松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
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『納棺夫日記』(読書メモ)
青木新門『納棺夫日記 増補改訂版』文春文庫
映画「おくりびと」の実質的な原作である。
経営する飲食店が倒産した後、青木さんは、新聞広告を見て冠婚葬祭会社に入社する。通常の葬儀の他、飛び込み自殺、首つり自殺、交通事故、病死など、さまざまな死と直面しながら納棺夫として働いてきただけに、青木さんの「死生論」は迫力がある。
次の言葉が印象に残った。
「考えてみると今日まで、毎日死者に接していながら、死者の顔を見ているようで見ていなかったような気がする。人は嫌いなもの、怖いもの、忌み嫌うものは、なるべくはっきり見ないように過ごしている。きっと私も本能的にそうした態度で接してきたようだ。しかし今は、死者の顔ばかりが気になるようになっていた。死者の顔を気にしながら、死者と毎日接しているうちに、死者の顔のほとんどが安らかな顔をしているのに気づいた。」
青木さんは、「生」に絶対的な価値を置く現代の社会に疑問を投げかけ、生と死を超えた世界に「光」を見出す。
本書を読んで、映画「おくりびと」の原作となることを拒否した青木さんの気持ちがなんとなくわかる気がした。
映画「おくりびと」の実質的な原作である。
経営する飲食店が倒産した後、青木さんは、新聞広告を見て冠婚葬祭会社に入社する。通常の葬儀の他、飛び込み自殺、首つり自殺、交通事故、病死など、さまざまな死と直面しながら納棺夫として働いてきただけに、青木さんの「死生論」は迫力がある。
次の言葉が印象に残った。
「考えてみると今日まで、毎日死者に接していながら、死者の顔を見ているようで見ていなかったような気がする。人は嫌いなもの、怖いもの、忌み嫌うものは、なるべくはっきり見ないように過ごしている。きっと私も本能的にそうした態度で接してきたようだ。しかし今は、死者の顔ばかりが気になるようになっていた。死者の顔を気にしながら、死者と毎日接しているうちに、死者の顔のほとんどが安らかな顔をしているのに気づいた。」
青木さんは、「生」に絶対的な価値を置く現代の社会に疑問を投げかけ、生と死を超えた世界に「光」を見出す。
本書を読んで、映画「おくりびと」の原作となることを拒否した青木さんの気持ちがなんとなくわかる気がした。
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