多くの場所でたくさん見られる身近なタカラガイのハナマルユキです。
「花丸雪」は、丸い殻の白斑を雪に見立てて名付けられたのでしょうか。
殻の色は茶褐色から黒褐色で、背面の中央部は白斑が集合して網目状になります。
前後端は白色を帯び、本種の特徴になっています。
幼貝は楕円形で中央に1本の濃い色の帯が横断します。
亜成貝では帯が太くなり、歯の形成が始まり、背面に模様がついてきます。
死殻が擦り減ると、背面中央の小白斑が消え、紫色の層が出てきます。
このような貝殻でも前後端の白斑が確認できれば、容易に本種と分かります。
背面中央の濃色の帯は世代を通しての見分けのポイントになります。
食用にもなり、名人はマイナスドライバーを殻口に入れてねじり簡単に割ります。
コロッとして丸い殻の背中に星を散りばめたホシキヌタ(星砧)です。
歯の数は、内唇側が25本ほど、外唇側が20数本です。
殻の背面は褐色の下地に淡褐色の2本の帯が入り、白色の斑点が散在します。
老成した個体では、側面にたくさんの褐色の細線が入ります。
幼貝も丸く背面の帯が特徴的、亜成貝後期になると星模様ができます。
海岸に落ちていた殻は30~40mmが多く、右から2番目が最大で54mmでした。
摩耗して背面の星模様が無くなった個体も、どこかに特徴を残しています。
この個体は、腹面の細線と背面に帯が残っていて、本種にたどりつきました。
幼貝も亜成貝も成貝も殻の形はほぼ同じでコロッとしています。
キヌタは、布のしわ取り木槌の砧(きぬた)をイメージしたのでしょうか?