市長は、市民を守ることが出来なかった。
京都府と市長がやっていることは、「条例遵守」の態度ではありません
平成19年度一般会計補正予算(専決処分)に対する反対討論 おおはし
通常国会が閉幕しました。
約半年間にわたる国会で、「日本共産党国会議員団は『攻め』の論戦」をやりぬき、豊かな成果をあげることができました。
第一は、今度の国会ほど、党議員団の論戦に、多くの国民から共感、激励が寄せられ、響き合った国会はなかったと言うことです。インターネットでも反響を呼び、少なくないメディアが、わが党の国会論戦に注目を寄せました。ある新聞は「国会論戦の敢闘賞」に後期高齢者医療の論戦をあげました。
わが党の民主的改革が、広い国民の痛切な願いと一致し、文字どおり国民的課題になっていることを示すものとなりました。
第二は、党の論戦が国民運動と結びつき、現実の政治を前に動かしたことです。
厚生労働相が日雇い派遣の禁止を言い出さざるをえなくなった労働者派遣法の改正問題をはじめ、道路特定財源、医師不足などの問題で、国民の運動と連携して成果を上げることが出来ました。後期高齢者医療制度の問題では、次の臨時国会で廃止法案を必ず成立させようと呼びかけました。
第三は、「攻め」の論戦と一体に、国会運営で議会制民主主義を守る役割を発揮したことです。
与党は「三分の二の再議決ありき」で、数の力で悪法をゴリ押しする一方、民主党にも、参院での数の力に頼った審議拒否や強行採決という弱点がみられました。
日本共産党は、相手がだれであれ、数の横暴に反対し、国会論戦によって自公政権を追い詰める立場を堅持してたたかいぬき、国民の暮らし、民主主義、平和な日本を、みなさんと一緒に築きあげましょうというの立場で、次のたたかいにのぞむことを呼びかけました。
次ぎに、差し迫ってきた重要課題として、消費税増税を許さない国民的たたかいがひつようです。
福田康夫首相が十七日、消費税増税に向け「決断のときだ」と述べたことについて、「きわめて重大な発言だ」と批判し、増税を許さない世論と運動を一気に広げなければなりません。
このような政治情勢の下で 向日市も最終本会議を迎えています。
さて、議案第31号 平成19年度補正予算は、決算に見合うものであり、次の9月議会で詳しく討議されます。
そこで19年度当初予算が提出されたとき、日本共産党議員団は、2つの理由で反対しましたが、この1年間の結果はどうだったのかを振り返って、反対討論します
反対の 第一の理由は、市長が、国や京都府の行う行政の中で、市民の暮らしの向上に役立たないものに、筋をとうして抵抗出来ず 市民を守ることが出来なかったからであります。
第二は、市長が市民の暮らしを守る政治を行うという、本来の職務が十分果たし切れていないと言う二点であります。
第一点目の具体的な問題として申し上げたいのは 平成19年3月議会議事録236頁で述べておりますように
1,国民保護条例では、いざというときに市民の命や暮らしを守れないと言うことです。
特に核に対する対応は、広島県議会であまりにも「核」に対する認識不足、過小評価、非現実的対応であり、その部分を削除されたことをご紹介しましたが、市長の認識とその対応は、条例の内容で市民が守れるというものでありました。よく読めば日本人であれば誰でも条例通り実施できないとわかるものであります。よって、この条例は認められないということです。ぜひ再度議事録をご参照ください。そうしてこの条例は廃止提案してください。
昨年3月申し上げなかったことを少し申しあげます。
政府はアメリカの言いなりになって、国民保護法と、市町村に国民保護条例を強引につくらせました。それが必要だと言う根拠として宣伝されているのは「北朝鮮脅威論」であります。核・拉致・テポドン・麻薬・偽札等々疑心暗鬼を振りまく内容であり、北朝鮮がいつ日本に攻めてくるかわからないというものです。しかしこの宣伝は日本国民の心をつかむことはできませんでした。
なぜなら、この間に国民の中で進んだ情勢の変化は、憲法守れ、憲法9条守れと言う運動の広がりでした。世論調査でも9条守れは多数派となりました。
6月29日には、有馬頼底(臨済宗相国寺派館長)・金閣、銀閣寺の館長さん、
・安斉育郎(立命館平和ミュ-ジアム館長)・向日市主催の講演会にも来られました。
・茂山千之丞(狂言役者)この方も向日市主催の成人式にも来られました。
・瀬戸内寂聴(作家)みなさんよくご存知の方です。鶴見俊輔氏(哲学者)ら67氏の呼びかけで、「憲法9条京都の会」が結成されます。問い合わせ先は、日本バブテスト協会内、231-4327となっています。まさに全ての階層を網羅した呼びかけ人です。
さらに、世界に目を向けても、「国民保護計画」のような計画をつくって、戦争の準備に国民総動員をしようと考えている国は殆どありません。ラテンアメリカでもアジアでもヨーロッパでも、日本国憲法第9条と同じ方向の恒久平和の精神で国造りが進められています。
わが国周辺で大問題なのは日本と北朝鮮の間では第2次世界大戦後の「戦後処理」が出来ていないと言うことです。またアメリカ・ロシアを含む朝鮮戦争の「休戦後の処理」が出来ていないことです。「国交正常化・往来の自由」が、両国民の疑心暗鬼をなくし多くの懸案事項を解決していく最良の方法だから、それらの包括的解決がめざされているのであります。
現在は、昔と違いマスコミと通信手段が発達し、国際協力も進んでいます。だからこれらの問題は、北東アジアの中の一つの問題として、中国・アメリカ・ロシア・韓国・北朝鮮、そして日本と「六カ国協議」の場で解決の方向が話し合われています。
日本政府としてもこの「六カ国協議」の場で日朝の国交回復と平和条約締結と朝鮮戦争終結の問題を解決することが、アジアの平和と世界平和に貢献する道です。
国民保護条例の中の核兵器への対応では、その通り実行しても市民の命と暮らしは守れないので撤回することを再度求めるものだあります。また、この条例の内容が実施されないためにも平和行政の一層の推進を強く要求するものであります。
第2は、京都府の言いなりでは市民の暮らしは守れなかったと言うことです。
特徴的なことを2点だけ申し上げておきます。
その1点目は、市民の暮らしを守る上で水道料金の値下げは緊急課題です。そのため府営水道の基本水量を減量申請すべきです。京都府条例に基づき、毎年良く吟味して使用水量に近い水量をその年度の「基本水量」として申請し、府と協議して決定すべきであります。それが水道料金を引き下げることが出来る最良の方法であります。
京都府と市長がやっていることは、「条例遵守」の態度ではありません。
市長は、12289人の「基本水量を減らし、水道料金引き下げ」の願いに答えるべきであります。
私は、水道事業の健全化と料金値下げのために、基本水量が重大なネックとなっている問題について少し歴史を遡って申し上げておきたいと思うのです。
この問題の根本には、国策として、水需要の過大予測に基づく水資源開発・ダムの水への転換=遠くて高い水が自治体に押しつけられたことにあると思うのです。
全国的には、1961年「水資源開発促進法」が制定され「水資源開発基本計画」=フルプランで全国にダム建設計画が作られ、ひき続き1978年「長期水需要計画」1987年「全国総合水資源計画=ウオ-タ-プラン2000」が策定され、合計430億立方メートルという過大な水需要予測に基づく巨大開発計画が全国で促進されました。この大規模開発事業を始動する段階で、各市町村は、企業団や都道府県水からの受水量を契約させられました。現在もなお、使おうと使うまいと、たとえ余ろうと否応なしに契約水量どおりに料金を納めさせられ、市町村の水道財政圧迫の主要な要因になっています。おまけに料金体系は「基本料金」と「使用料金」に分けられ神奈川水道企業団の場合、基本料金単価は、使用料金の約10倍になっています。使おうと使うまいと、高い負担を強いる仕組みが出発当初から作られていたのです。この鎖からどう抜け出すか? 大山崎町が京都府を相手に訴訟を起こされたのは、いつまで経っても条例を守らず、長年経過して大きなひずみとなった問題を解決しようとしない府の行政姿勢を、府条例に基づいて改めさせようとするもので、向日市においても、関心を持たねばならない問題だと思うのであります。
その2点目は、同和行政であります。
京都市は大変な問題を起こしていますが、府もよくにています。
解放同盟山城地区連絡協議会に補助金を出すためだけに、山城地区市町村連絡協議会という組織を作らせ、長年にわたってこの運動団体に対して膨大な負担金や補助金を払い続けさせてきたのです。
しかし、1987年地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が全国的に目的を達成したとして廃止され一般行政で措置することになり、全国的には特別扱いがやめられました。
解放同盟山城地区連絡協議会(山連)も大きな批判を受けてやめざるを得なくなったのです。本来なら昨年度で解散し残金を市町村に返還することで、今までと同じやり方の活動は、終わりにすべきものであったのです。
そうして向日市としても法律違反のトンネル負担金と補助金は取りやめるべきなのです。
ところが打ち切るどころか、平成20年4月24日に、市の補助金を受けている商工会や、自治体への入札企業も加えて仮称「山城人権ネットワーク推進協議会」という新しい団体を作らせたのであります。本団体の設立準備会は平成20年4月24日です。
この新しい団体はまだ何も実績がないにもかかわらず、出来る一カ月も前に負担金が決められると言うあり得ない扱いが取られているのです。
向日市も85万円負担金を出すというのです。運動団体の人件費まで組まれています。
向日市の予算書のどこを探しても、仮称山城人権ネットワーク協議会への負担金などありません。なぜこんなことが出来るのか、そこを詳しく説明せよと一般質問しても何も的確な答えをしないのであります。
いや出来ないことを、やるのですから、説明のしようがないのであります。その支出は不執行とすべきであります。委員会の説明では、昨年までと何ら変わっていない団体なので、負担金を出すというのです、法律上、続けられないのでやめたわけですから「同じ内容だ」との説明なら絶対支出してはなりません。
京都府は、指導機関の役割を果たさず、是認しており、知事も市長も法律に基づいて行政を執行すべきであります。
反対の第二は市長が進める、市民の暮らしを守る政治が大変不十分であると共に、やってもらっては困ることが多くあるからであります。「財政健全化計画アクションプラン」の強行実施では市民を守れないと言うことです。
①、いま市民生活の実態は、ガソリンの高騰、後期高齢者医療制度の実施、国保・介護料の値上げや、制度の改悪、等々で大変追いつめられてきています。がその実態を直視せず42億円のJR橋上化工事優先、「区画整理」促進よりも子供達の命を守る耐震化工事こそ緊急課題であります。
今の時期に大企業や鉄道関連企業に仕事をまわすよりも、耐震関連の制度をフルに活用し、向日市に税金を払われる企業に発注すべきであります。
今の時期に下水道料金をはじめ公共料金の値上げは認められません。
②、保育所の民営化や引き続く料金値上げは、認められません、まだ審議会が発足していないのに、そこに諮問する市長が、「民営化」を発言するのは審議会と議会制民主主義を軽視する態度は認められません。
子供の命を守るために、市が責任を持って保育所を運営すべきであります。
③、学童保育所への対応は大変不十分であります。市が責任を持って、学校と同じように耐震調査と耐震工事の整備計画を立て、市として子供の放課後の生活を守るべきであります。
④、学校給食の民間委託は相応しくないと言い続けてきましたが、向日市公文書公開によりますと、4月9日(水)午前10時10分ごろ、向陽小学校北校門より西側フェンス プール北で、民間委託業者の責任者が自殺した日の経過が報告されています。
市は話題にすることすらタブー視していますが、この考えは根本的にまちがっています。民間委託はその部分だけを委托しただけで、その事業の全ては市が責任を持つと言うことで始まった事業であります。
死にたいと思うぐらい大きな問題を抱えて仕事をしていたのですから 原因を明らかにし対策を立て二度と掛かる事態が起こらないように責任を持って業者を指導すべきであります。民間委託というのは、死亡しても、委託先の出来事としてすまされてしまうという、人道上の問題を切り捨てる無責任な制度だと言うことであります。考え直して頂きたいののです。とりあえず今後の契約書に、最低の人数、正社員数、各種報告内容・勤務状況などをきちっと書き込むようにすることを要求するものです。
⑤、は、養護学校卒業生の進路については、府教委に任すのではなく、市として保護者の意見も十分取り入れ、生活・進路指導を徹底していただきたいのであります。
⑥、市民検診の有料化で検診を受ける市民が大幅に減りました。健康都市宣言市に相応しく補助を復活し市民検診は無料にすべきであります。
⑦、本予算は、時間外手当の増額補正が多く組まれています。市職員を増やし労働強化で問題とならないよう求めるものであります。
その他各常任委員会で討論したとうりであります。さらに9月議会、決算時にもっと詳しく討論します。
地方自治法の制約から、採決にあたっては「反対」といたします。