この度、同文館出版より
『医療プロフェッショナルの経験学習』を出版することができました。
本書は、12名の研究者の方々とともに書いたもので、
看護師・保健師・薬剤師・診療放射線技師・救急救命士・病院事務職員・救急救命医師・公衆衛生医師の成長プロセスを、「
経験学習」という切り口から分析しています(第9章には、
病院長がいかに組織をマネジメントしているかについての研究も収められています)。
本書の基本的な問いは「各分野の医療プロフェッショナルは、キャリアの各段階で、
どのような経験から、いかなる能力を獲得しているのか」というものです。
分析の結果、大まかな発見としては、次の2点が明らかになりました。
(共通点)各プロフェッショナルは、キャリア初期(最初の10年間)において、「
カギとなる経験」をとおして基盤となる能力を身につけ、キャリア後期(11年目以降)に、「
挑戦的な経験」をとおして学習を深めていた。
(相違点)ただし、キャリア初期における「カギとなる経験」、およびキャリア後期における「
学習課題」は、職種によって異なっていた。
つまり、就職してから最初の10年でプロとしての基礎をつくり、11年目以降にプロとしての能力を深めている点は、
職種が違っても同じなのですが、最初の10年に積むべき経験の内容や、11年目以降に直面する課題は
職種によって異なっていました。
医療職の方は、本書を読むことで、他の医療職がどのように成長するかを知ることができ、
より質の高いチーム医療を実践できるようになると思います。医療職ではない方は、本書を通して
医療の深い世界を知ることができるでしょう。
各章には必ず
インタビューデータが含まれていますので、その部分を読むだけでも、
深く広い医療の世界を味わうことができると思います。是非ご一読ください。
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