のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

連休をテントで彩る道の駅

2013年05月06日 | 散歩漫歩
                  

いまや農繁期真っただ中のこの時期
かつては田植えに入る前に体を休め、心を解きほぐすひとときだったようで
たとえば“でっさま”の練り歩く行事などが行われています
今年も好天気に恵まれて、昨日、無事に結願祭がとり行われたようです

わが家のあるムラではもうひとつ、この時期の民間信仰行事がありまして
古峰ケ原講の代参
今回、代参の当番に当たりまして祈祷を受けたお札をあずかってきました

古峰ケ原(こぶがはら)講とは栃木県鹿沼市の山中にある古峰神社の講中で
神社のHPによると全国で2万の講中、200万の講員がいて
春秋の年に2回、代参が行われているそうです

厄除けの他、とくに火伏せの御利益があって
わがムラでもある家が火事になった時
お札を張ってあった柱のところで沈火したという言い伝えがあるとか

代参とは
講員の中から毎年、いく人か選出し(くじ引きです)
講中の代表で古峯神社に参拝
御祈祷の御札を受けて、参拝に当らなかった講員に御札を授与すること
その代表で参拝する人のこと
毎年交替で全講員が代参人となります

春秋の代参が恒例ですが
5月、6月になると東京方面から代参が多くなり
1年のうちで最もにぎわうのは東北方面からの秋から冬だそうで
そのまま南下して都内見物や伊豆方面にまで足を延ばすとか

そういえば、江戸期のお伊勢参りは
時には松山の道後温泉まででかけて安芸の宮島にお参り
帰りは京都に立ち寄って長野の善光寺にもお参りして
最後は伊香保温泉で汗を流す
そんな行程もあったとか

代参はなかなか各地を旅することができない時代に
仲間たちから餞別をもらって仕事を休んで大手を振って旅に出て
窮屈なムラを出て大いに羽根を伸ばす機会だったのでしょう

しかも、くじ引きで代参人を選ぶということは
気の合う仲間たちと旅するのでなく
それまで縁の薄かったムラ人と旅することで互いに理解しあい
そのことがその後のムラ運営にも活かされるという
仕掛けがあったのではないでしょうか

古峰神社はもともと日光全山の僧防たちの修行の場だったそうですから
祭神の御利益のほかに、こんな実利もありますよと
山伏たちが各地を説いてまわって講中を増やしていったように思います

とはいえ、連休中の農繁期に代参に出かけるのが面倒だとか
講中そのものが今のライフスタイルに合わなくなったためか
わがムラの今回の講中を組織する際に講員は半減し
次回は存続そのものが難しいのではと噂される事態です

以前はわがムラにも大山講や三峰講、出羽講などがあったようですが
すでに解散しています

古峰神社では祈祷神符(お札)を郵送する「郵便祈祷」も行っているそうですので
もし講中が続いたとしても今回が最後の代参になるかもしれません

6日は4連休の最終日
交通量はいくぶん少なくなるかと思ってでかけたのですが
たしかに高速道路での渋滞にはあいませんでしたが
途中の道の駅はどこもテントの出店もあって大賑わい
明日からふたたび農繁期に突入です