、つまり自分の視点をハッキリさせないと、キチンとした議論ができないと言うことを、ワシントンに来て初めて気がついた。

 ・そう言う点から見ると、残念ながら日本における外交政策、国防政策の議論は、どのパラダイムを使って議論しているのかを明確に意識しないまま、大変だ大変だと言っている。

 ・大変だから国防予算を二倍にしたら良いとか、高い武器を買わされても、もっとアメリカに協力しないとダメだとか言っている。

 ・日本の保守の原動力というのは、露骨にいうと、全てアメリカに捨てられたら大変だというもので、いつもおどおどビクビクしていて、アメリカにしがみついていく議論なのだ。だから大統領が変わるたび、今度の大統領は日本を守ってくれるのか、その次の大統領は守ってくれるだろうかという議論ばかりする。

 やはり氏は、日本の悪口しか言わない人物に戻りました。喋っていることの中には、うなづきたくなる事実があるとしても、なぜそこまで悪様に言うのかと不快感が汗のように吹き出して来ます。

 「貴方は、どこの国の保守なのですか。」

 自分の国の保守を楽しそうに批判する氏は、「日本の保守」ではないようです。だから無意識のうちに、「日本の保守」はと切り捨てるのでしょう。この矛盾した人物が、どんな屁理屈で視聴者をたぶらかすのか、不愉快でも氏の雑談を静かに聞いてみなければなりません。

 次回へ行く前に、今回は氏にたぶらかされた視聴者のコメントを3件紹介します。

〈 コメント1. 〉

  私にとっては少し高度なお話でした( ´ー`) 頑張ってついて行きます 「本当の!一流の見識」に触れるだけでも有難い、TVしか知らなかった2020年1月以前の私は何だったんだろう??この機会を与えて下さった全てに感謝です。
 
〈 コメント2. 〉
 
 
〈 コメント3. 〉
 
  優しいし話、凄く面白いし、大好き 、しゅき、しゅき、大好き
コメント
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