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ジョブ・クラフティング

「仕事が面白くない」「行き詰っている」「やらされ感がある」というビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

そんな人たちにために、エール大学のレズネスキーらが提唱しているのが「ジョブ・クラフティング」という手法。

この手法は、「仕事はいくつかの基本単位で構成されており、それらを自分で組み立てなおすことで充実した職務環境を作ることができる」という考え方に基づいている。

第一歩は、自分の仕事を見直して、どのような仕事にどのくらい時間をかけているかを分析すること。「ミーティングの準備」「問い合わせ対応」「予算関連の書類作成」などのテーマ毎に四角で囲み、時間がかかっているものは大きく書いて視覚化する。

次に、自分の強みを生かすことができ、情熱を燃やせる方向で、仕事の構成をみなす。そのときのポイントは
・業務の数や範囲の調整
・実施方法の変更
・人間関係の性質や範囲の変更
である。

たとえば、今まで時間をかけていた仕事の中で、業績と関係の弱いものを効率化・簡素化することで時間を生み出し、新しい仕事を開始したり、今までと違う仕事の実施方法を採用したり、違う人たちとの関係を強化したりすることで、仕事を再構成できる。

転職や配置転換ができない場合でも、ジョブクラフティングによって、自分の仕事を充実したものに変換することができるという。このとき大切なのは、自分の強みを生かすことと、協力してくれそうな他者を探すこと。

この手法は、与えられた経験を再設計する手法の一つとして有効であると感じた。

出所:レズネスキー、バーグ、ダットン「「やらされ感」のある仕事をやりがいある仕事に変えるジョブ・クラフティング法」Diamond Harvard Business Review March 2011, p.58-66.

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恐れるな、わたしはあなたと共にいる

恐れるな、わたしはあなたと共にいる。
(イザヤ書43章5節)

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『ショパン』(読書メモ)

遠山一行『ショパン』新潮文庫

天才音楽家ショパンの生涯を解説した本。

熟達の研究をしているので、こういう本を読むと、どうしても何歳からピアノを始めて、いつ頃世界レベルになったのかをチェックしてしまう。

はじめはお母さんにピアノの手ほどきを受けたようだが、6歳のときに先生についてピアノの勉強を始めたらしい。だから、3,4歳のときに弾き始めたのだろう。ちなみに、はじめて作曲したのは8歳のとき。

ポーランドに生まれたショパンは、16歳のときにワルシャワ音楽院に入学し、この年「マズルカ風ロンド」を作曲する。本格的に音楽を勉強するようになってここまで10年だが、この作品がショパンの個性をはじめて明らかにしたものという評価があるそうだ。

熟達研究では、国際レベルの業績を上げるには最低10年かかるという「10年ルール」があるが、ショパンにも当てはまる。

ただし、著者の遠山先生によれば、「彼は当時の流行のスタイルにかなり忠実だった」という。つまり、ショパンは「守・破・離」の守の段階(先人のやり方を模倣し、習得する段階)にあったにすぎない。

ショパンがその個性を発揮するのは、パリに活動の場を移した20歳から30歳の期間のようだ。つまり、一応世界レベルになるまで10年かかり、自分の個性を発揮して後世に残る作品を発表しはじめるのにさらに10年かかっていることになる。

ゴッホや空海も同じだが、天才といわれるショパンも「はじめは模倣から始めている」ことを知って、少し身近に感じた。

模倣の後に、自分の世界を創れるかどうか、そこがポイントだと思った。
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職は運

以前読んだ『ビヨンド・エジソン』でも感じたことだが、アメリカの自然科学者が置かれている状況は非常に厳しい。

基本的に「自分の給与や研究費は自分で稼ぐ」というスタンスである。

米国ワシントン大学の宇宙科学センターで教授をされている甘利幸子氏によれば、外部から研究資金(グラント)をとり、その52%を大学に渡し、残りで生活と研究を行うという。

もし資金を獲得できなければ最長2年は大学が給与を出してくれるものの、その間に資金を探すか他の職を探すことになる。

まるで自営業者である。

そんな厳しい中でも彼女を支えているのは「自分の好きなこと」を追求するという楽しさと、「何とかなるさ」という思い。

子供の頃お父さんにプラネタリウムに連れて行かれてから、宇宙科学者になると決心したという甘利さん。「職は運」と言い切る彼女の言葉の中に、自分の運命に対する自信を感じた。

出所:日経産業新聞2011年2月28日
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