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『ベストセラー』(映画メモ)

『ベストセラー:編集者パーキンズに捧ぐ』(2015年、マイケル・グランデージ監督)

作家トーマス・ウルフと彼を支えた編集者マックス・パーキンズについての実話である。

ウルフ(ジュード・ロウ)は天才ではあるが、作品が異常に長いため、どの出版社にも断られつづけていた。そんな中、彼の才能を見抜いた編集者パーキンズ(コリン・ファース)は、文章を削除しまくり、短くすることで、ウルフの小説『天使よ故郷を見よ』をベストセラーにする。

傑作を世に出すのが僕の仕事だ」というパーキンズの信念が伝わってくるのだが、すさまじい「添削プロセス」を見ると、ウルフの作品というよりも、ウルフとパーキンズの合作であるといったほうが正確であろう。

「編集者は黒子だ」といいながら「私が君の作品をゆがめた気もする」と本音をはくパーキンズ。

ウィキペディアで調べたところ、編集前のバージョンの方が編集後の作品よりも文学的なクオリティは高いという。しかし、オリジナルのままだと世に出なかったのは間違いない。

「世に広めること vs 自分の世界を守ること」「コラボ―レーション vs 単独活動」について考えさせられた。

ちなみに、コリン・ファースの演技はやっぱり上手かった。








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