行きつけの喫茶店FFの中庭に、イチジクのような実がたくさん落ちている。
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たくさん落ちている実 2022.11.14
見上げると、隣のコンクリートビルの窓のない高い壁に、つる性の植物がびっしりと付いていて、まだたくさん実がなっている。
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外壁に付いた、つるに見られる実 2022.11.14
喫茶店の常連の方から、「これは何というの?」と聞かれたが、当方は植物を知らないので、スマホで「つる性のイチジク」とか検索し、「オオイタビ」という種類であろうと考えた。しらんけど。
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オオイタビ?の実 2022.1.13
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同
オオイタビFicus pumila (聞いたことのある属名だ)は、クワ科イチジク属の常緑つる性木。関東南部に自生し、植栽されることもあるという。これは熟していないが、熟して割れたものは食べられるという。熟していないのに、こんなに落ちていいのだろうか?
つる性で、気根で岩やコンクリートに付く。喫茶店の庭でも、ずいぶん高いところまで壁が覆われていた。コンクリートが傷みそうだ。
実を拾ってきて切ってみた。
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切断したオオイタビの実 2022.11.14
イチジクの仲間だから、内部に花がある。
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内部 2022.11.14
丸い方の中央に多分小さな穴があって、そこから漏斗状の空間が広がり、その中の広い空洞に開いている。内壁には花のもとになる赤いつぶつぶが見える。上の穴から受粉をさせる昆虫が入ってくるのだろうか。
ところで、ビワガイという巻貝がある。
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ビワガイ 2011.2.2採集 小倉北区馬島
この種類の学名はFicus subintermedia (Sowerby) 、何とイチジクと同じ属名である。オオイタビを調べた時に、聞いたことがある学名だと思ったのはこれだったのだ。植物と動物が同じ属名を使うのは規約上問題がない。他にもツツジの仲間のアセビ属とモンシロチョウなどのシロチョウ属がPierisという属名を共有するという例が有名。スジグロシロチョウの仲間で、Pieris japonicaが記載されたことがある。これはアセビPieris japonica と全く同じであったが、後にチョウの方はシノニムとして消えたという。
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ビワガイ 藍島
ビワガイは、こんな方向から写真を撮れば、イチジクに似ている。イチジクの英名はfig だそうだから(知らなかった)、学名もそれに由来するのだろう。和名がビワ(これも果物だが、楽器の琵琶とはどちらが先か?)に由来するのは間違いようがない。
話を戻して、オオイタビの内部を見るために切断したら、切断面から粘性の強い液体が出て、ナイフに付着してなかなか取れなかった。イチジクも未成熟の実を切ると乳白色の粘っこい液が出る。オオイタビの実からかなり強い香りが出て、指に残った。決して悪い臭いではなく、シナモンにやや似た香りだった。
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