ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

伊藤貫氏の意見紹介 - 7 ( 国家体制主義とグローバリスト )

2023-07-11 22:48:09 | 徒然の記

   1.「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」         2. 「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」

 馬渕氏がディープステイトと呼んでいるのは、グローバリストと称するウォール・ストリートのユダヤ金融資本家で、これにはロックフェラー財閥が含まれると説明していました。

 長い言葉なので動画の中で氏は、「国際主義者と称される資本家たち」と言い換えていますから、それに従います。

 「結局彼らの狙いは、アメリカ国家の解体なんです。それはなぜかというと、世界を彼らの支配下に置くから、つまり世界を統一しよう、統一政府を作ろうということです。」

 「象徴的な例を一つだけあげます。この間ツインタワーの後に建ったビルの名前、ワンワールド・トレードセンターなんです。ね、これは象徴的ですよ。」

 「だからこれは陰謀論でも何でもないんです。国際主義者と称される資本家たちが、何を戦略として狙っているかというと、世界をグローバル市場化して、彼らがそこに君臨することなんです。」

 あとすこしで、「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」の動画の紹介が終わります。意識的にされた編集なのかどうか分かりませんが、結びの意見はかなり強い調子での、伊藤氏に対する馬渕氏の言葉です。

 「そのために彼らがアメリカ国家を使っていると、そういう面も同時に考えないと、田中先生がおっしゃっているようなことが起こっている理由がわからない。つまり両面を見ないといけない。」

 「国家とは関係なしに動くグローバリストと、相変わらず伝統的な国家中心体制、やっぱりこの二つがあることを見ないと、全体像が見えてこないのではないかと言うのが、私の感じです。」

 2,3回で終わる予定でしたが、7回になってしまいました。今回も視聴者のコメントを6件紹介しますので、参考にしてください。

 コメント1 . 
   ・伊藤貫は自分の言いたいことは言いたい放題、誰かが喋ると話を遮る、典型的な俺の意見がすべて正しいと勘違いしている輩だな。
 
    コメント2 . 
   ・伊藤先生のおっしゃることは理解できますが、馬淵先生の国際情勢、それを判断するに当たっての解釈は、伊藤先生のごとく一国、アメリカだけを基準にして論じておられない故に、正論であると考えられ、より理解できて納得できました。馬淵さんに多謝します。
 
    コメント3 . 
   ・アメリカに住んでいる人が本当のことを言えるのカナ。

    コメント4

   ・馬渕先生、伊藤先生、最高レベルの識者方々の事実確認論議ですが、日本国民への啓蒙という観点からは、何を目的としての議論であるのか分かりません。先生方は、日本をどういう国にされたいのですか。それがはっきりしないと、何を話されても無駄です。

    コメント5

   ・伊藤貫さんは、米国を詳しく見て、馬渕さんはグローバリストを見る。伊藤さんには、グローバリストに共通する利益というものがはっきりとは見えないのだろう。他の要素にかき消されているように見える。視点を移す能力がないと、全体が見えない。そのことがよく分かった。

   ・馬渕さんを押し潰そうという力がかかるのは、彼に見通す力があるからだろう。彼の発言に触れることができることに感謝する。

    コメント6 ( 在日米国人 )

   ・馬渕の言うことは偏見に満ちてダメ。伊藤氏の言うことがまともに聞こえてそうです。もちろん全ての意見が正しいとは思いませんが。

 次回は、「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」です。

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伊藤貫氏の意見紹介 - 6 ( 田中氏の疑問と馬渕氏の意見 )

2023-07-11 17:48:59 | 徒然の記

   1.「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」         2. 「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」

 憶えている人も多いと思いますが、平成15年から平成23年までの約8年間アメリカはイラク戦争をしています。いわゆる湾岸戦争で、独裁者と言われたフセイン大統領をアメリカ主導の裁判にかけ、絞首刑にしました。この間に米国が送り込んだ軍は、15万人と言われています。

 田中英道氏の疑問は、70パーセントの国民が反対しているのになぜ8年間も戦争が続き、15万人の大軍が送れたのかについてでした。二人のやりとりを、そのまま紹介します。

 田中氏

  ・うーん、その意見は分かるんだけどね。だからこそ、なぜイラク戦争は起こったかという問題ですよ。

 伊藤氏

  ・イラク戦争をやったのは、もちろんイスラエルロビーですよ。ネオコンとイスラエルロビーです。

 田中氏

  ・だからそこなんですよ、問題は。

 伊藤氏

  ・だけど、戦争は失敗したでしょ。

 田中氏

  ・失敗はしたけどね。15万人も軍を送ったということ。そこにはボトムの国民の人たちも参加したわけですよね。

 伊藤氏

  ・失敗してますます国民が、孤立主義的になったんじゃないですか。

 議論は水掛け論になりますが、伊藤氏が言うようにアメリカの外交政策が、ユダヤロビーとエスタブリッシュメントとアメリカ国民の3要素で決定されるのなら、大軍を送る戦争が、なぜ8年間遂行されたのかに疑問が残ります。田中氏の異論は、米国の外交政策は3要素の絡みで決定されていると言えないのではないか、と言う指摘でした。

 議論が平行線になりそう、というより、伊藤氏が力任せに主張するので馬渕氏が間に入りました。何度か伊藤氏が割り込もうとしますが、馬渕氏が宥めます。氏が異議を唱えようとするたびに説明を加えますから、結果として伊藤氏の話と同じ長さになりました。

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、そのまま伝える方が大事であると考え、スペースを気にせず、省略せずに紹介します。

 「伊藤先生の話に50%賛成なのですが、残る50%は違う考えを持っています。なぜかと言うと、先生はアメリカ国家というもの、つまりずっと国家単位で考えておられるからです。」

 「ところが今世界を動かしているのは、国家単位だけではないのです。国家も重要ですが、アメリカは必ずしも国家単位で動いていないんですよ。」

 「なぜかと言いますと、いわゆるグローバリストと称するウォール・ストリートの資本家たちの動きというのは、アメリカ国家とは関係ないんです。そこを見ないと、何で米中が手を結ぶのかがわからない。つまり私流にいうと、中国共産党の幹部とグローバリストはウマが合うんですよ。彼らは人民を搾取する・・とは言い過ぎですが、他の者のことなど知ったこっちじゃない、自分たちの金儲けができさえすれば良いと考える連中ですね。」

 馬渕氏のディープステイト論については、何度か別の動画で見ていますが、まとまった意見を聞くのは初めてで、学徒としての関心も湧きました。

 「それは戦前も、そうだったんです。あの時は蒋介石がアメリカの資本家と組んで、人民を搾取しました。国民の銀を、全部取り上げました。そんなことができるのが中国人、と言ったら一般の中国人には悪いけれど、いや一般の中国人は犠牲者なんです。」

 「中国のエリートが、外国のエリートと組んで中国人民を支配するというのが、戦前の中国の姿であり、今の姿なんです。だからそれを見ないと、米中結託とか米中管理とか言っても、間違う危険性があります。」

  共産主義も資本主義も行き着くところまでいくと、トップ同士の考えが一致します。

 「他人のことなど知ったことではない。自分の利益 ( 金儲け )が手に入れば良い。」

 保守と革新、資本主義とマルクス主義、皇国史観と唯物史観などと、互いに対立している勢力が常にありますが、突き詰めて考えると、人間の業である「我欲」に行き着くのはでないかと最近考えます。対立し、別々のもののように見えても、実は根っこが同じだったということ。だから馬渕氏の意見に、似たものを感じます。

 社会主義国と言われる中国・北朝鮮の指導者たちと、ウオール街のグローバル資本家たちの思考を氏が解説していますが、これに経団連の幹部と、日本共産党の幹部を加えたい誘惑に駆られるのは私だけでしょうか。

 「伊藤先生が言った、アメリカのエスタブリッシュメントはユダヤ人です。ロックフェラーはユダヤ人ではないけれど、ユダヤ人家族の一員です。」

 「だからCFRが、アメリカの外交政策をどんどん先に出して引っ張っているんですね。」

 伊藤氏はロックフェラー財閥を意識して、ユダヤ金融資本家と違うエスタブリッシュメントを語ったのでしょうが、馬渕氏が一蹴しました。氏のディーブステート論で一番曖昧だったのがロックフェラー財閥でしたので、ここまで明言した馬渕氏に意外感を持ちました。CFRについては初めて聞きますので、ウィキぺディアで検索してみました。

   〈 CFRとは 〉

   ・1921 ( 大正10 ) 年に設立された、外交問題・世界情勢を分析・研究する非営利の会員制組織

   ・アメリカの対外政策決定に対して、著しい影響力を持つと言われている超党派の組織

   ・外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の刊行などで知られ、会員はアメリカ政府関係者、公的機関、議会、国際金融機関、大企業、大学など

   ・名誉会長 : デビッド・ロックフェラー  会長 : リチャード・ハース

 ロックフェラー財閥がユダヤの家族というのなら、伊藤氏のエスタブリッシュメント論の一角が崩れます。シリーズの4回目で紹介したコメント1. は、この時のものです。もう一度紹介します。

 〈 コメント1 . 〉

   ・聞き応えのある討論。伊藤氏の解説が尤もだと聞いていたら、馬渕氏による捕捉&反論は伊藤氏のを上回ってるように聞こえるんだが…。この2人だけで数時間討論させて欲しい。ずっと見てみたい

 馬渕氏の意見の続きは、次回の紹介といたします。

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伊藤貫氏の意見紹介 - 5 ( エスタブリッシュメントとアメリカ国民 )

2023-07-11 08:28:07 | 徒然の記

    1.「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」               2. 「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」

      3.    新番組「伊藤貫の真剣な雑談 ( 1 ) 」     4.  新番組「伊藤貫の真剣な雑談 ( 2 ) 」

 今回は伊藤氏の言う2つ目の要素である、「エスタブリッシュメント」に関する意見の紹介です。彼らはそれなりの国家戦略を考えており、次の4つの選択肢を持っていると言います。

   1.  アメリカが最強の国として、世界を支配する

   2.  全部を支配するのはコストがかかりすぎるため、ヨーロッパ、中東、東アジアの3地域を重要部分として選択的に支配する 

   3.  イラク、アフガニスタン、パキスタン戦争の経験から得た結論として、内陸戦はコストに見合う勝利がないから、内陸から離れてアメリカの支配権を確立する

   4.  もともとアメリカには、地域覇権国主義と世界覇権国主義の二つの選択肢がある。

 時系列の異なる原則を、あたかも最初からあったもののように語るところに無理がある気がしますが、氏の意見ですから、そのまま紹介します。

  ・1898年にフィリピンを占領するまで、アメリカは地球の西半球を支配する地域覇権国だった。

  ・1945年以降アメリカは、ユーラシア大陸の重要地域を支配する世界覇権国となった。

  ・エスタブリッシュメントの国家戦略には、地域覇権国から世界覇権国へ移動しても良いと言う選択肢がある。

  ・ワシントンでアメリカの外交政策を眺めていると、今は2から3へと移りつつあると考えられる。

  ・太平洋と大西洋の支配は海軍でやるが、それ以外の内陸戦争はしたくないと言うのは、オバマの政策を見ているとよく分かる。

  ・この4つの国家戦略を、ユダヤ勢力が支配しているとはどうしても思えない。

 次に氏は、「ユダヤ人勢力」「エスタブリッシュメント」という3要素の最後である、「アメリカ国民」について喋ります。

  ・アメリカ国民は過去35年間、生活レベルが停滞、もしくは低下している。

  ・1945年から1970年までは、米国人の労働生産性向上率が毎年2.8%あった。

  ・ブルーカラーもミドルクラスも、生活レベルが毎年2.8とか3%とか上昇していた。

  ・1975年から2010年までは労働生産性向上率が2%上がっているのに、ごく普通のアメリカ人の生活レベルは全然上がっていない。

  ・もっと本当のことを言うと、ボトムの国民の50%の人間の生活レベルはむしろ低下している。

  ・理由は、医療費と教育費の上昇率が凄いからだ。

  ・統計的に見れば、労働生産性向上率は2%ずつ上がり、平均的アメリカ人の生活レベルは、0.5%ずつ上がっている。

  ・しかしこれに医療費と教育費の上昇率を入れると、彼らの生活レベルは下がっていることになる。

  ・ボトムの国民の70%は、過去35年間アメリカのGDPは増えてきたのにもかかわらず、生活レベルは停滞、もしくは低下してきた。

  ・アメリカ国民の70%は、もう外国の戦争に巻き込まれるのは嫌だといっている。メンタリティーとして孤立主義的になっている。

  ・軍事費などどうでもいいから、自分たちの生活を何とかしろ、年金をちゃんと増やせ、生活費をなんとかしろという意見になる。

 3つの要素を説明し、アメリカの外交政策を決定しているものについて、伊藤氏が結論を述べます。
 
  ・アメリカのトップ0.15%にいて、いつでも政治家を脅せる物凄いど金持ち集団と、エスタブリッシュメントと、外国の戦争に巻き込まれたくないという70%の普通の国民、この3つが絡み合って外交政策が決まっている。
 
 つまり、米国の外交政策はユダヤ勢力だけで決めているのではないという、氏の長い独演会的説明が終わりました。ワシントン在住の米国金融アナリストらしく、沢山の数字を上げています。ワシントンのビジネス・コンサルティング会社とロビイスト事務所で、国際政治・金融アナリストとして活躍している姿も彷彿とさせます。
 
 次回は氏に異議を述べた田中英道氏と、馬渕氏の意見を紹介します。
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