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憲法の立憲主義、平和主義、民主主義を踏みにじった戦争法をはじめ悪法の成立をはかった政府・与党

2015-09-28 | しんぶん赤旗

通常国会を振り返る

共産党の論戦・共闘 政府追い込む

 

 

 戦後最長の245日間に及んだ第189通常国会が27日、閉会しました。憲法の立憲主義、平和主義、民主主義を踏みにじった戦争法をはじめ悪法の成立をはかった政府・与党に対し、国民の運動と結んで論戦で追いつめた日本共産党のたたかいを振り返ります。


戦争法案審議

新人・ベテラン総力追及

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(写真)質問する仁比聡平議員=2日、参院安保法制特委

 「この資料は爆弾すぎる」

 国会会期末まで3週間余となった9月2日、戦争法案を審議する参院安保法制特別委員会。日本共産党の仁比聡平議員が自衛隊の統合幕僚監部の新たな 内部資料を暴露すると、与党理事の一人からこんな言葉が漏れました。内部文書は、河野克俊統幕長が昨年末に訪米した際、米軍幹部に夏までの戦争法成立を “確約”していた事実を明らかにして政府・与党に大きな衝撃を与え、国会の審議日程を大幅に狂わせました。

 お盆前の8月11日には、小池晃議員が、戦争法の成立を前提に自衛隊が実施計画を立てていたことを示した統合幕僚監部の内部資料を参院特別委で追 及し、自衛隊中枢の暴走ぶりが明らかになったばかり。他の野党も「国会軽視」「文民統制の形骸化」といっせいに追及し、メディアも大きく報じるなど国会内 外に与えた影響は計り知れません。ある閣僚経験者は特別委の質疑後、取材していた本紙記者にこう漏らしました。「(共産党は)がんばりすぎだ」

 参院では与党質問に力を入れると豪語していた自民党は、特別委の委員(20人)のほとんどを来年の参院選で非改選の議員で埋めるなど、世論を恐れ て論戦を避けました。一方、日本共産党が求めた統幕長の国会招致には背を向けたまま、「(内部資料を)手に入れた(共産党)側に違法行為がなかったのか調 査せよ」(江島潔議員、参院本会議)と誹謗(ひぼう)中傷を行いました(後に自民党が共産党に謝罪)。

 日本共産党の存在感は、5月末に始まった同法案の衆院審議から大いに発揮されました。

 昨年末の総選挙で8議席から21議席へ躍進した日本共産党は、衆院安保法制特別委員会で複数委員を確保し、質問時間は大幅に増えました。党首討論 には11年ぶりに志位和夫委員長が立ちました。党の論戦は、戦争法が憲法9条を踏みにじる最悪の違憲立法であり、その推進勢力が異常な対米追随を特徴とし ていること、過去の日本の戦争を「間違った戦争」といえない安倍政権が推進する危険を国民の前に全面的に明らかにしました。

 志位委員長は、「廃案のために総力をあげる政治的な構えと覚悟を示す」との決意で論戦に臨み、衆院本会議での代表質問に続き、特別委でも2日にわ たって安倍晋三首相を追及。「戦闘地域」での兵たん、紛争・戦乱が続く地域での治安活動、日本側から武力行使をする集団的自衛権の行使がすべて憲法を踏み 破る海外での武力行使につながる危険があることを解き明かして、政府を追いつめました。

 さらに、1959年の砂川事件最高裁判決を持ち出した政府の「合憲」論に法的根拠がないことを明らかにした宮本徹議員をはじめ新人議員も活躍。ベテラン議員から新人議員まで、文字通り総力戦の論戦を行いました。

野党共闘発展

新しい国民運動に応え

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(写真)5野党党首会談。左から2人目は志位和夫委員長=18日、国会内

 「一国会でこれだけ党首会談がもたれたことは近年にないこと」(日本共産党の志位和夫委員長)。戦争法案が衆院で審議されている段階で2回、参院 段階で4回、計6回の野党党首会談が開かれるなか、「戦争法案阻止」の野党共闘が大きく発展したのも、今国会での大きな特徴です。

 「強引な採決に反対し、随時協力し行動する」(7月10日)

 「国民の声に応えて、野党が一致結束して法案阻止のためあらゆる手段を尽くして頑張りぬく」(9月11日)

 「どんな事態になっても、今後とも憲法の平和主義、立憲主義、民主主義をしっかり守っていくために各党が協力する」(9月18日)

 会談での合意事項は、回を重ねるごとに進化していきました。それを後押ししたのが、若者らを先頭に国会前や全国各地でわきおこった新しい国民運動です。

 「憲法守れ」「安倍(首相)はやめろ」―。連日連夜、国会議事堂の中まで聞こえてくる叫びに応え、野党党首らがいく度も集会に足を運び、「一致協 力しながら廃案に向けて徹底的に頑張る」(民主・岡田克也代表、14日)と表明。志位委員長や岡田代表らが手を取り合い、参加者の声援に応える光景がたび たび見られました。

 審議の最終局面では、共産、民主、維新、生活、社民の5野党が内閣不信任決議案を衆院に共同提出(18日)し、“政権打倒”で結束しました。志位 委員長は本会議の賛成討論で、憲法の立憲主義、平和主義、民主主義を破壊する安倍政権の「三つの大罪」を厳しく指弾。他党も「強行採決は戦後民主主義の否 定」(岡田代表)、「立憲主義を理解しない者に総理の資格はない」(維新・松野頼久代表)として、憲法をより所に即時退陣を迫りました。

 今国会での野党共闘の到達を踏まえ、戦争法が強行成立された19日、志位委員長は直ちに、新たなたたかいに向けて「戦争法(安保法制)廃止の国民 連合政府」実現の「提案」を発表しました。「素早い行動だった」「他の野党も連携の輪を広げるように努力すべきではないか」(生活の党・小沢一郎代表、日 刊ゲンダイ26日付)など、「提案」に呼応する声もすでに出ています。

改悪派遣法

論拠破綻 施行日延期に

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(写真)質問する小池晃議員=8日、参院厚労委

 戦争法案とともに改悪労働者派遣法をめぐっても、日本共産党の論戦と国民の運動が安倍暴走を追い詰めました。

 日本共産党は、改悪法案は「派遣は臨時的・一時的業務に限る」という大原則を投げ捨て「生涯ハケン」「正社員ゼロ」への道を開く歴史的大改悪だと 追及。民主、社民など他の野党も反対の論陣を張るなかで政府はたびたび答弁不能に陥るなど論拠が総崩れとなり、当初の法案にあった施行日の9月1日を過ぎ ても成立できない異例の事態に追い込まれました。

 「正社員化を希望する方にはその道を開く」といっていた安倍首相は、審議の中で「正社員として雇うかどうかは経営者の判断」と答弁するなど論拠の 破綻を認めました。さらに、改悪法が成立しないと「みなし制度が適用されてしまう」と述べ、違法派遣された労働者を救済する「労働契約申し込みみなし制 度」を骨抜きにせよと求める財界の要求に応える改悪法の正体がはっきりしました。

 改悪法は与党が野党の反対を押し切って可決・成立させましたが、労働組合、弁護士、学者など幅広い運動と国会論戦に押されて、39項目にのぼる異 例の付帯決議が参院厚生労働委員会で可決されました。派遣会社が「信じられない決議」というほど労働者保護に使える内容も多く、省令や指針となって行政指 導にも使われ、悪法実施を許さないたたかいにつながるものです。


戦争法・農協「改革」…公聴会を無視

国民の声聞かぬ安倍政権

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(写真)横浜市で開かれた参院安保法制特別委員会の地方公聴会=16日、横浜市港北区

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(写真)参院農林水産委員会が開いた地方公聴会=8月6日、富山市

 国会では、重要法案を審議する場合などに、広く国民の意見を反映させる必要があることから公聴会や参考人質疑が行われます。通常国会で安倍政権と与党は、こうした場で表明された多くの国民の声を無視し、有無を言わさず法案を成立させました。

 象徴的なのは、戦争法案を審議した参院安保法制特別委員会です。9月15日に中央公聴会、16日に横浜市で地方公聴会を開きながら、与党はそれを 受けた質疑もしないまま17日に暴力的に採決しました。横浜市の地方公聴会では公述人から「(公聴会は)単なるセレモニーか」との声が上がりましたが、そ の直後の委員会では同公聴会の記録を残す手続きもされませんでした。前例のないことです。

 こうしたやり方は、戦争法だけにとどまりませんでした。安倍晋三首相が施政方針演説(2月12日)で「改革断行」の冒頭にあげた農協「改革」の法 案をめぐり、6月に石川県と山梨県で開かれた衆院農林水産委員会の地方公聴会。安倍首相が「JA全中が単協の自由な活動を阻んでいる」と述べてきたことに 対し「そんな実態はない」との意見が出るなど、与党推薦の公述人含め批判が噴出しました。

 参院農水委員会の富山県での地方公聴会でも、政府が狙う准組合員(農業者以外)のJA利用制限に対して「地域経済に大きな影響を及ぼす」など不安 や疑問の声が相次ぎ、与党議員から「法案は現場の実態からずれている」との声も上がるほどでした。しかし、安倍政権、与党はその声にも背を向けました。

 8月28日の参院本会議で農協「改革」法案への反対討論に立った日本共産党の紙智子議員は「地方公聴会で出された意見は、不信感、疑問、不安ばか りで賛同する意見は出ませんでした。私は2001年から農水委員会に所属していますが、これほど賛成論が出ない法案は初めてだ」と、国民と現場の声を無視 する安倍政権、与党を痛烈に批判しました。

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「1ベルト、1ロード」の範囲がどれほど大きいかを見てみよう。

2015-09-28 | 人民網日本語版

 

潘基文事務総長「習近平主席の国連演説を熱烈歓迎」

 

人民網日本語版 2015年09月25日11:02
 

 

潘基文事務総長「習近平主席の国連演説を熱烈歓迎」
 

 

 「習近平国家主席による国連開発サミットへの出席、国連総会の一般討論演説での演説を私は熱烈に歓迎する」。国連の潘基文事務総長はこのほどニューヨークの国連本部で記者の取材に、習主席訪問への大きな期待を表明した。人民日報が伝えた。

 

 潘事務総長は「中国は国連安保理常任理事国として、国際平和・安全維持の面で重要な役割を発揮してきた。われわれは中国が一貫して他の国連加盟国と共に努力して、この重要な役割を引き続き発揮することを希望する」と述べた。

 

 潘事務総長はまた「中国は第13次五カ年計画綱要をまとめている。今月下旬に採択される国連の持続可能な開発目標を中国が自国の具体的な計画に盛り込む ことを希望する。国連は引き続き中国の政府と国民と共に、持続可能な開発の目標の実現のために積極的に貢献することを望んでいる」と述べた。

 

 中国の提唱する「1ベルト、1ロード」やアジアインフラ投資銀行については高く評価し、成功を心から祈る考えを表明。「国連はできる限りのことを尽く し、中国政府と緊密に協力して、『1ベルト、1ロード』とアジアインフラ投資銀行をしっかりと実現させる」と述べた。(編集NA)

 

 「人民網日本語版」2015年9月25日



CCTV、「1ベルト、1ロード」の「版図」を発表

人民網日本語版 2015年04月16日11:22
 

習近平国家主席(中共中央総書記)が2013年に「1ベルト、1ロード(シルクロー ド経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構想を発表して以来、中国と沿線国が進めてきた一連の実務協力がすでに実を結び始めている。2015年3月 28日、国家発展改革委員会、外交部(外務省)、商務部(商務省)は共同で「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの共同建設を推進するビ ジョンと行動」を発表し、「1ベルト、1ロード」が全面的な推進段階に入ったことを表明した。

中国中央テレビ局(CCTV)のニュース番組・新聞聯播で今週から、「1ベルト、1ロード 共に繁栄を目指す」と題する特別番組が放送されている。第1回の放送では、「1ベルト、1ロード」の「版図」が発表され、「21世紀海上シルクロード」の うち、南中国海と南太平洋を結ぶ南ルートが初めて地図に表示された。このルートは公式文書の内容とも一致しているが、これまでメディアが作成した地図の中 には描かれてこなかった。

「1ベルト、1ロード」の範囲がどれほど大きいかを見てみよう。まず「1ベルト」とは「シルクロード経済ベルト」を指す。中国から出発する3つの陸上ルー トからなり、1本目は、中央アジア、ロシアを通って欧州に至る。2本目は中央アジア、西アジア、ペルシャ湾を通って地中海に至る。3本目は東南アジア、南 アジアを通ってインド洋に至る。次に、「1ロード」とは「21世紀海上シルクロード」を指し、中国の沿海地域の港から出発する2つの海上ルートからなる。 1本目は、南中国海、インド洋を通って欧州に至る。2本目は南中国海を通って南太平洋に至る。

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アジアの民衆が「日本人はみな同じ」だと思っている時、日本の民衆はアジアの平和のために戦っていた。

2015-09-28 | 韓国ハンギョレ新聞

[ルポ]韓国の市民運動家が見た日本の安保法案反対デモの記録

登録 : 2015.09.27 16:20

 

9月14日に国会議事堂前で開かれ集会でSEALDsメンバーの20代女性が拡声 器を持ってスローガンを叫んでいる。安保法案反対デモが行われた場所には、20代の若者たちが叫ぶヒップホップ風のスローガンを大人が真似して叫ぶ姿が話 題になった=Rei Shiva提供//ハンギョレ新聞社

 安倍晋三首相と自民党が平和憲法を無力化する法案を通過させた19日、アジアに激 震が走りました。多くのアジア人が、日本が再び軍国主義の道を歩むのではないかと、懸念しています。ところが、この日、日本の多くの国民にも衝撃を与えた ことをご存知ですか?韓国の市民活動家が日本で数カ月間に亘り行われた市民たち抵抗を目撃し、文章を送ってきました。2008年のキャンドル世代が登場し た韓国社会のように、日本の社会にも新しい波が広がっていそうです。

 

 第二次世界大戦後、日本と東アジアの平和を支えてきたのは、平和憲法(日本国憲法第2章9条で戦争のためのいかなる戦力も保持せず、交戦権も認めないと 宣言した条項)だった。しかし、先週、平和憲法の基盤を根底から覆す法案が、結局国会を通過してしまった。17日、日本が集団的自衛権を行使できるように する「安保法案」が参議院特別委員会(以下、特別委員会)で可決されたのに続き、19日には、本会議を通過した。これにより、安倍晋三首相が進めた安保法 案は、4カ月間の議論の末、国会審議を通過して最終的に成立した。今年初めまでは安保法案が日本社会の大きな争点にならなかったことを考えると、まさに速 戦即決の処理だった。安倍首相の宿願である「普通の国」、「戦争ができる国」に向けて、日本は大きな一歩を踏み出した。

 

 二つの抵抗があった。ほとんどのマスコミは、国会の中で対立する与野党に焦点を当てることに奔走したが、国会の外でも意味のある抵抗が見られた。場外の 抵抗を率いたのは日本の市民社会団体だったが、実際の主人公は団体ではなく、市民たちの方だった。抵抗が芽生えた5月と抵抗が本格化した7月、安全保障法 案が通過した今月19日まで、国会の前でその抵抗を目撃した。マスコミはあまり報じなかった日本の市民たちの生の抵抗の断面を伝えたいという思いで、この 文章を書く。アジアの民衆が「日本人はみな同じ」だと思っている時、日本の民衆はアジアの平和のために戦っていた。

 

■産経新聞のデモ参加人数を計算する方法

 

 5月3日に開かれた憲法関連の集会(日本の「憲法の日」を記念した集会)までは、何の変哲もない抵抗に見えた。「戦争をさせない1000人委員会」、 「解釈に憲法9条を壊すな!実行委員会」、「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」という思想的背景が異なる3団体が、戦後初めて 連携して「総がかり行動実行委員会」を結成したことが少し新鮮に映る程度だった。集会参加者はほとんど60代以上だったし、いつもの顔ぶれが集まるような 雰囲気だった。

 

 ところが、6月初めから雰囲気が少しずつ変わった。6月3日、憲法学者166人が「安保法案の廃案」を求める声明を発表した。翌日の4日には衆院憲法審 査会に出席した憲法学者3人が口を揃えて安倍首相の安全保障法案が「違憲」と答えた。その中には自民党が推薦した学者もいた。すると、まったく新しい部類 が集会場を訪れ始めた。

 

 日本の母親たちが動き出した。7月5日、3人の子供の母親であり、大学院生のネチズンが、フェイスブックに「安保関連法案に反対するママの会」(以下、 ママ会)というページを作った。開設してから9日目の7月13日まで、3700人が「いいね」を押した。「ママの会」は、「戦争に送りだすために子供を育 てているわけではない。だれの子どもころさせない」と主張し、地域別に自主的な会を発足させた。

 

 母親たちに続いて学界が動き出した。憲法学者を中心に7月に「立憲デモクラシーの会」が発足し、大学教授を中心に「安全保障関連法案に反対する学者の 会」が発足した。 毎日新聞が8月23日報道した内容によると、「安全保障関連法案に反対する学者の会」が集計した結果、所属教授と学生が安全保障法案に反対の意思を表明し た大学が8月22日基準で約90校に達したという。

 

 憲法学者がなぜ安全保障法案が違憲なのかを説明し、大学教授が民主主義とは何なのかを改めて諭したことで、学生たちも立ち上がった。学生運動団体である SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)がその中心に立っていた。若い学生たちは、大人の前で果敢にもヒップホップのリズムに合わせてスロー ガンを叫んでいた。ベビーカーを押していたママたちもヒップホップ風のスローガンを楽しんでいた。誰もが知っている有名な芸能人も集会に出て「戦争反対」 を叫んだ。

 

 これは日本では非常に新しい風景だった。3年前から日本に住んでおり、日本の市民運動を観察して、様々なテーマの集会にも参加したが、このような姿は見 たことがなかった。以前は主に集会の発言者が男であり、2時間の集会のうち1時間30分は著名人の演説だった。しかし、(その風景が)変わった。具体的に は下記のように、私の頭の中に記録されている。

 

 シーン1: 2015年8月30日午後

 

 総がかり行動実行委員会は8月30日、「10万人国会包囲行動と全国100万人大行動」という目標を掲げて、大規模な集会を開いた。午後2時から開始する集会にもかかわらず、午前11時から多くの人々が国会前に集まり始めた。

 

 ある子供が自分の体ほどの大きさのスケッチブックに「子供を守ろう」とクレヨンで書いたプラカードを首にかけていた。続いてデートの場所として集会場を 選んだような男女のカップル、「憲法9条を守ろう」と書いたプラカードを持ってきた中年夫婦、透明のビニール傘の上に「安保法案反対」という文字を付けて きた高齢の男性、「戦争法案反対」旗を自転車につけて、国会周辺を回り続ける人々、雨の中でもベビーカーをおして子供と一緒に出てきた母親たちが国会前を 埋め尽くした。

 

 以前は見られなかったデモ風景に、翌日、日本のマスコミは大騒ぎになった。ほとんど新聞社が朝刊の1面に、この日のデモの現場の記事を載せた。1960 年安保闘争(1960年米国主導の冷戦に加担する日米相互防衛条約の改正に反対して起きた大規模な運動として、日本の民衆運動史の最盛期と評価される)の ときの様子と2015年8月30日を比較した記事を載せた新聞も少なくなかった。参加者数は主催側の推算では12万人、警察の推算では3万3千人だった。 東日本大震災後に行われた2012年9月23日の「さようなら原発1000万人アクション」で20万人が集まって以来、最大規模の集会が開かれたのであ る。

 

 興味深かったのは、日本の保守新聞も韓国のように集会の参加者数に疑問視する報道を行う姿だった。保守性向の産経新聞は8月30日付の記事で「安保法案 反対デモ、本当の参加者数を本社が計算」というタイトルで「正門前で警備に当たっていた警察車両の前に機動隊員が15人立っていた航空撮影写真を基準にし て3万2400人になる」という内容を報じた。

 

 8月30日に国会前の10万人のデモ隊が集まったことで、これまでなかった車両の壁が国会前に登場した。参議院の審議を中継しなかったNHK放送局には抗議が殺到した。結局NHKは9月、正規放送を中断して、参議院特別委員会審議会の中継放送を行わざるを得なかった。

 

 1960年以後、静かだった日本の街
 安倍首相の「安保法案」の通過に対抗
 市民たち、国会前で長期間の戦い
 「全共闘世代」だらけだった集会が
 若者のヒップホップ風のスローガンに覆われた

 連休には鎮静化するとの予想を
 23日、2万5千人が出て覆した
 40~50代、学生団体のSEALDSにちなんで
 「ミドルス」を作り抵抗を続ける
 変わった社会の雰囲気、今後も続くか

 

■人気のない野党に向かって「頑張れ」

 

 シーン2:2015年9月17日の夕方

 

 「皆さん、用意はいいですか?」。ヒップホップのリズムに合わせて人々がそれぞれ両手にプラカードとサイリウムを持って振り始めた。愛らしいデート服に 身を包んだ女子学生と野球帽をかぶって髭をはやした男子学生2人が舞台の上に上がってきた。安保法案デモで最も注目されたSEALDSの登場だった。人々 は国会議事堂を見つめながら叫び始めた。

 

 「民主主義って何だ?」

 

 「これだ。ここに私たちが集まったこと。民主主義って、私たちが戦って勝ち取るもの」

 

 「民主主義がどうやって生まれた?」

 

 「民主主義はこうやって生まれる」

 

 「野党頑張れ!」

 

 「安倍辞めろ!」

 

 最も印象深かったスローガンは「野党頑張れ」というコールだった。韓国で第1野党がその影響力に比べて市民社会であまり人気がないように、日本の民主党 と共産党も、ここではあまり人気がない。しかし、今、市民たちは自発的に野党を応援していた。その時刻、国会では野党議員たちが法案阻止のために首相をは じめ、防衛成長、参議院議長などに対する問責決議案を提出し、その理由を説明しながら、可能な限り時間を稼いでいたからだ。

 

 集会の途中、参議院や衆議院の野党議員たちがデモ隊を訪ねて国会内の状況を伝えた。「皆さんの声が国会議事堂でも聞こえる」と言われたデモ隊の声はさら に大きくなった。デモ隊の周辺で“カフェ”を開いて無料ドリンクを配ってくれた人たち、小型の移動式発電機を持ってきて、スマートフォンやタブレットPC を充電できるようにした“発電所の人々”の声もより一層大きくなった。

 

 シーン3:2015年9月19日午前2時18分

 

 9月19日午前0時を過ぎて再開された審議会に耳目が注がれた。議員たちの投票が始まり、国会前の人々は結果を待っていた。中央ステージでタブレット PCを通じて刻々と伝わるニュースに耳を傾けていた。そしてしばらくして、「戦争反対、絶対反対」を叫んでいたスローガンが「採択撤回」に変わった。安保 法案が参議院本会議を通過したのだ。続いて出てきたスローガンは「選挙に行こう」だった。日本の民衆が「政治は生活であり、継続が力となる」ことに気づか された瞬間だった。

 

 「強調しておきたいことがあります。それは私たちを含め、これまで政治的無関心といわれてきた若い世代が動き始めているということです。これは誰かに言 われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。私たちはこの国の民主主義のあり方について、この国の未 来について、主体的に一人ひとり個人として考え、立ち上がっていったものです」。15日に開かれた参議院特別委員会中央公聴会に出席したSEALDsの奥 田愛基氏(23、明治学院大学4年生)の発言の一部だ。

 

 SEALDsが社会的に注目されたことで、日本の地上波放送であるテレビ朝日のバラエティ番組が「シールズを解剖する」というテーマで番組(『ビートた けしのTVタックル』)を放送した。その番組は大きく分けて3つのテーマで構成された。(1)出会い目的で集会に参加するのでは?(2)裏で財政支援する 特定の政党や団体があるのでは?(3)今後、自分の進路に有利だから参加するのでは(国会議員出馬など)?同番組はSEALDsに参加した大学生たちをイ ンタビューして、彼らの正体を把握しようとするものだった。

 

 SEALDsのメンバーが最も不快感を隠さなかったのは、1番目の質問だった。一言で言えばそのような目的なら、クラブや他の所に行けばいいため、あえ てデモしには来ないということだった。もちろん、2番目と3番目の質問についても、上記した奥田愛基氏の発言に既に答えがある。このような荒唐無稽な番組 が作られたことは、若者の政治的な発言や行動に日本社会がいかに驚いたのかを裏付けているかも知れない。実際、集会に出た私の周りの20代の若い友人たち は、「原宿や渋谷にいるような同年代の友人が今スローガンを叫んだりするのはもう珍しくない」と言ったり、「思ったより面白い」、「新鮮だ」などの意見を 示した。

 

 

今月19日未明、東京の国会議事堂前のデモ隊が持って出てきたハート形の日の丸=東京/ホ・ジェヒョン記者//ハンギョレ新聞社

■「デモは怖いもの?もはや日常」

 

 1960年安保闘争以降、日本社会で“デモ”は怖いものであり、特定の人たちが行うものだった。もはやそうではない。もうデモは日本社会で珍しいもので はなく、日常となっている。政治が自分の生活といかに密接な関係があるのか気づく契機になったと発言する20代の若者たちも少なくない。

 

 SEALDsは19日未明、安保法案が通過した直後、(法案に賛成した議員たちに対する)「落選運動を行う」と発表した。同日、憲法学者など約100人 で原告団が構成され、「憲法9条に違反した」として、今後国を相手に集団訴訟を提起することを明らかにした。そして170人の様々な分野の研究者と学者が 「憲法9条の下で持続してきた平和主義を捨て去る暴挙」だとする声明を発表した。

 

 9月19日から23日まで、日本ではいわゆる「シルバーウィーク」と呼ばれる大型連休があった。政府関係者と与党は、公の場で連休が始まったら、人々が 安全保障法案を忘れてしまうと発言した。与党が未明に法案通過を強行した背景には、そのような認識も少なくなかったというのが大方の意見だった。

 

 連休の最終日の23日、2万5千人の市民が再び安全保障法の撤回を求めて、東京代々木公園に集まった。同日、マスコミが発表した世論調査では、第2次安 倍内閣が任期中で最も低い支持率を記録したことが明らかになった。そしてまだ80%以上の国民は、「安全保障法に対する説明が尽くされていない」と答え た。

 

 もちろん、今の抵抗の雰囲気が来年7月の参議院選挙まで続くかどうかについては、疑問視する声も少なくない。しかし、SEALDsの活動に刺激を受け、 40~50代がミドルス(MIDDLEs)というネットワークを作り、安全保障法案に反対した研究者や憲法学者、母親たちは今「法案」ではなく「法」と なった安全保障法制に引き続き反対するという意志を表明して、団体名から「案」を抜いてそのまま活動を維持する方針を示した。

 

 近い将来に10万人が集まるデモを再び目の当たりにするのは難しいかもしれないが、少なくとも「デモがもはや珍しいものはなく、日常生活」という社会の雰囲気が作られた今、日本社会が新しい時代を開いていることだけは間違いないようだ。

 

東京/ホ・ミソン・ピースボート活動家 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

 

韓国語原文入力: 2015-09-25 19:49

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/710548.html 訳H.J

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