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『山谷でホスピスやってます。』(読書メモ)

山本雅基『山谷でホスピスやってます。』実業之日本社

在宅型ホスピス「きぼうのいえ」は、東京のドヤ街「山谷(さんや)」にある。主な入居者はホームレスや身寄りのない人々

本書を読むと、ホスピスの概念が変わる。優しい看護師さんが癒してくれるというイメージ(ステレオタイプだと思うが)ではなく、わいわいガヤガヤと家族がいる中で「自然体」で看取られているという感じがした。

ちなみに、このホスピスを立ち上げた山本さんは、医療や福祉の専門家ではない。神学部を卒業したクリスチャンではあるが、よくメディアに登場するタフなスーパーマン型でもなく、打たれ弱かったり、うつになったりしながらホスピスを運営している。

なぜ山本さんは、こんな事ができるのか?

その秘訣は「他者のために働く」という強烈な使命感と、彼を支える奥さんや友人・知人の輪である。誠実さと情熱がさまざまな人々を惹きつける。

きぼうの家立ち上げについて、山本さんは次のようにコメントしている。

「ぼくはかつてあるキリスト教の聖職者からこんな話を聞いたことがある。神は決してご自分で御業を行わない。常に人間を通して道を整えられる。そして神はいつもご自身の意図を行わんとするひとを探していらっしゃる。そう、神は非常にすぐれたリサーチャーなのだ。そして、その人間を見つけたら最後、とことんその人間に猛烈な力を貸してくださる。」

本書を読んで、神の意図を実行する人々のパワーを実感した。
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