自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

シカの角 4

2020年11月05日 | 標本
シカの角は左右対象ですが、中にはこういうものもあります。これは岩手県五葉山のもので、ハンターが狩猟で得たものをもらいうけました。ハンターにとっては長くもないし、片方が折れているので、価値がないのですが、私には興味があります。
 角が折れるといっても、春から夏までは袋角という柔らかく、血の流れる角が折れることもありますが、そうであれば固まった角もその段階での折れた状態が固まりますからわかります。この角はそうでなく、明らかに固まったあとで折れたものです。主軸の基部で折れています。狩猟時にライフルが角に当たれば折損することはありますが、この角は折れたあとが摩耗して丸みを帯びていますから、折れた後に時間が経っていることがわかります。
 秋の交尾期にはオスはメスを巡って角を付き合わせてケンカをします。全力でぶつかりますから、滅多にはありませんが、角が折れることもあります。この角は枝が2本で通常の3本とは違うので、もともとさほど強いオスだったとは思えませんが、この角折れのために、このシーズンはしょんぼりと過ごさざるを得なかったと思われます。 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする