自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

オオムラサキ放蝶会 10 里山を象徴する動物たち

2022年07月05日 | イベント
オオムラサキ放蝶会で活躍する坂本さんのことを説明しました。この放蝶会はいわば処分場管理の象徴的なイベントになっています。そのことを説明します。
 話はこのシリーズのに遡ります。日の出処分場に復元すべきは里山景観です。それはプロジェクトとして位置付けられました。それが最重要なことではありますが、ここで行うことは研究活動ではなく、行政の活動です。それを進めるには一般の人に理解してもらう工夫が必要です。そこで里山についてもう一度考え、次のようなことを決めました。
 里山はススキ群落と雑木林、それに小川や池などが組み合わさった複合的な景観です。この処分場にはススキ群落は戻ってくる見込みがあったし、雑木林はすでにあります。それに水鳥を呼ぶための人工池もあります。これを景観としてみてもらうのもいいのですが、わかりやすさという意味ではそれぞれの群落に象徴的な動物が健全に暮らしていることを伝えるのがわかりやすいです。
 ススキ群落にはカヤネズミが戻ってきました。このネズミはとても愛らしく、球状の巣を作るので、特徴的であるだけでなく、発見しやすいという利点があります。
 雑木林にはタヌキがいますが、タヌキはあまりパッとしません。そこで一つにはオオムラサキを選びました。すでに説明したように大型で美しい蝶であり、日本の国蝶でもあります。しかも幼虫が食べるエノキは奥山の樹木ではなく、里山の林縁などに多い樹木ですから、里山にぴったりです。このオオムラサキが処分場に確実にいることも確認されました。
 もう一つはフクロウです。フクロウはネズミを食べることに特化した猛禽類です。フクロウが暮らせるということはそれを支えるネズミがいるということです。その意味でフクロウは生態系の構造を学ぶのにふさわしい動物と言えます。処分場に巣箱を置いたところ、フクロウが営巣するようになり、これまで毎年子育てをすることが確認されました。
 これらの里山を象徴する動物たちは、処分場の活動を紹介する広報などにも使われ、これが処分場のイメージをずっとよくしていると思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オオムラサキ放蝶会 9 不思... | トップ | オオムラサキ放蝶会 11 当日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

イベント」カテゴリの最新記事