さっそく観てきました。
全米大ヒット、「ワンダーウーマン」。
とはいえそんなに期待しないようにして注意して観に行った。
目線を下げるためだ!
しかーし、だ!
いろいろ言いたいことがアリアリだ。
うーーーーーーーん、もうひとことで言って、惜しいっ!
この映画、全体の3分の2ぐらい、いや、4分の3ぐらい、うまくいってない。
確かに今回はまずワンダーウーマンの基本設定を説明しなきゃならない。
そのぶん、モタモタするのは仕方ない。
それに加え、今回の物語の説明や伏線など語りたいことが多すぎ、またいろいろ盛り込みたい裏テーマや遊びの要素も多すぎたのだろう。
そのせいで、前半から中盤にかけて上手くまとまってない。
そのうえ日本人には馴染みがあまりないギリシャ神話をベースにしているところや、日本人にはいまいちピンと来ない第一次世界大戦(西部戦線)の話をベースにしているところで、基礎知識の面でも(日本の)観客を置いてきぼりにしがち。
なので、正直いって、退屈なところも結構ある。
テンポが速いのにモタモタ感じてしまう前半から中盤。
いやもうこれ、ザック・スナイダーの脚本の特徴だろう。
モタモタしているのにテンポが速いというのは、あいつのクセだ。
そういうところが、ほーーーーーーーーっんとに惜しい。
というか、説明するところはちゃんと説明し、不要なところは思い切って削除するなりして、もう少し整理できただろうに。
整理せずに全部盛り込んで、結果として全てが浅くしか伝わらないことになっている。
しかし、中盤までモタモタしながら必死にいろいろな伏線を張り(張り方は上手くない)、モタモタクネクネしながらよく分からないつまらない話を紡いできた(決して上手に紡いでいない)結果、最後の最後でこの映画はとんでもない覚醒を遂げる。
僕は、そこで泣いた。
ホント映画としてはしょうもないのだが、ワンダーウーマンの覚醒と真実が映画の文脈の中で最後の最後で一気にスパークし、クライマックスになだれ込むところで、「ああ、コレがやりたかったのね」となるのだ。
もうこの最後の20分ぐらいのために、2時間モタモタクネクネしていたのだから、全て許そう。
ということで、星は2つ半がいいところです。★★1/2
実にもったいない前半から中盤にかけてのモタモタクネクネ。
あそこを上手に整理できていれば、素晴らしい傑作になっただろうに、失敗していますハイ。
残念ながら失敗していますね映画としてはハイ。
ただ、最後の最後で僕は泣いたし、ワンダーウーマン、次も観ます。
結局のところ、ガル・ガドットの魅力が全てをカバーしている可能性も。
彼女はイイネ。
それに尽きる。
そしてワンダーウーマンというヒーローの異常な強さの理由が今回で全て説明できたし、今後はもっと雑念を振り払ってストーリー重視で映画が作れるはずなので、今後のワンダーウーマンシリーズに期待したい。
次の映画で今度こそ本気で素晴らしい映画をバティ・ジェンキンス監督が作ってくれることだろう。
P.S.
ドイツ兵を一方的に敵としてぶっ殺していくワンダーウーマンに違和感を持つという意見があるようだ。
これが第二次大戦のドイツ兵(ナチスドイツ)ならまだ分かるが、確かに舞台は第一次大戦だ。
なので、違和感を持つという人の感覚もたしかに分かるし、僕も映画を観ていてそこに少〜し引っかかった。
でも、ものすごく直接的な殺害場面を避けて描いている分、許せたかなと(少なくともワンダーウーマン本人はドイツ兵よりも彼らの武器を破壊しにいったように描かれている)。
そこはもう第一次世界大戦を映画の舞台にチョイスし、西部戦線のノーマンズランド(男と人間のダブルミーニング)をワンダーウーマンの活躍の場として描こうとした以上、仕方ないのかなと思う。
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