信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

湯ノ丸山系のラン9

2017年03月04日 | 山野草

花の形が、昆虫のジガバチに似ることから名がついたとされるジガバチソウです。


萼片や花弁の先が細く尖り、近縁のクモキリソウとの見分けは容易です。
唇弁は基部から1/3ほどで大きく屈曲し、ふつう暗紫褐色の条線が入ります。


花が咲いていない場合でも、葉脈や縁の波打ち程度が見分けのポイントになります。
ジガバチソウの葉は縦方向の主脈が目立たず、横方向の脈が目立ち網状に見えます。
クモキリソウの葉にも横の脈はわずかに見えますが、縦方向の主脈が目立ちます。    
縁は、ジガバチソウは大きく緩やかに波打ち、クモキリソウは細かく鋭く波打ちます。


湯道や鹿沢高原に多いクモキリソウ、登山道では小桟敷山で見られます。


湿り気の多い落葉樹林内に数十株がまとまって、あちこちに群れをつくっています。


2008年に日本植物分類学会で新種として発表されたシテンクモキリです。
遺伝子解析によってクモキリソウ属の近縁種と比較し、別種とされたとのことです。


人の集まる広場横の株、靴裏などについた種から殖えたオオバコも繁っています。


シテンクモキリはクモキリソウとよく似ており、花が見分けのポイントになります。
花柄子房にはねじれがあり、基につく苞は卵形で鋭頭、長さは約3mmと小さめです。
背萼片、側花弁、側萼片は紫色ががり、線形で巻きます。
唇弁は緑色で卵形、基部中央に紫色の斑があり、先端に短い突起があります。
ずい柱は円柱形で内側に湾曲し、葯帽は卵形、翼は丸みを帯びています。


クモキリソウとの目立つ相違点は、ずい柱以外の花被片が紫色を帯びることです。


そして、シテンクモキリは唇弁の基部あたりの溝が紫色になります。
唇弁の形も見分けのポイントで、クモキリソウは先端が強く巻き込みます。
その他の見分けは、側萼片の巻き方で、シテンクモキリの方が強めに巻きます。
また、ずい柱の翼の形もやや異なり、シテンクモキリの方が丸みを帯びています。


コメント
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