松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
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国際人の条件
安部公房さんは、どうも英語がしゃべれなかったらしい。友人の作家・安岡章太郎さんは、次のように回想している。
「なぜか僕に、君、英語できんだろうって言うから、できないよって言ったら、へえっ!これはやばい、なんて言い出してね。『ライフ』の社長夫人が安部公房にインタビューに来ててさ、それで彼、僕を誘ったわけだ。僕が全然できないなんて言ったら、そんな手はないよ、とか言ってさ。安部はできるかと思ったら、全然できないってわけね」(p.292)
しかし、安部さんの『砂の女』は世界30カ国以上で翻訳され、ノーベル賞候補者でもあった。大江健三郎さんは言う。
「僕の感じだと、日本的な作家ということで、たとえば谷崎、川端、三島が知られていたとしてもですね、ほんとうに現代作家として外国の知識人に読まれた作家は、安部さんが最初だった。そしていちばん強い印象を与えたのが安部さんだったと思うんですね」(p.302)
要は、英語ができるかどうかではなく、世界の人々に感銘を与える仕事を成し遂げたかどうかが国際人としての条件である、と感じた。
出所:安部ねり『安部公房伝』新潮社
「なぜか僕に、君、英語できんだろうって言うから、できないよって言ったら、へえっ!これはやばい、なんて言い出してね。『ライフ』の社長夫人が安部公房にインタビューに来ててさ、それで彼、僕を誘ったわけだ。僕が全然できないなんて言ったら、そんな手はないよ、とか言ってさ。安部はできるかと思ったら、全然できないってわけね」(p.292)
しかし、安部さんの『砂の女』は世界30カ国以上で翻訳され、ノーベル賞候補者でもあった。大江健三郎さんは言う。
「僕の感じだと、日本的な作家ということで、たとえば谷崎、川端、三島が知られていたとしてもですね、ほんとうに現代作家として外国の知識人に読まれた作家は、安部さんが最初だった。そしていちばん強い印象を与えたのが安部さんだったと思うんですね」(p.302)
要は、英語ができるかどうかではなく、世界の人々に感銘を与える仕事を成し遂げたかどうかが国際人としての条件である、と感じた。
出所:安部ねり『安部公房伝』新潮社
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