松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
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『美しい日本の私』(読書メモ)
川端康成『美しい日本の私』講談社現代新書
川端康成がノーベル文学賞を受賞したときの記念講演である。
本文の前に、講演の草稿(写真)が載っているのだが、当初の題は「日本の美と私」であったようだ。それが「美しい日本の私」と直されている。まず、このタイトルが美しい。
日本の美が禅の思想と深く結びついていることを、茶道、華道、平安文学を交えて語っているのだが、ちょっと難解である。しかし、もう一度読んでみると、心に響いてくるものがあった。
まず冒頭に引用されている道元禅師の歌が良い。
春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり
自然に没入し、自然と合一することができるところに、日本人の美がある。「我」をなくして「無」になるとき、人は無尽蔵の心の宇宙とつながることができるという。
われわれ日本人には、自然を感じ取る繊細さがあることを、改めて理解できた。
しかし、本書を読み終えて、日本人の持つ感受性が失われつつあるのではないか、とも感じた。
川端康成がノーベル文学賞を受賞したときの記念講演である。
本文の前に、講演の草稿(写真)が載っているのだが、当初の題は「日本の美と私」であったようだ。それが「美しい日本の私」と直されている。まず、このタイトルが美しい。
日本の美が禅の思想と深く結びついていることを、茶道、華道、平安文学を交えて語っているのだが、ちょっと難解である。しかし、もう一度読んでみると、心に響いてくるものがあった。
まず冒頭に引用されている道元禅師の歌が良い。
春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり
自然に没入し、自然と合一することができるところに、日本人の美がある。「我」をなくして「無」になるとき、人は無尽蔵の心の宇宙とつながることができるという。
われわれ日本人には、自然を感じ取る繊細さがあることを、改めて理解できた。
しかし、本書を読み終えて、日本人の持つ感受性が失われつつあるのではないか、とも感じた。
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