今年の仕事始めはシュロソウ科です。
6属ありますが2回に分け、今週は「果実は蒴果」の3属についてです。
長野県植物目録2017年版では他に、シライトソウ属でクロヒメシライトソウ。
シュロソウ属でコシジバイケイソウ、ミカワバイケイソウ(生育地は南信)、
ムラサキタカネアオヤギソウ。
ショウジョウバカマ属のショウジョウバカマ(猩々袴)です。
名は、花の色を大酒飲みの妖怪「猩々」の赤ら顔に、ロゼット葉を袴に、とか。
山草園芸店で「少女袴」と可愛らしい名で出ているのを何度かみました。
山で「この花なあに」の質問トップ10は、この状態のショウジョウバカマです。
花弁や雌蕊、花糸が結実期まで色を変えて残り、全く別の花のようです。
蒴果は3つに深くくびれ、中央の縫合線から2裂して、線形の種子を散布します。
シュロソウ属のバイケイソウ(梅蕙草)、多年草の高山植物です。
和名の由来は、花がウメに、葉がシンピジュウム属のケイランに似ることから。
バイケイソウによく似たコバイケイソウ(小梅蕙草)です。
夏山を代表する人気の花の一つですが、花の多い年と少ない年があります。
バイケイソウとコバイケイソウは遠目でも花序の雰囲気がなんとなく違います。
コバイケイソウは花が密について円錐花序になり、先端が丸くなります。
分枝はバイケイソウより短くて開き気味です。
花を近くで見ることができれば、たくさんの違いが観察できます。
花が終わっても果実の毛の有無と宿存花柱の向きなどで見分けられます。
シュロソウ属のショロソウ(棕櫚草)です。
茎の基部に枯れた葉鞘の繊維がシュロ毛状に残ります。
シュロソウの仲間は環境によって形態の変化が多いようです。
果実を見るとバイケイソウと同属であることが伺えます。