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空想

画家で絵本作家の安野光雅さんは、空想癖があるらしい。

「偉そうにいうようだが、妄想と空想は違うと考えている。妄想は全く根も葉もないことを想像し、足がかりを事実から離して、しかも空想を事実と混同しはじめることをいう。これに対して空想は事実の世界に足をつけて虚構の世界を空想し、その虚構が本当だったらどうなるだろう、と考えることである。つまり、科学は一見非科学の空想が土壌である。むかし教員だったころ、いわゆる調査の中で、趣味は何かと問われ、「空想」と答えた女の子が一人いた。わたしは同病を一人見つけた」(p.230)

芸術を科学もビジネスも、たぶん空想力が大切なのだろう、と感じた。

出所:安野光雅『絵のある自伝』文藝春秋

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