2年前の7月 「消えたヒロイン」というタイトルで、我那覇真子さんについて取り上げました。きっかけは次の動画でした。
「チャンネル桜沖縄支局の醜い争い、依田啓示 vs 我那覇真子」
見出しにひかされ、ついでに関連の動画も幾つか見ました。中身は省略しますが、かっての仲間だった依田氏と我那覇さんの公開討論番組でした。関連の動画は、与田氏を我那覇さんたちがいかに応援してきたかという内容でした。全部見て得た結論は、我那覇さんと与田氏の討論というより、水島社長と我那覇さんの対立で、第三者から見れば「保守同士の不毛な争い」でした。
一時は「沖縄のジャンヌダルク」とまで言われた彼女が、ネットの世界から消えてしまったので、「消えたヒロイン」というブログを「ねこ庭」で書きました。
彼女は活動の場所を失い多くの人から忘れられましたが、同時に「チャンネル桜・沖縄」も見る影もないほど精彩のない番組となってしまいました。英語の得意な彼女はその後アメリカへ渡り、バイデン氏と争っているトランプ大統領を支援する報道をしていました。それから南米、アルメニア、オランダへ行き、現地の保守活動家との親交を深め、インタビュー動画を発信していたとのことでした。
本日偶然に次のタイトルの動画を見つけ、久しぶりに彼女を見ました。
「我那覇真子独占インタビュー」 「真実だけで人間の洗脳は解けないから」
「参政党沖縄」が作っている、4回シリーズのインタビュー番組でした。鳴りを潜めていた彼女が、ネットの世界へ復帰するのかと予感させる動画でもありました。今どんな本を読んでいるのか、何に一番関心を持っているかなどと質問され、彼女が答えていました。チャンネル桜を辞めて以来、何をしていたのかを教えてくれたのはこの番組です。
タイトルの意味は、「左翼思想に洗脳された人間は、たとえ真実を聞かされても目が覚めない。」というのだそうです。以前は沖縄の人たちを対象に語っていましたが、世界を歩いた結果なのでしょう。今の彼女は、沖縄の人々を含む日本人全体の洗脳問題を考えていました。
「真実だけ聞かされても、人は目が覚めないということが分かりました。真実であるだけに、認めることの重さがあって、簡単に受け入れられないのです。だから真実を語るときには、同時に相手の人に安心感を与える必要があると思うんです。」
いつもの笑顔に手振りを加え、明るい声でした。
「安心感というのは、別の言葉で言うと〈 数 〉だと思うんです。沢山の人が賛成しているから、一人ではないと言う安心感ですね。」
「こう言う活動をしているのが参政党ですね。」
本気なのか、リップサービスなのか、彼女の言葉に違和感を感じました。参政党も日本維新の会同様、保守政党であるのかにつき私の中では疑問符が消えないからです。
「プランデミックという言葉がありますよね。パンデミックでなく、計画的に、作り出された危機です。今回のコロナもその一つですよね。」
2ヶ月前に作られた動画ですから、これが最近の彼女の考えだと思いますが、しばらく見ない間に私と違う世界の人になっている感を深くしました。沖縄を出て広い世界へ出て、沢山の著名人と出会い難しい本を読み、一回り大きくなったとも言えます。
「だから私は、ワクチン予防注射をしません。マスクもしません。マスクなんて、コロナの菌を集めて吸っているようなものじゃありませんか。」
参政党は、コロナ予防ワクチンは人体に害がある、マスクはコロナ防止の役に立たないと、政府の政策に反対している政党の一つです。嘘を言っているとは思いませんが、武漢コロナが世界で猛威を振るっていたとき、世界の国々がさまざまな対策を実施しました。
「こまめな手洗いと、うがい」「密集を避けて、ソーシャルディスタンスを守る。」「飛沫感染防止のため、必ずマスクをする。」「抵抗力をつけるため、ワクチン接種をする。」
政府が国民に協力を促し、ほとんどの人々が実行しました。日本での死者が他国に比べて少なかったのは、ワクチン接種とマスクの効果が大きかったのでないかと、今でも思っています。この政策が絶対に正しかったと言い切る自信はありませんが、我那覇さんや同党のように、何の効力もなく返って有害と切り捨てる意見には首を傾げます。
最善の策ではないとしても、武漢コロナの脅威から国民を守るため、政府が懸命になっていた事実を無視する気持になれません。ハッキリ分からない事柄を、強く否定する意見を私は「極論」と考えます。意見の中に正しい事実が含まれているとしても、多くの場合「極論」は社会を歪める原因の一つになります。
「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」の代表として活躍していた頃の彼女は、極論を言わず、誰もが納得する意見を述べていて、それが魅力でもありました。
「沖縄で沖縄左翼と戦っていた時は、相手を倒すことばかり考えていました。しかしある時から、沖縄左翼と私たちを戦わせ、分断させようとしている者がいる。日本を分断させようと、対立の構図を持ち込んでいる者がいる。いったいそれは、誰なのか。そんなことを考えるようになったんですよ。」
温故知新の読書で私が自分の無知を啓 ( ひらき ) つつあるように、彼女も読書で過去の自分を脱皮しつつあるのでしょう。私の知らない言葉を、独り言のように述べていました。
「世界をグレートリセットするということですか、赤い馬は中国と北朝鮮、白い馬は米国のグローバリスト、黒い馬はディープステイト、緑の馬はイスラム圏の国。」
なんことか分からなかったので、ネットで調べますとこの言葉は、「ヨハネの黙示録」から来ていると分かりました。しかしWikipediaの説明と彼女の言葉とは、少し違っていました。
赤い馬・・社会主義国中国 白い馬・・キリスト教徒である白人・正義
黒い馬・・黒はイスラム教徒の紋章
ということで、緑の馬はありませんでした。注釈に「都市伝説」と書かれていましたので、色々な解釈と様々な意見があるようでした。
何となくマスコミに騒がれつつある参政党が我那覇さんを党の顔にしようと接近しているのか、活動の場を失った彼女が自ら接近しようとしているのか。世界を旅して政治に目覚めたというのなら、どちらの可能性もあります。
「安心感というのは、別の言葉で言うと〈 数 〉だと思うんです。沢山の人が賛成しているから、一人ではないと言う安心感ですね。」
たった一人しか国会議員がいない政党だとしても、我那覇さんの組織に比較すれば格段の数を持っています。「政治は数だ」と公言し、金力で議員を集め、今太閤になったのは田中角栄氏でした。水島社長に活用され、結局捨てられた彼女は、世界への旅と読書の積み重ねで人間性を大きくしているのかもしれません。
これから我那覇真子さんが、どのようになるのか不安な目で見ています。「さまよえる沖縄のヒロイン ? 」というサブタイトルは、そんな私の率直な印象です。