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『小澤征爾 指揮者を語る』(読書メモ)

小澤征爾(語り)有働由美子(インタビュー)『小澤征爾 指揮者を語る』PHP

小澤征爾さんが『ボクの音楽武者修行』(新潮文庫)を書いたのは20代後半。そして、本書は小澤さんが73歳のときのインタビューをまとめたものだ。しかし、小澤さんの感性はまったく変わっていないように感じた。

最も印象深かったのは、小澤さんの「個」に対する考え。

「「個」っていうとわかりにくいかもしれないけど、政治でも、音楽でも、商売でも、大きな会社でも、小さな会社でも、でかい国でも、小さい国でも、その政府とか、あるいは会社にいるその人が大事なんですよね。誰がやるのか、が。その人の価値というか、その人の考えが一番大事。たとえ組織の中であっても、その人が何をやるかが大事なことなんですよ、きっと」(p.94)

この箇所を読んで、増田弥生さんの「私から見て「すごい行動をする敬愛すべき人」は、必ずと言っていいほど自分らしさ全開の人たちです」という言葉や、ゴーンさんの「リーダーシップとは、他の人の備え持つ可能性を解放してあげる能力です」という考え方を思い出した。

集団の和を重視する日本であるけれど、歴史を振り返ってみると、やはり「個」が重要な役割を果たしている。今の日本は「個」の力をもっと活用できる社会にならないといけないのではないか、と思った。



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