お気楽ボランティア日記

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やっぱりすごかった!知の巨人たち

2017年08月20日 | 社会

 土曜日、有楽町朝日ホールへ。 池上彰、佐藤優、松岡正剛という三人に会いたくて・・・

 連続シンポジウム(角川財団・朝日新聞社スペシャル)全3回の1回目。テーマは激動する世界と宗教ー私たちの現在地-「宗教と資本主義・国家」

 ずいぶん堅いテーマですよね、でも池上・佐藤・松岡の三人に会えるなんてまたとない機会!新聞で知ったときすぐに申し込みました。

 池上さんはテレビや新聞でお馴染みの超人気ジャーナリスト、というか社会問題解説者。昔NHKの「こどもニュース」でお父さん役をやっていたときからのファンです。彼は開口一番「こういうテーマに会場いっぱいに来てくれて(600人)、しかもこんなに若い人が多くてビックリしました」と。そう言われてみると女性より男性が、しかも若い人が(学生ではないようですが)多かったようです。ワタシの両隣も、30代位の男性でした。

 佐藤さんは、以前一時期彼の本を読みあさり、その読書量、知識量のすごさに驚かされてきました。教会の読書会でも彼の著書(神学部とは何か)を一度取り上げました。彼はプロテスタントの信者ですが、その激しい言動にはちょっとついて行けない面もありますが・・・でも、社会批評も鋭い彼がこのテーマでどんなことを話すのかと、興味津々でした。

 松岡さんは、「千日千夜」という本の批評をされていて、ネットで全て公開。今は千冊を超えて1600冊に近いようですが、その批評をいくつか読んでいつも圧倒されてきました!彼の取り上げる本の分野があまりにも多岐にわたっていて、本当に巨人だと思います。今回その生の姿に会えるということでちょっと興奮しました。

 初めは池上さん、佐藤さんの対談。打ち合わせ無しとのことでしたが、それにしては一時間半がスムーズに流れていき、あっという間でした

 印象的だった話をいくつかあげると・・・

 ・昨今のテロ・・・イスラム教過激派がテロに走っているのではなく、過激派がイスラム化していること。自殺志願者を集めてジハードに加えていること。自爆で英雄になれると教えること。資本主義社会が格差を生み、展望のない社会が生まれる。

 ・宗教・・・日本人は無宗教というが、様々なものを信じている。その最たるものはお金、つまり拝金教だ。

 この話の流れで佐藤さんがぶしつけ?に、池上さんに「どんなことにお金を使っているか」と聞く。池上さんは、自分は「菩提寺に渡すお布施よりもNPO・NGOなど様々な民間の団体のために寄付をしている」と。それには感動しました。ただ、彼が7つの大学で教えているが、時給が僅か8000円だと言ったとき、私は多いと思いましたが、少ないんですかね?  因みに、佐藤さんは学生に本を買ってあげているそうで、二人とも大事なのは「若者の教育だ」という点で一致してました。

 対談の後は、若松英輔、碧海寿広という若手?の学者の講演がありましたが、正直30分ずつで、少し難しくてあまり理解できませんでした。

 最後に松岡さん司会のもと、5人でパネルディスカッション。松岡さんの司会ぶりはさすがで、若い二人に補足質問をしながら、二人の主張の中身をうまく引き出していました。

 若松さんはAIがこの世界を支配し始めている今後、世界はどうなってしまうか問われて、AIに出来ないことがある。それは、人と共に悲しんだり苦しんだりは出来ない。自分は、悩みの中に有り苦しかったとき、恩師の前に行ったが、沈黙したままで言葉を発せられなかった、しかし師は分かってくれた。これはAIには出来ないと思う、人は言語化されたものだけでつながるのではないと。この話が良かったです。

 最後に池上さんが、資本主義は個々の人びとをバラバラにしてしまった。今の日本は労働組合もダメになっている。宗教こそが人びとをまた結びつけるのではないかと述べ、中国の地下教会の例を話した。彼の世界を見つめる目の広さにも驚かされました。

 佐藤さんが猫好きで、キリスト教のお墓には猫と一緒だと入れてくれないという話題で時間を取っていたのはガッカリ・・・

( 帰宅してから、スマホで若松さんの本「霊性と哲学」を見ていたら、あらま、指が勝手に購入ボタンに触れて、キンドル版で購入してしまいました!ま、いいか!)

 シンポジウム二回目は9月23日(土)「宗教と暴力」がテーマです。

 


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