信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

在来カワヂシャの奮闘

2017年09月23日 | 自然

ここは、東御市県(とうみしあがた)の「あがた御膳水公園」内にある、鉢ノ木沢湧水です。
明治天皇ご巡行の際に御膳水として利用された湧水、市の天然記念物になっています。
この清流に、在来種のカワヂシャと外来種のオオカワヂシャが同居しています。
同居と言ってもカワヂシャがかなり押され気味、数株ほどしか見あたりません。


カワヂシャは、環境省や長野県のレッドリストに「準絶滅危惧種」として指定されています。
オオカワヂシャは、旺盛な繁殖力などから「特定外来生物」に指定されています。
両種ともゴマノハグサ科の同属で良く似ていますが、見分のポイントはいくつかあります。


葉では、色、形、縁の鋸歯や波打ち程度が異なり、歩道から見ても見当がつきます。


花が咲いていると見分けは容易、カワジシャは白色に見えます。


果実に近づいてみると、先に残っている花柱の長さの違いが分かります。


オオカワヂシャに囲まれ1株のカワジシャが孤軍奮闘をしています。
両種が交雑し、ホナガカワヂシャという雑種も形成されているとのことです。
その雑種は発芽能力のある種子を有し、在来種の遺伝的攪乱が生じているとか。
カワジシャも負けておらず、開花時期を異にして交雑を避けているのでしょうか。


サワガニが心地よさそうに歩き回る、きれいな環境が保たれた水系です。
周辺の方々が、公園内の清掃や水草の抜き取りなどを行っているそうです。
その代表の方にお会いし、カワジシャの希少性の話をさせていただきました。
カワヂシャが安心して生育できる場所を探し、移植していただけるそうです。
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