2015年9月14日
翁長雄志知事は14日午前10時、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画について、前知事による埋め立て承認の取 り消しを表明する。政府は辺野古新基地建設に関して、2013年12月に仲井真弘多前知事から承認を得たことを理由に作業を行っており、取り消しでその法的根拠が失われる。県は最初の手続きとして沖縄防衛局の反論を聞く意見聴取を予定しており、実際の取り消しは1カ月程度先になる見通し。翁長知事は昨年の 知事選以降、埋め立て承認の取り消しや撤回などに言及して新基地建設を阻止すると表明しており、これまでで最大の行政権限行使となる。
沖縄知事、14日の会見で承認取り消し表明へ
読売新聞 9月13日(日)20時41分配信
沖縄県の翁長(おなが)雄志(たけし)知事は14日午前10時から県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となっている名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消す考えを表明する。
県が13日、会見の日程を発表した。
政府は移設問題を巡り、9日まで県と1か月間の集中協議期間中、全ての移設作業を中断。しかし、協議は決裂し、12日から作業を再開させた。
翁長氏は12日、「あらゆる手法を駆使し、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む」とするコメントを発表し、対決姿勢を強めていた。
翁長知事、承認取り消しへ
辺野古埋め立て阻止へ決断
政府は作業再開を強行
しんぶん赤旗
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設へ12日、政府・沖縄防衛局が作業を約1カ月ぶりに強行再開しました。これに先立つ11日夜、翁長雄志(お ながたけし)知事は、仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事による埋め立て承認の取り消しの判断について「私の腹は固まっている。今、細部にわたって調整 をしている。週明けにも報告したい」と述べ、14日にも、取り消しを表明する意向を明らかにしました。

(写真)翁長雄志知事
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表明後、沖縄防衛局の反論を聞く「聴聞(ちょうもん)」の手続きを経て、約1カ月後の10月に承認を取り消す見通しです。
政府は県が取り消しに踏み切れば、行政不服審査法に基づく審査請求などで対抗するとみられています。
作業再開に、米軍キャンプ・シュワブゲート前には約200人が詰めかけ、「埋め立て絶対反対!」「ジュゴンの棲(す)む海を守ろう!」と強く抗議しました。
翁長知事は同日午後、「臨時制限区域での立ち入り調査が終了した直後に作業を再開したことは大変遺憾だ」とのコメントを発表。名護市の稲嶺進市長も、市内で記者団に「これまで以上に県民の新基地阻止に向けた海上やゲート前での行動は強くなるだろう」と述べました。
新基地建設作業は、政府と県との集中協議を受け8月10日から1カ月間中断していましたが、協議決裂を受け、政府は強硬手段に踏み切りました。
沖縄防衛局は、早朝から作業船を繰り出し、海底ボーリング(掘削)調査のための臨時制限区域を示すフロート(浮具)の再設置作業を行いました。
沖縄市から来た女性(70)は「安倍政権は沖縄を植民地とでも思っているのか」と怒り、「県民はぜったいに負けない。この美しい島を守るために、翁長知事は県民の誇りと尊厳にかけて、新基地ノーの強い意志を示すために埋め立て承認を取り消してほしい」と語りました。