正直言って、今回の講師は弁護士さんだし、テーマも「若者が生きる社会の仕組みを知り、権利を活かす」という堅そうなタイトルに、ちょっと引く思いがありました。
でも、始まるととても興味深い内容で、タイムリーな事例もたくさん紹介 して下さり、あっというまの二時間でした!参加者が10名(我々入れて16名)と少なかったのが本当に残念で、若い人にも是非聞いて欲しかったです。
若者の働く現場がいかに苛酷か、凡そのことは知ってましたが、改めて学び、なぜ良くならないのだろうと哀しくなりました。特に心を打たれたのは、過労死した方の息子さんの次の詩です。
ぼくの夢
大きくなったら ぼくは博士になりたい
そしてドラエモンに出てくるような タイムマシンをつくる
ぼくはタイムマシンにのって
お父さんの死んでしまう前の日に行く
そして
「仕事に行ったらあかん」
て いうんや
の詩です
「残業」はお金の問題ではなく「命」の問題・・・と、講師の穂積弁護士。労働基準法は一見労働者にとって良さそうに見えて、内実は?私たちはうわべの文言にだまされることなく、しっかり本意を見つめなくてはいけないと思いました。
18歳に選挙権を与えたことの本意が憲法改正への布石、つまり国民投票だったこともしりました。単に若者の政治参加・・・ではなかったのですね。
さらに興味深かったのは「主権者教育」の現状です。高校の教育現場に様々な圧力があるのは知ってましたが、まさか県警からもあったなんて!それも、「参院選挙での投票率が高かったのがおかしい。偏向教育をしたのだろう」と疑われたとか・・・開いた口がふさがりません!
選挙権は与えても、デモ参加は届け出制にしたり、教師には「政治的中立」の名の下に現場を萎縮させたり、私が現役の頃より更にひどい状況に・・・
また、日本人が「同調圧力」にいかに弱いかという話しがありました。例えば、四人いて、自分は答えがAだと思っても、他の三人がBだと言うと、その人もBに変えてしまう率が高いそうです。( 私はあまのじゃくだったので、あまりそういう経験はなく、子どもの頃先生に「北はどちらと思うか指さしてご覧」と言われて、ただ一人クラス全員と違う反対方向を指したのを覚えてます。結果は・・・私が正解。でも、大人になってからはなかなかそうは出来ませんでしたが!)
アメリカのキャパニック選手が黒人差別に反対し、国家斉唱を一人だけ拒否して、殺害脅迫などさんざんバッシングを受けた事件がありましたネ。
その後徐々に賛同者が増え、ついにはオバマ大統領まで動かしたという事例(日本では考えられない!)を紹介して、最後にこう言われました。
「本当のことを見抜く力をつける。若者が困っていたら一人にさせない。自分がもう一人になって応援する」
次回の講座は11月10日(木)です。いつもと曜日も部屋も違うのでお気をつけ下さい。
「主権者教育」について現場の先生の立場から語っていただきます。