のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

あをによしエコタウン

2009年03月01日 | わが家の時時
わが子がみな18歳を迎え、
親としての子育ての責務を果たした記念に
奈良へ「大人の修学旅行」をしてきました。

野生動物との共生を指標とすると
奈良は世界で一番のエコタウンであるという説があります。

シカという野生の大型哺乳動物が
市内循環バス停留所脇の芝を食んでいました。
年間何百匹ものシカが
市街地の道路横断中に交通事故にあっているそうです。
千年以上もの間守られてきた春日大社の原生林が
県庁の隣に広がっていることも他のまちには見られないことでしょう。

野生とはいえ、シカの方も何世代にわたって人との共存の術を学習し、住民も神の使いのシカとの付き合い方を模索してきたはずです。

シカせんべいを持った観光客に催促するためにお尻を突っついて
よだれで汚すようなことはあっても
春日大社の奥の門から先には入ってはきませんでした。
お土産屋さんのおばあさんはゴルフのクラブを持ち
おイタをするようならいつでもコツンとして躾けているようです。



興福寺の国宝・阿修羅像は
半世紀ぶりに3月31日から東京国立博物館で展示されます。
その前にゆっくりと近くから遠くから拝観できたことは幸いでした。
しかも1/3の料金で。
遠くから眺めると6本のしなやかな腕の造形が
これ以外にない安定したバランスを保っているような気になります。。
正面から見るとちょっと体が右側に傾いていることには
何か意味があるのでしょうか。

古都に春を呼ぶといわれる東大寺二月堂の「お水取り」行事の
支度の整った姿をみられたことも幸いでした。



中心市街地の南側に隣接して
奈良まちという町家が立ち並んだ一帯があります。
旅行者にとってみれば
古い都の雰囲気が醸し出されているところに魅力を感じるのですが、
住民の方にしてみれば
長い時間が作り出した安定した住まい方がある一方で
いろいろな不都合なことも多いのだろうと思われます。

橿原市の“寺内町”今井町にも車で乗り込んでしまい、
角地で危うくレンタカーを傷つけてしまうところでした。
農地割も細分化されているようで
権利関係の煩わしくない新天地へ移りたいと考えることも
多いのではと余計な心配をしてしまいました。


〈あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり〉 小野老(おののおゆ)