OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

あれから3年(臨時投稿)

2019年04月14日 | 今日このごろ
あれから3年(臨時投稿)

 14日、手術をしてから3年たった。病気は大腸癌から転移した肝臓の癌。6時間ぐらいかかったのだが、麻酔から覚めた時の痛さは例えようもなかった。その夜、集中治療室で痛みを薬でおさえて耐えていたとき、突然の揺れが来た。熊本地震の第1波であった。ベッドが左右にずれ、何かが落ちる音とともに、看護婦さんの「怖い…」という小さな声。すぐに私のそばに様子を見に来られ、「先ほどはすみませんでした。わたしが落ち着いていなければいけないのに」とおっしゃる。夜勤の時刻だったから一人で勤務しておられたのだ。このお気持ちは尊敬に価する。次の夜にも強い揺れがあり、痛みでほとんど眠っていない私は余震を数えていた。33回までは数えた。
 退院後は2週間ごとに抗癌剤の点滴が12回。その度に4日の入院だが。携帯型の点滴で、写真のようなものを持っていればいいから、入院中も家に帰って食事をしたりしていた。

携帯型の点滴器 2016.10.14

自前の朝食。病院食は避けていた。 2016.10.27

 抗癌剤の副作用で味覚異常があり、おいしく感じるものが限られていた。いろいろと試した結果、味が比較的はっきりしていて、慣れているもの、言い換えると見ただけでどんな味か想像がつくものを「おいしい」と感じることがわかってきた。カレーライスとか酢豚とかダシの効いたうどんとか。味覚の麻痺を視覚が補っているのだろう。他の副作用として、治療中には髪の毛が抜ける問題や、少しだけだが手足の色素沈着があったが、半年で治療が終わる頃には無くなっていき、現在は手足の痺れだけが残っている。冷たいものに触るとよくない。
 3年経ったが、幸いなことに再発は見つかっていない。当初3か月ごとに行っていたCT検査は、半年に一回に減った。体重の変化もないし、体力も戻ったから見かけは変わっていない。5年経つまでは安心できないが、今のところ順調である。ご心配をおかけしている。