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学ぶ力の伝承

精密加工・工具をつくる不二越では、工程の9割は工作機械を使うが、最後の仕上げは高い精度が要求される手作業になるという。同社では、この研磨技術を伝承するために、熟練技術者一人に若手二人がつくマイスター制度を導入している。

通常のマイスター制度は、若手がベテランに密着して仕事を覚えるが、同社の場合、研磨作業をビデオに撮った上で、動作の意味やコツを体系化して教えている点に特徴がある。この取り組みの結果、熟練技術者と同じ品質を出せる若手技能者を3年で育てることに成功したらしい。

この話を聞いて少し心配になったのは、技術を伝承された若手の「学びとる力」「自ら創り上げる力」をどうするのか、という問題。教えられた技術については優れているだろうが、自分で新しい技術を身につける力がないと、環境の変化に適応できない。

特定の技術だけでなく、学ぶ力も伝承する必要があるように感じた。

出所:日経産業新聞2010.3.30
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