季節の変化

活動の状況

霧ヶ峰の谷地坊主

2014-08-24 00:00:05 | Weblog
霧ヶ峰の「谷地坊主」は天然記念物
池のくるみ」へ行くと見ることができる。2014年6月19日。

谷地坊主(やちぼうず)は、
スゲの根が、冬に凍って持ち上がり、
春になると新芽が出る、長い年月をかけてできたものだ、という。

「これが、天然記念物?」
「美しくない、こんな奇妙ものがあるんだ!」
「下半分は枯れて、頭のポヤポヤだけが生きているようだ?」
と思った。それに、
「人気がないのは、姿形が損をしている?」

池のくるみ」(踊場湿原)。2014年6月19日。

踊場湿原(おどりばしつげん)は、「池のくるみ」と呼んでいた。
Kは霧ヶ峰の主峰、車山1,925メートル、
Gはガボッチョ山1,681メートル。この間から、
蓼科山2,530メートルが見えるが、朝はガスっていた。

踊場湿原は、標高1,540メートルの高原に広がる湿原。
EPSONのWristable GPSで、谷地坊主が見える遊歩道で測定。

一か月後の、梅雨が開けた2014年7月30日に行ってみた。
谷地坊主は、どうなったかな?

景色が、ガラリと変わっていた。
驚いたね! 同じところとは思えなかった。

「どこを撮ったんだっけ?」
と、同じ写真になるように、一生懸命に探した。

ガラリと変わったのは、
「あしくらの池」が出現して、
谷地坊主の下半分は、水につかっていた。
それに、頭のポヤポヤは、フサフサになっていた。

冬は厳しいところ。マイナス20度になるだろう。
氷結し雪をかぶるが、その厳寒を乗り越えた。
青々としていた。生き生きとしていた。

2014年7月30日の池のくるみ

Kの車山と、Gのガボッチョ山の間に、Tの蓼科山2,530メートルが見える。
→は車山肩(くるまやまかた)で、ニッコウキスゲが咲く。
あとで、八島ヶ原湿原を眺めるところ。

8月は、大型台風が来たり、大雨が多かったが、
晴れ間をねらって、谷地坊主を見に行った。
うまい具合に霧が晴れてくれた。2014年8月15日。

2014年8月15日の谷地坊主。
谷地坊主の6月、7月、8月の変化がわかる。

6月は頭がポヤポヤ ⇒ 7月はフサフサ ⇒ 8月はボウボウに近かった。
ところで、これから先、谷地坊主はどうなるのだろうか?
谷地坊主の季節の変化を見たくなる。

ほかの谷地坊主を、梅雨の前と後で比べてみる。
梅雨前の谷地坊主。2014年6月19日。


それが、梅雨が開けた谷地坊主。2014年7月30日。

枯れたような下半分は水につかり、
頭のポヤポヤは、フサフサになっていた。

そして、2014年8月15日の谷地坊主。

写真を撮ったあと、がスーッと立ちこめてきた。
そして、谷地坊主は何にも見えなくなった。この間、30分ほど。

踊場湿原(池のくるみ)は、
霧ヶ峰のどこにあるのだろうか?
踊場湿原にあった案内板が参考になる。

中央に、○で囲われた車山がある。
車山の北に蝶々深山(ちょうちょうみやま)があり、
左上には、鷲ヶ峰(わしがみね)があって、あとで登ることになる。

霧ケ峰高原には、
3つ天然記念物湿原があって、
上(北)から、八島ヶ原湿原車山湿原、そして、踊場湿原

3つの湿原を比較する。
八島ヶ原湿原」。1,640メートル。

「八島ヶ原湿原周辺 Trekking MAP」、下諏訪観光協会発行、100円から。
「高層湿原」は、約1万年かかっで積層された湿原、と説明がある。
積層された厚みは8.05メートルで、国内最大という。

八島ヶ原湿原の「八島ヶ池」。

「八島ヶ原湿原」は学校登山にも使われている。2013年7月26日。

「八島ヶ原湿原周辺 Trekking MAP」を見ると、
八島ヶ原湿原を一周する1時間半のコースのほかに、
右の蝶々深山(ちょうちょうみやま)から車山へ、もしくは、
左の鷲ヶ峰(わしがみね)と組み合わせるのが人気である。
それに、ビーナスラインのそばだから、家族で訪れる人が多い。

車山肩からみた八島ヶ原湿原。2014年7月30日。

Wは鷲ヶ峰(わしがみね)、1,798メートル。
YPは八島ヶ池のあるところ、KPは鎌ヶ池。
八島ヶ原湿原の周囲には木道が整備されている。

の八島ヶ原湿原。鷲ヶ峰の中腹から、2012年2月。

鷲ヶ峰は吹雪で引き返した。
スノーシューを着けて八島ヶ原湿原を一周した。
右手前にある八島ヶ池も、左端の鎌ヶ池も一面の雪の下だった。Kは車山。

鷲ヶ峰から見た八島ヶ原湿原。2014年8月18日。

鷲ヶ峰1,798メートルからは、眺望がいい。
Kは車山、その後方には八ヶ岳が連なり、
右にはFの富士山が見える、ぼんやりしているが。

そして、鷲ヶ峰からは、霧ヶ峰の2つの湿原が見える。
YBの八島ヶ原湿原と、KBの車山湿原である。

八島ヶ原湿原YBには、左にKPの鎌ヶ池、右にYPの八島ヶ池がある。
車山湿原KBは、車山KとCの蝶々深山に挟まれている。
3番目の踊場湿原OBは、→の山の後方になる。

霧ヶ峰の3つの湿原の位置関係は、
この鷲ヶ峰からの写真と、
踊場湿原にあった案内板、
とを参照してください。

2番目の「車山湿原」。EPSONのWristable GPSで1,770メートルに広がる。

左側の車山と、右側の蝶々深山(ちょうちょうみやま)の間にある。
奥には鷲ヶ峰(わしがみね)が見える。2014年7月30日。
アカバナシモツケソウの群落があった。

車山湿原には、アサギマダラを多い。2014年7月30日。

ヨツバヒヨドリは、車山湿原に特に多い。
アサギマダラはヨツバヒヨドリが大好物?
蜜を吸って、海を越える長い旅立ちに備える。

3番目の「踊場湿原」。1,540メートル。2014年6月19日。

ガボッチョ山側から見た踊場湿原。
⇒が、谷地坊主のあるところ。
Pは、踊場湿原の駐車場。
駐車場から谷地坊主へは、
遊歩道を15分ほど。

踊場湿原には、クリンソウが咲いていた。2014年6月19日。


踊場湿原のどこで、谷地坊主を見ることができるか?
⇒が、谷地坊主のあるところ。2014年7月30日。

Kは車山。Fは富士見台。

踊場湿原の周囲に遊歩道がある。
谷地坊主は、左(北)側の遊歩道から見る。
目印は、遊歩道の山側にある白樺

黒く焦げた白樺がある。2014年7月30日。
2014年4月28日の火入れで焼けたあと。

草原は、放置しておくと森林になってしまう。
霧ヶ峰では、刈取り、火入>(野焼き)で草原を維持している。
2014年4月28日の池のくるみの火入れでは、強風で飛び火して、
北はFの富士見台に迫り、東はGのガボッチョ山と、それを越えて焼損した。

ガボッチョ山に登ると、
焼け跡から、生き延びたレンゲツツジが咲いていた。2014年6月19日。

Gはガボッチョ山1,681メートル。

は、谷地坊主にも迫ってきた。そのときに燃えた白樺である。
貴重な谷地坊主が、焼けてしまったことを心配した。
詳細な学術調査をするというが、まずは、無事だった!

踊場湿原で、霧ヶ峰自然保護指導員に会った。
千葉大学の園芸学部の学生さんである。
天然記念物の湿原や周辺の草原の、
保護、観察をしている。

霧ヶ峰自然保護指導員から、3つの湿原の話を聴いた。
八島ヶ原湿原は、1万2千年前に形成された。
花が多い。木道も整備されて、多くの人が訪れている。
車山湿原は、1,500年前に形成された。
アカバナシモツケソウの群落がある。
踊場湿原は、3千年前に形成された。
ビーナスラインから外れている、
それに、谷地坊主は地味だから、
訪れる人が少なくさみしい。それで、
谷地坊主が保護できたとも言える。
火入れで延焼したときは、
ガボッチョ山から池のくるみまで、
黒かったが、今は緑になってきた。

谷地坊主の変化を掲載する。
梅雨前の谷地坊主。2014年6月19日。

下半分は枯れて、頭はポヤポヤ。奇妙な生物がいるようだった。

梅雨開けの谷地坊主。2014年7月30日。

下半分は水の中、頭はフサフサになった。

そして、2014年8月15日の谷地坊主。


梅雨が開けて、谷地坊主は、踊場湿原の主役になった。2014年7月30日。

踊場湿原は、元気な緑になっている。

踊場湿原の天然記念物、谷地坊主に会うには、
Pの駐車場から、⇒の谷地坊主まで、
遊歩道を15分ほど歩けばいい。
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