シカの標本整理に東大に通っていますが、キャンパスは石垣の上に煉瓦塀があります。その石垣は加賀藩邸のものと思いますが、石は辺が直線的で、加工したものですが、かといって同じものが繰り返されるのではなく、さまざまな大きさと形のものが組み合わさっています。それでいて隙間なくピタッと収まっていて、当時の職人の技術を感じます。それを見ながら歩くのが楽しみですが、今回は雨が降っていて、そこにタチツボスミレが咲いていました。先週にはなかったので、つい2、3日前に開花したようです。
「こんな隙間に生えているんだね」
と心の中で声をかけました。ものの本によれば、種子についているエライオソームという栄養のあるものをアリが食べるために加えて運ぶとのことですが、確かにこんなところに種子が弾け飛ぶとは思えません。