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『残像』(映画メモ)


『残像』(2016年、アンジェイ・ワイダ監督)

第二次世界大戦後のポーランドは、ソビエト主導の社会主義体制のもと、自由な芸術活動ができない状況にあった。

体制に批判的な前衛画家ストゥシェミンスキーは、大学の教授職も追われ、作品も発表できず、貧窮にあえぐようになる。

冷戦下の東ドイツを描いた映画『善き人のソナタ』と同じ状況なのだが、じわじわと追い込まれていく様子が怖ろしい。

自分を自由に表現することは、決して「あたりまえ」ではない。それが、強烈に伝わってくる作品である。

自分の表現を模索しなさい」というストゥシェミンスキーの言葉を大事にしたい、と思った。









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愚か者は自分の感情をさらけ出す

愚か者は自分の感情をさらけ出す
(箴言29章11節)

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『夏の花』(読書メモ)

原民喜『夏の花』岩波文庫

先週、未読本の中から何気なく取って読み始めたのが本書。

意識していなかったが、原爆にまつわる小説であることがわかり、少し驚いた。

奥さんを病気で亡くした原民喜は「1年だけ生きよう」と決めて広島の実家に戻り、被爆する。本書には、地獄絵のような凄まじい様子が描写されているのだが、なぜか静謐な感じを受けた。

GHQの検閲を免れるために、当初のタイトル『原子爆弾』を変更したようだが、『夏の花』のほうがフィットしている。

1年だけ生きるつもりだった原民喜は、原爆の体験を伝えるためにその後、5年間生きて小説を書き続けた

戦争の本質を伝える貴重な一冊である。
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『シェフ』(映画メモ)

『シェフ』(2014年、ジョン・ファブロー監督)

一流レストランのシェフであるキャスパー(ジョン・ファブロー)は、創造性の高い料理人なのだが、保守的な店のオーナー(ダスティン・ホフマン)に縛られて自由にメニューが作れない。

あるとき有名ブロガーであるラムジー(オリバー・プラット)に料理をこき下ろされたことでブチギれ、店をクビになってしまう。無職になったキャスパーは、元妻のアドバイスもあって、10歳の息子パーシー(エムジェイ・アンソニー)とフードトラックの旅に出るという物語。

この映画で何が感動するかというと、主人公キャスパーの料理愛である。美味しい料理を食べたときの「これはウマい」というセリフが、なぜかジンとくる。

ポンコツのフードトラックを修理するのを手伝ってくれた労働者に、無料でキューバサンドイッチを振る舞うのだが、「どうせタダだから」と焦げたサンドイッチを出そうとする息子パーシーをしかる場面が印象に残っている。

お客さんが笑顔になるとパパも元気になる。お前もきっとそうだ。あのサンドイッチ出すか?」

美味しい料理を探求し、お客さんと感動を分かち合う。この映画を観て、そうしたプロフェッショナリズムを感じた。




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見えるものは過ぎ去りますが、みえないものは永遠に存続するからです

見えるものは過ぎ去りますが、みえないものは永遠に存続するからです
(コリントの信徒への手紙Ⅱ 4章18節)
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