裁量

国葬話題承前。反対する者がいれば賛同する者もいるわけです、産経新聞です。今朝の朝刊で訴えてます、国葬反対には根拠が乏しい、行政権の乱用には当たらず、と見出しです。国葬の要件などは法律に定められておらず政府の閣議決定で事足りるそうです。国の儀式という項目があって準拠するならこれだそうで、戦没者慰霊祭等はこれを基にして執り行われているそうです。国費公費出費の根拠です。今次もこれで十分だという意見、さらには法律家の意見も添えられてます。行政権とはかなりの裁量を認められており、よほどの不都合がなければ許されるものだと。法律の網とはこういうものではあるのです、余程の逸脱がなければ、少々の迷惑であれば許されるのは我々も知っているところです。でもそうと知って悪さしていると天の神様は見ているぞと戒められます、天網恢恢疎にして漏らさずと。産経新聞や保守系の月刊誌は安倍礼賛です、モリカケ桜には触れません。統一教会とのズブズブさも見て見ぬふりです。甲論乙駁でいいのですが、レモンちゃん（なんて言うにはあまりに山姥化してしまった落合恵子）が反対集会でアジってる映像見ました。かたやでは外国要人たちの国葬参加が伝えられて既成事実化していきます。いまさら中止できない。でしょうねぇ。　

　立憲党の幹事長にジャスコ岡田さんという記事見ました。ああ？あの岡田さん？写真は確かにあの人でした。ルーピー、イラ菅、小沢と組んで要職に就いてた人です。何々？どうしたんだ？確かにサプライズです、それだけ狙ってるの？亡き安倍さんの言ではないですが悪夢の民主党政治の再現ですか。人材に欠くんですねぇ余程のこと。山井さんとか誰々とか（顔は浮かぶのですが名前が出ません）官僚相手のヒアリングという吊し上げや国会の場でのネチネチほじくりが得意なのは大勢いますが、こういう時の人材に大きく欠く。選ぶに事欠いて岡田さんだ？笑い話ですねぇこりゃ。

手立

安倍さんの国葬に反対する訴訟が全国あちこちで起こされているとの報道です。公費を使って全国の首長たちが参列するのがいけないというのが理由で、安倍さんが国葬に値しないという訴訟ではないのが実は肝ですか。東京での集会の模様が流れてました、落合恵子が叫んでました。看板プラカードには功罪相半ばすることを直截に書いてありますがそこは報道しません。多額の公費を使って国民に弔意を強制強要するな。これが第一の主張です。今朝の朝日新聞の一面トップには統一教会の票割りを安倍さんが操作して実際に選挙を降りた現職の実名報道が載ってます。この人のことは当初から取り沙汰されていたことですが、改めて大きく載せているのは新たな事実が判明したのでしょうか。安倍さんから今回はあなたには票を回せないと言われて立候補を取りやめたという生々しい話です。が、こういうことでしょうねぇ。これが派閥の領袖の力量であり、こういうことができるから子分が言うこと聞かねばならぬというわけです、生殺与奪を握る。統一教会には10万票ある、んだそうで、それを握ってるのが安倍さんならそりゃいうこと聞きますわね。10万票を保つためにはそれなりの見返りも要りましょうし。ズブズブ、なんでしょうが、それが選挙に勝つ手立てですから。

回収

五輪汚職（新聞表記も段々に直截的になっていきます）、あれこれ明かされていきます。スポンサー料にコンサルタント料。そう言えばTVも頻りに言うてましたね公式スポンサーがどうしたこうしたと。それにも格が数段あって、AOKIはなんでもその一番下のスポンサーでそれでも15億円供出するんだそうです。ああ？15億円？最上のスポンサーは一体いくら出してるの？と、まずはこういう驚きですが、寄付文化のない日本ですからいくらええかっこう言うても具体的な見返りがなければこんなに出さないでしょう。たしかトヨタとかもスポンサーでしたよね、日本を代表する大企業としてのそれこそ公式な態度と言うのか矜持、誇り、義務感、ドヤ感のあることはわかることですが、どういう見返りを計算してるんでしょうか。いや、具体的には何？AOKIはわかり易いですよ、ユニフォームの一括受注です、言い値で払ってくれましょう。5000万円やそこらで受注できれば安いことでしょう（額の高低ではなくて利益から見た相対的なことです）。昨日も書きましたが決定権者にすり寄る。決定権者は五輪委（の総意）なのでしょうが、声の大きい者に意見が通るに決まってます。額が大きいからへぇ～と感心するが先に来るのですが、やっていることは単純な贈収賄です。越後屋、お主も悪よのう。菓子折りの下には小判が並んでいるわけです。出した分は回収するぞ。原則は変わりません。金の匂いです。

収賄

五輪の舞台裏での業界のドン（なのでしょう）と大手アパレルメーカーとのユニフォーム受注をめぐる収賄事件、どちらも逮捕されてます。ここで今まで何度か書いてきたことですが、公共事業は大金が落ちます、公正公平を期すべく入札にて受注先が決まる、そしてそれを決める者がいるわけです。機械的に決まるのではありません、ＩＴ化されているのではありません。となると公正公平原則などはすぐに崩れます。形骸化します。どんな田舎の自治体の事業であれそういうことです。五輪という国家事業であれば予算が当初の二倍に膨らんだように金に糸目を付けぬものです、食いつけば大儲けです、こっちの言い値になります。だから決定権者に取り入る。あらゆる伝手を使って近づく。で、金まみれにする。敵さんもさるものでしょうから相当の覚悟と金が要りますが。国中、いや世界中どこにでもあるような話です。見なし公務員？連中は根っからの民間人ですから。

取下

都の（東京に限らず全国で出てましたが）時短命令で多大な損害を被ったとの民事の訴えを飲食店グループが起こして、東京地裁が時短命令は違法、しかし損害賠償要求は棄却という判決を出し、控訴していた原告が取り下げて判決確定したとの話題です。裁判所のよくやる手です。一票の格差訴訟でも格差のあるのは違法だが最近に行われた選挙は有効であるというあれ。個別の事情（感染対策の軽重）を勘案せずに一律に営業停止させるのは憲法違反だが、この処置は原告や他の飲食店の不利益を目的としたのではなくあくまで感染拡大防止対策だった点で都に過失はないとの判断だそうです。理屈とトリモチはどこにでもくっつく。理屈は後で貨車に乗ってやって来る。屁理屈ももちろんそうですが判決文においてもこの原則です。山の向こうからボケるなんて謂いもありますが、ええ？そっち？です。損害賠償が認められた日には全国自治体に「被害」が及ぶことになりますから都が控訴したことでしょうが、これも予定調和のうちなのでしょう。上告審まで進んでも結果は変わらないだろうとの読みでしょうし、そう促されたのでしょうな。早く五類に落としなさいな。こっちですよ！

反発

東北北海道は大雨に見舞われた盆になって、これは気の毒としか言いようのないことですがこればかりは誰に文句を言うわけにも行かず。二言目には地球温暖化だ、二酸化炭素だと悪者探しなのですが、問題は目の前の泥、使い物にならなくなった家具の山。デジャブーなんて暢気言うてる場合ではなくて毎年毎年どこかで繰り返される惨劇です。明日は来年は当地かもしれない。本当にそういう時代になりました。

　患者よ、がんと闘うな。この本は結構に衝撃的でした、持ってます、読みました。近藤誠さんです。慶応大学病院勤務の医師というクレジットもへぇ～と思わせたものです。そもそもトンガリ体質です、反体制系です、医療の本流に噛みつく態度にはシンパシーを感じる性質なのです、膝を打ちながら読んだこと覚えてます。この人はただ叫ぶだけではなくて多くの文献を引いてデータの比較で論を進める正統派でしたから、頷くことが多かったというか信頼置けることだったのです。民間療法系のトンデモ本ではなかった。だから本流からの反発反論も多かったのですが、この人はひるまずにそこに反論を返して。でも、メディアが注目して採り上げて行くにしたがって段々過激になっていったのも確かなことです。彼はぶれずに進んできたと言うのでしょうが、意地になってる感もありました。でもがんに対する本流医療に一石を投じた功績は大きいです。大御所達がそれこそ大真面目で反論してましたからね。心筋梗塞で急死されたとの記事でした。合掌。

 

盆明

新規感染者数が最高値を更新していきます。人が動けば人が集まれば空気感染（エアロゾル感染）する病気は一気に広がります。学者ならずとも頷くことです。久しぶりに会う家族親戚と当初は各人注意して話もしてましょうが酒が入って宴も進めば大声で大笑いとなるは必定です。家庭内感染を防ぐなんては素人には（医療従事者でも）無理です。学者はこうやれああやれと言うてますがそんなことできはしません。で、一家全員アウト。インフルエンザとまったく同じです。こんな田舎県（人口150万を切る）で2500人を越える感染者です。しかも殆どは軽症だ。だから五類に落とせと。全数把握しているからこういう数字も出るし、保健所は本当に火を噴いてます。と、現場の感覚です。現場とは開業医のことです、検査をして陽性陰性を判定して保健所に届けを書くだけの現場。治療する現場はまた別ものです、感染症法上の扱いが変わらない限り隔離せねばならぬ、軽症感染症者のために他病の重症患者を断らねばならぬ状況は全国の基幹病院で起こっている現実です。あなたの街ではどうです？国が決めなければその下の自治体はいつまでも振り回されるだけ。行く所まで行かねば向こうは見えぬ。これはあくまで結果論であって、その途中においては死屍累々なのです。いや、8月15日の今日に、そして未だ戦闘止まぬウクライナを思うにこの言葉遣いは不適当かもしれませんが、もう一日早く戦争が終わっていたらという恨み言葉を聞くにつけ、決断の重要性です。盆明けてから。そう考えているのでしょうが。

成行

コロナの感染再拡大で開催されるかどうか危ぶまれていた当地の夏の祭りが３年ぶりに開催されました。国と都道府県は互いに顔色を窺いながらそれでもいつもの予定調和の足並みは乱しません、今夏行動制限はしない、（感染の）行く所まで行って自然に落ち着いてきたところでシオノギの薬を認証して五類落としの目論見でしょう。事実自治体は我々医者に対してしっかりやってくれの一点張りです。それしかないですからね何も抜本的改良しないんですから。そんな中での祭りです。開催時間を二時間縮めたり、出店は制限する、酒の提供はしないとか行政は（実行委は）あれこれ対策してましたが、3年ぶりというのはえらい効果で、すごい人出でした。若い子たちが多い。数少ない浴衣を着る機会なんですねぇ、そう思うくらい。酒は売らないと言うてましたがそんなことを守るはずもなく。午後7時までとは言うてましたが、そんな明るいうちに皆が引き揚げるはずもなく。これだけの人出を見ると「やってよかった」んでしょうねぇ。でも、これでもって次のコロナの大波が・・です。みんなマスクしてましたけれどね。なるようにしかならぬわけです。こちらの予定通りには進みはしません。そうもわかってますけれど。

呪縛

毎日全国の感染模様がTV報道されます、どこもかしこも三桁四桁の新規感染者を数えています。当地山口県も例外ではなく過去最高数を次々に更新していきます。以前は多くても一日200人300人だったのが700人を越え、1000？！そして現在は2000人前後で推移しています。人口が150万人足らずの分母です、人口の多い街に多くの感染者が出ています当然ながら。当地柳井は人口3万人で、40人50人で推移してきたのですが昨日は80人といよいよ三桁の大台が見えて来たかの感です。医療逼迫が頻りに叫ばれて、それは4波5波6波の頃からずっと言われてきたことですが何の抜本的対策もなされず、今波においても医療側の尻を叩くばかり、受診者に受診控えを言うばかりです。検査キットを無料で配布したところで陽性者への対応が変わらなければ保健所は火を噴いたままです。実はそもそも論なのです。連日連日15万人から20万人の感染者を出している、しかも致命的ではない感染症をエボラ出血熱並みの扱いにしているという一番根っこでの大間違いなのです。厳重な隔離の必要のない（それが証拠に自宅療養者ばかりです、それが家庭内感染を惹起するもののほとんどはそのまま回復する）者までどうしていつまでも全数把握し続ける要があるか。保健所役人たちをこんなに酷使する要などないのに、です。時は巻き戻りませんから遡って非難しても詮無きことです、今からどうするのか。せめて全数把握の呪縛を解くことです。そもそもそんな制度ではないはずですから感染症法は。シオノギの飲み薬を早々に認可して全国の開業医に配って、コロナを町医者に任せることです。

爺婆

何年かぶりに長女一家が帰省してきて、孫たちの成長に驚くという世界中の爺婆の抱くであろう気持ちを味わってます。その年齢に届かねばわからぬ感情があり、それはひとえに役割が変わってきたということです。両親のあの時と同じ年齢になった時に同じような出来事が起こり、役割が変わっているわけです。幼子を連れて両親に会いに行く頃から、その子らが我が子を連れてやって来るという立場の変わり。自分は何一つ変わってない（筈）のですが、環境は確実に変化している。あの時両親はこういう気持ちだったかと改めて知るわけでもあります。年老いて行くということなのですが、そういう尻すぼみ感ではなくて、改めて知るという感慨です。その歳にならねばわからぬことがある。人生というのはうまくできているんじゃないんでしょうか。