goo

職は運

以前読んだ『ビヨンド・エジソン』でも感じたことだが、アメリカの自然科学者が置かれている状況は非常に厳しい。

基本的に「自分の給与や研究費は自分で稼ぐ」というスタンスである。

米国ワシントン大学の宇宙科学センターで教授をされている甘利幸子氏によれば、外部から研究資金(グラント)をとり、その52%を大学に渡し、残りで生活と研究を行うという。

もし資金を獲得できなければ最長2年は大学が給与を出してくれるものの、その間に資金を探すか他の職を探すことになる。

まるで自営業者である。

そんな厳しい中でも彼女を支えているのは「自分の好きなこと」を追求するという楽しさと、「何とかなるさ」という思い。

子供の頃お父さんにプラネタリウムに連れて行かれてから、宇宙科学者になると決心したという甘利さん。「職は運」と言い切る彼女の言葉の中に、自分の運命に対する自信を感じた。

出所:日経産業新聞2011年2月28日
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )