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『バガヴァッド・ギータ―』(読書メモ)

『バガヴァッド・ギータ―』(上村勝彦訳)岩波文庫

有名なヒンドゥー教の古典(タイトルは「神の歌」を意味するらしい)。

とても深い内容で感銘を受けた。

ある一族が2つの軍に分かれて戦争する事態になったとき、一方の派閥の若きアルジュナは「一族でこんな争いをしていよいのか?」と疑問を持ち、親類のクリシュナに相談する。

実はこのクリシュナは神様の化身のような人(聖バガヴァッド)で、人間としてあるべき姿をアルジュナに説く。その内容が本書である。

バガヴァッドの教えとは
・欲望に執着せず
・すべてを神にゆだね
・定められた行為に専念し
・結果を気にするな

ということ。

勇士よ、欲望という難敵を殺せ(p. 49)

執着することなく、常に、なすべき行為を遂行せよ(p. 46)

諸行為をブラフマンに委ね、執着を捨てて行為する人は、罪悪により汚されない(p. 58)

ブラフマンに捧げる行為に専心する者は、まさにブラフマンに到達することができる(p. 53)

あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない(p. 39)

行為は、執着と結果とを捨てて行われるべきである(p. 132)

要は、自分の欲望や成果にふりまわされずに、神様から各自に与えられたミッション(使命)に専心しなさい、ということだろう。
(ちなみに、ブラフマンとは「宇宙を支配する原理」という意味らしい)

とてもシンプルで力強い教えである。

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