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能動的惰性

環境が変化しているのにもかかわらず、過去に成功した手法に頼り、それをさらに強化して対処しようとする性向を、ロンドンビジネススクールのサルとホールダ―は「能動的惰性」と呼んでいる。

昔は通用したが今は硬直化してしまっている成功体験にとらわれてしまうことを、組織学習の研究では「成功の罠」というが、同じことが個人にも当てはまる。

個人の仕事の方法や考え方は、30代から40代の前半でほぼ固まるのではないだろうか。それ以降は、一生懸命やっているけれども、どこか「惰性」で仕事をている人が多いように思う。

過去に学習したものを棄却することをアンラーニングと呼ぶが、なかなかガラッとアンラーニングすることは難しい。

では、どうすればいいのか?

現実的には、一気に新しいやり方を導入するのは無理があるので、自分のやり方をいくつかのパーツに分けて、パーツの一部を新しいものに変えたり、パーツの組み合わせを変えることで「能動的惰性」から脱却できるのではないか。

そのためにも、自分の持論やノウハウを文書化・視覚化し、自分がどのような仕事の進め方をしているのかを客観的に分析する必要があるだろう。

出所:ドナルドN.サル、ドミニク・ボールダー「理想と現実のギャップを埋めるコミットメントの自己理術」Diamond Harvard Business Review July 2005, p25-41.
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