「世界の評価」から、「指標」を定めて、
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「カナダの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
カナダのPISA2015は、6位→ランクA。
カナダは、調査を開始したPISA2000から、高い順位である。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
カナダの2017年の国際特許出願件数は、12位→ランクB。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
カナダのノーベル賞の受賞者11人は、10位→ランクB。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
カナダのパルム・ドール受賞はない、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
カナダの文化遺産8は、28位→ランクC。
カナダの魅力の一つ、自然遺産。
カナディアン・ロッキー。
雄大、それに美しい。氷河地形を味わうことができる。
ペイト・レイク。バンフ国立公園。
氷河で削られた、U字谷。
モレーン湖。
10の頂、テンピークスと、青色のモレーン湖。
この景観は、カナダの20ドル紙幣に使われた。
モレーンとは、氷河に削られ、押し流されて、堆積した盛り土。
そこに水が溜まったから、モレーン湖と、名付けられた。
しかし、大きな氷河が見当たらない。調べると、
氷河ではなく、巨大な崖崩れが起きて、
できた湖、というのが一般のようだ。
クロウフット山。
左にクロウフット氷河。手前はボウ・レイク。
コロンビア氷原。
左上のコロンビア氷原から手前に、アサバスカ氷河が流れる。
アサバスカ氷河だけは、氷河に触ることができる。
観光用の雪上バスが見える。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
カナダのFIFAのランキングは、80位→ランクF。
2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
カナダは、北中米の出場枠 3.5を競った。
北中米の4位は、アジア5位と大陸間プレーオフに回る。
カナダは、出場枠に入らなかった。
北中米からは、メキシコ、コスタリカ、パナマが出場できた。
なんと、アメリカが出場できなかった。7回の連続出場だったが。
カナダの国技は、ホッケー。
「アイスホッケー」と言うと、カナダ人から、
「カナダでは、ホッケーと言う。アイスホッケーとは言わない」
と、強力な修正が入った。
オリンピックで9回の優勝、世界選手権で20回優勝している。
女子も強い。オリンピックで4回の優勝、世界選手権で10回の優勝。
トロント市庁舎、スケート。
NHLナショナルホッケーリーグNational Hockey Leagueは、
確かに、Hockeyだけで、Ice Hockeyではなかった。
トロントには、NHLのメープルリーフスがある。
ホッケーリーグNHLの31チームは、アメリカ24チーム、カナダ7チーム。
NHLのほかに、プロ・リーグは、野球MLB、バスケットボールNBA、
アメリカンフットボールNFLがあって、アメリカ、カナダは熱狂する。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
カナダの国民総生産GDPは、10位→ランクA。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
カナダの政府開発援助ODAは、11位→ランクB。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「カナダの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダのPISA2015は、6位→ランクA ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダの国際特許出願件数は、12位→ランクB ⇒ 4点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
カナダのノーベル賞の受賞者11人は、10位→ランクB ⇒ 4点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
カナダのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
カナダの文化遺産8は、28位→ランクC ⇒ 3点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
カナダのFIFAのランキングは、80位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダの国内総生産GDPは、10位→ランクA ⇒ 5点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
カナダの政府開発援助ODAは、11位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
カナダは25点。
レーダーチャートで見る、
「カナダの通知表 2018年」。
カナダは、ロシアに次ぐ広大な国土で、日本の27倍。人口は3千700万人。
レーダーチャートは、「傘」の形をしている。
傘の頂部は、学力/PISA。そして、開発力/国際特許、
創造力/ノーベル賞、経済力/GDP、援助力/ODAで、傘を広げている。
天然資源に恵まれた国で、石油、天然ガス、石炭、鉄、金、
ダイヤモンド、ウラニウムの鉱業があり、
林業、農業、水産業もある。
それに、観光業がある。
「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
「世界競争力年鑑」World Competitiveness Yearbookがある。
1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。
IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。
世界競争力年鑑によるランキングの推移。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
カナダは10位。
日本は、25位。
カナダのランキングの推移を見ると、
調査を開始した1989年には4位。その後、
5位 → 8位 → 7位 → 12位 → 10位と、高い順位である。
日本は、調査を開始した1989年には、なんと1位。
それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。
世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア。
カナダのクライテリアは、
ビジネス効率7位、インフラストラクチャー7位、行政効率9位、と高い。
経済実績13位である。
カナダの隣の大国、アメリカのクライテリアは、
経済実績1位、インフラストラクチャー1位、と素晴らしい。
ビジネス効率も12位である。行政効率は26位。
日本のクライテリアは、2桁。中でも、行政効率は41位と低く、
ビジネス効率も36位と低い。
カナダ人は、隣の大国、アメリカを意識している。
「アメリカは、るつぼMelting Potで、
カナダは、多文化のモザイクMulticultural Mosaicです」
と、アメリカとの違いを話す。
「カナダは、『多民族』、『異文化』の国で、
母国語を大事にしなさい、
これまでの宗教を続けなさい、
祖国の文化や伝統を大切にしなさい」
と、民族の独自性を強調している。
住民の祖先を見ると、
イギリスが36%、フランスが16%、アイルランドが14%、
ドイツが10%、ほかにウクライナ、ドイツ、イタリア、
中国(主に香港、中国に返還時に移民)、先住民族。
チモシー・イートンは、アイルランド出身。
「じゃがいも飢饉」のときに、カナダに逃れた。
品質とサービスの良さが特徴のデパートメントを、
カナダ中に築いて、デパートメント王となった。
イートン・センター。トロント。
大型ショッピングモール。冬でも快適。
カナダの公用語が、英語とフランス語であることも、
多民族の国であることを知る。
ケベック州では、第一母国語をフランス語とする人が80%以上いる。
フランスからの移住者が住んだところでもあり、独立の動きがあって、
1995年に住民投票をしたが、わずかの差で否決され、
カナダにとどまっている。
アメリカとの違いは、次の、
PISAや、幸福度ランキングにも現れている。
カナダのPISA2015は6位、アメリカが31位。
カナダの幸福度ランキング2019年は9位、アメリカが19位、
PISAで、カナダが好成績であることに、注目していた。
PISA ランキングの推移 日本、カナダ、アメリカを見る。
カナダは、調査を開始したPISA2000から、PISA2015まで、
4位 → 6位 → 4位 → 6位と、常に高順位を維持している。
日本は、1位 →5 位 → 10位 → 3位と、変動がある。
アメリカは、判定不能 → 24位 → 判定不能 → 31位。
PISAで好成績のわけをカナダ人に聞いてみた。
「公立校の授業料はタダで、しかも、どの民族にも開かれている」
「公立校のほかに、私立校と宗教学校の
セパレート・スクール(Separate school)があって、
私立校は授業料を負担するが、セパレート・スクールは授業料がタダ」
「教員の資格とカリキュラムの決定は、州に委ねられている」
「イギリスのパブリック・スクールに似た、
ボーディング・スクール(寄宿舎つき)があって、
エリートを養成している」
「インターネットが普及している。広い国土では、利用価値が高い」
と言う。
国連発表の"Ranking of Happiness"
「世界幸福度ランキング」を見る。
2019年は、2016年~2018年の調査。世界156か国。
2018年は、2015年~2017年の調査。世界156か国。
2017年は、2014年~2016年の調査。世界155か国。
2019年 ← 2018年 ← 2017年の推移。
フィンランドは、1位 ← 1位 ← 5位。
デンマークは、2位 ← 3位 ← 2位。
ノルウェーは、3位 ← 2位 ← 1位。
北欧の幸福度は高い。
多文化のモザイク、カナダは、9位 ← 7位 ← 7位と高く、
るつぼ、アメリカの、19位 ← 18位 ← 14位より、上である。
日本は、58位 ← 54位 ← 51位。
日本、カナダ、アメリカの幸福度 2019年の内容を見る。
"Ranking of Happiness"は、つぎを調査している。
Dystopia (1.88) + residual、ユートピア/理想郷への思い(と訳した)。
GDP per capita、1人当たりのGDP。
social support、社会からの支援。
healthy life expectancy、健康寿命。
freedom to make life choices、人生を選ぶ自由度。
generosity、他者への寛容さ。
perceptions of corruption、政治腐敗のなさ。
カナダは、
人生を選ぶ自由度が9位、0.584点、と高く、
健康寿命、が10位、1.039点、と高い。
政治腐敗のなさ、が11位、0.308点、
他者への寛容さ、が17位、0.285点、
1人当たりのGDP、が20位、1.365点、
社会からの支援、が20位、1.505点、なども高い。
アメリカは、
1人当たりのGDP、が10位、1.433点、と高いが、
カナダと比べて、次が低い、
人生を選ぶ自由度が63位、0.454点、
健康寿命、42位、0.874点、
政治腐敗のなさ、が46位、0.128点。
カナダとアメリカの違いを見るようだ。
日本は、
健康寿命は3位、1.088点、と高いが、次が低い。
他者への寛容さ、が143位、0.069点、
ユートピアへの思い、が131位、1.399点、
人生を選ぶ自由度、が65位、0.445点、
社会からの支援、が50位、1.419点、
政治腐敗のなさ、が41位、0.140点。
日本の幸福度、5.886点は、
1位フィンランド7.769点の、76%に、
2位デンマークの7.600点の、77%に、
3位ノルウェー7.554点の、78%に、
9位カナダ7.278点の、81%に、
19位アメリカ6.892点の、85%に、なっている。
氷河。カナディアン・ロッキー。
カナダは、広大な国土に美しい自然。
世界の人が訪れたいと憧れる観光国。
隣の大国、アメリカと競合しながらも、
民族の独自性、「多文化のモザイク」を尊重し、
学力の向上を目指し、人生の幸福度を高めている。
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「カナダの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
カナダのPISA2015は、6位→ランクA。
カナダは、調査を開始したPISA2000から、高い順位である。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
カナダの2017年の国際特許出願件数は、12位→ランクB。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
カナダのノーベル賞の受賞者11人は、10位→ランクB。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
カナダのパルム・ドール受賞はない、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
カナダの文化遺産8は、28位→ランクC。
カナダの魅力の一つ、自然遺産。
カナディアン・ロッキー。
雄大、それに美しい。氷河地形を味わうことができる。
ペイト・レイク。バンフ国立公園。
氷河で削られた、U字谷。
モレーン湖。
10の頂、テンピークスと、青色のモレーン湖。
この景観は、カナダの20ドル紙幣に使われた。
モレーンとは、氷河に削られ、押し流されて、堆積した盛り土。
そこに水が溜まったから、モレーン湖と、名付けられた。
しかし、大きな氷河が見当たらない。調べると、
氷河ではなく、巨大な崖崩れが起きて、
できた湖、というのが一般のようだ。
クロウフット山。
左にクロウフット氷河。手前はボウ・レイク。
コロンビア氷原。
左上のコロンビア氷原から手前に、アサバスカ氷河が流れる。
アサバスカ氷河だけは、氷河に触ることができる。
観光用の雪上バスが見える。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
カナダのFIFAのランキングは、80位→ランクF。
2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
カナダは、北中米の出場枠 3.5を競った。
北中米の4位は、アジア5位と大陸間プレーオフに回る。
カナダは、出場枠に入らなかった。
北中米からは、メキシコ、コスタリカ、パナマが出場できた。
なんと、アメリカが出場できなかった。7回の連続出場だったが。
カナダの国技は、ホッケー。
「アイスホッケー」と言うと、カナダ人から、
「カナダでは、ホッケーと言う。アイスホッケーとは言わない」
と、強力な修正が入った。
オリンピックで9回の優勝、世界選手権で20回優勝している。
女子も強い。オリンピックで4回の優勝、世界選手権で10回の優勝。
トロント市庁舎、スケート。
NHLナショナルホッケーリーグNational Hockey Leagueは、
確かに、Hockeyだけで、Ice Hockeyではなかった。
トロントには、NHLのメープルリーフスがある。
ホッケーリーグNHLの31チームは、アメリカ24チーム、カナダ7チーム。
NHLのほかに、プロ・リーグは、野球MLB、バスケットボールNBA、
アメリカンフットボールNFLがあって、アメリカ、カナダは熱狂する。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
カナダの国民総生産GDPは、10位→ランクA。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
カナダの政府開発援助ODAは、11位→ランクB。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「カナダの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダのPISA2015は、6位→ランクA ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダの国際特許出願件数は、12位→ランクB ⇒ 4点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
カナダのノーベル賞の受賞者11人は、10位→ランクB ⇒ 4点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
カナダのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
カナダの文化遺産8は、28位→ランクC ⇒ 3点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
カナダのFIFAのランキングは、80位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
カナダの国内総生産GDPは、10位→ランクA ⇒ 5点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
カナダの政府開発援助ODAは、11位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
カナダは25点。
レーダーチャートで見る、
「カナダの通知表 2018年」。
カナダは、ロシアに次ぐ広大な国土で、日本の27倍。人口は3千700万人。
レーダーチャートは、「傘」の形をしている。
傘の頂部は、学力/PISA。そして、開発力/国際特許、
創造力/ノーベル賞、経済力/GDP、援助力/ODAで、傘を広げている。
天然資源に恵まれた国で、石油、天然ガス、石炭、鉄、金、
ダイヤモンド、ウラニウムの鉱業があり、
林業、農業、水産業もある。
それに、観光業がある。
「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
「世界競争力年鑑」World Competitiveness Yearbookがある。
1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。
IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。
世界競争力年鑑によるランキングの推移。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
カナダは10位。
日本は、25位。
カナダのランキングの推移を見ると、
調査を開始した1989年には4位。その後、
5位 → 8位 → 7位 → 12位 → 10位と、高い順位である。
日本は、調査を開始した1989年には、なんと1位。
それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。
世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア。
カナダのクライテリアは、
ビジネス効率7位、インフラストラクチャー7位、行政効率9位、と高い。
経済実績13位である。
カナダの隣の大国、アメリカのクライテリアは、
経済実績1位、インフラストラクチャー1位、と素晴らしい。
ビジネス効率も12位である。行政効率は26位。
日本のクライテリアは、2桁。中でも、行政効率は41位と低く、
ビジネス効率も36位と低い。
カナダ人は、隣の大国、アメリカを意識している。
「アメリカは、るつぼMelting Potで、
カナダは、多文化のモザイクMulticultural Mosaicです」
と、アメリカとの違いを話す。
「カナダは、『多民族』、『異文化』の国で、
母国語を大事にしなさい、
これまでの宗教を続けなさい、
祖国の文化や伝統を大切にしなさい」
と、民族の独自性を強調している。
住民の祖先を見ると、
イギリスが36%、フランスが16%、アイルランドが14%、
ドイツが10%、ほかにウクライナ、ドイツ、イタリア、
中国(主に香港、中国に返還時に移民)、先住民族。
チモシー・イートンは、アイルランド出身。
「じゃがいも飢饉」のときに、カナダに逃れた。
品質とサービスの良さが特徴のデパートメントを、
カナダ中に築いて、デパートメント王となった。
イートン・センター。トロント。
大型ショッピングモール。冬でも快適。
カナダの公用語が、英語とフランス語であることも、
多民族の国であることを知る。
ケベック州では、第一母国語をフランス語とする人が80%以上いる。
フランスからの移住者が住んだところでもあり、独立の動きがあって、
1995年に住民投票をしたが、わずかの差で否決され、
カナダにとどまっている。
アメリカとの違いは、次の、
PISAや、幸福度ランキングにも現れている。
カナダのPISA2015は6位、アメリカが31位。
カナダの幸福度ランキング2019年は9位、アメリカが19位、
PISAで、カナダが好成績であることに、注目していた。
PISA ランキングの推移 日本、カナダ、アメリカを見る。
カナダは、調査を開始したPISA2000から、PISA2015まで、
4位 → 6位 → 4位 → 6位と、常に高順位を維持している。
日本は、1位 →5 位 → 10位 → 3位と、変動がある。
アメリカは、判定不能 → 24位 → 判定不能 → 31位。
PISAで好成績のわけをカナダ人に聞いてみた。
「公立校の授業料はタダで、しかも、どの民族にも開かれている」
「公立校のほかに、私立校と宗教学校の
セパレート・スクール(Separate school)があって、
私立校は授業料を負担するが、セパレート・スクールは授業料がタダ」
「教員の資格とカリキュラムの決定は、州に委ねられている」
「イギリスのパブリック・スクールに似た、
ボーディング・スクール(寄宿舎つき)があって、
エリートを養成している」
「インターネットが普及している。広い国土では、利用価値が高い」
と言う。
国連発表の"Ranking of Happiness"
「世界幸福度ランキング」を見る。
2019年は、2016年~2018年の調査。世界156か国。
2018年は、2015年~2017年の調査。世界156か国。
2017年は、2014年~2016年の調査。世界155か国。
2019年 ← 2018年 ← 2017年の推移。
フィンランドは、1位 ← 1位 ← 5位。
デンマークは、2位 ← 3位 ← 2位。
ノルウェーは、3位 ← 2位 ← 1位。
北欧の幸福度は高い。
多文化のモザイク、カナダは、9位 ← 7位 ← 7位と高く、
るつぼ、アメリカの、19位 ← 18位 ← 14位より、上である。
日本は、58位 ← 54位 ← 51位。
日本、カナダ、アメリカの幸福度 2019年の内容を見る。
"Ranking of Happiness"は、つぎを調査している。
Dystopia (1.88) + residual、ユートピア/理想郷への思い(と訳した)。
GDP per capita、1人当たりのGDP。
social support、社会からの支援。
healthy life expectancy、健康寿命。
freedom to make life choices、人生を選ぶ自由度。
generosity、他者への寛容さ。
perceptions of corruption、政治腐敗のなさ。
カナダは、
人生を選ぶ自由度が9位、0.584点、と高く、
健康寿命、が10位、1.039点、と高い。
政治腐敗のなさ、が11位、0.308点、
他者への寛容さ、が17位、0.285点、
1人当たりのGDP、が20位、1.365点、
社会からの支援、が20位、1.505点、なども高い。
アメリカは、
1人当たりのGDP、が10位、1.433点、と高いが、
カナダと比べて、次が低い、
人生を選ぶ自由度が63位、0.454点、
健康寿命、42位、0.874点、
政治腐敗のなさ、が46位、0.128点。
カナダとアメリカの違いを見るようだ。
日本は、
健康寿命は3位、1.088点、と高いが、次が低い。
他者への寛容さ、が143位、0.069点、
ユートピアへの思い、が131位、1.399点、
人生を選ぶ自由度、が65位、0.445点、
社会からの支援、が50位、1.419点、
政治腐敗のなさ、が41位、0.140点。
日本の幸福度、5.886点は、
1位フィンランド7.769点の、76%に、
2位デンマークの7.600点の、77%に、
3位ノルウェー7.554点の、78%に、
9位カナダ7.278点の、81%に、
19位アメリカ6.892点の、85%に、なっている。
氷河。カナディアン・ロッキー。
カナダは、広大な国土に美しい自然。
世界の人が訪れたいと憧れる観光国。
隣の大国、アメリカと競合しながらも、
民族の独自性、「多文化のモザイク」を尊重し、
学力の向上を目指し、人生の幸福度を高めている。