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会社に授業料を払え!

以前紹介した『わたしの先生』の中に、写真家の田沼武能さんが登場していた。

田沼さんの先生は、かの有名な木村伊兵衛氏。当時、田沼さんは、サン・ニュースフォト社で働きながら、木村氏に師事していたらしい。そのときのエピソードが印象的だった。

「あるとき、「会社で給料を払ってくれない、困った」と愚痴話をしていた私は、それを隣で聞いていた先生に「学校出たからって一人前の顔をするな。会社で仕事を教えてもらっているんだから、会社に授業料を払え!」と怒られてしまいました。」(p.162)

確かにその通りである。

新人のうちはあまり使い物にならないし、いろいろと仕事を教えてもらっているのだから、本当は授業料を払わないといけないくらいだ。それなのに、給料をもらっている。

若手に限らず、所属している組織からいろいろな恩恵を受けているのだから、本来は感謝しなければいけない。なのに、どうしても「働いてやっている」という感覚がある。

上記の箇所を読み、勤めている組織に感謝する気持ちが必要だな、と思った。

出所:岩波書店編集部『わたしの先生』岩波ジュニア新書



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